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100円食堂のシステムで世界の食料問題を解決したい。グローバルな活躍をめざすイノベーターの卵【遠藤雅楽・17歳】

100円食堂のシステムで世界の食料問題を解決したい。グローバルな活躍をめざすイノベーターの卵【遠藤雅楽・17歳】

「気になる10代名鑑」の759人目は、遠藤雅楽うたさん(17)。留学や探究活動を経て、社会を平和にするイノベーターを志し、「食の循環」という観点から、「100円食堂」のグローバル展開をめざしています。アートや教育にも関心の高く、好奇心旺盛な遠藤さんに、活動のモットーや今後の目標を聞いてみました。

遠藤雅楽を知る5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

世界中に『100円食堂』を展開して、貧困問題と廃棄ロスを解決することを目標に、研究に打ち込んでいます。

具体的には、『千葉ベジ』という、地域にフォーカスした規格外野菜を使った料理イベントで、SDGsについての知識を深め、廃棄食品の現状や貧困問題について学びました。また、『課外活動』というコミュニティでイノベーターとつながることで、自分のプランをどのように実装していくかを模索しています。

グローバル展開のためにも、日本を飛び出して、世界を見ることも大事だと考えています。中学1年のときに留学して、広い世界で生きていくことの楽しさを知ってから、カリキュラムで留学できたり、ゼミとして自分たちの力で探究活動に取り組めたりする、プロアクティブな環境に身を置きたいと考えて。それでいまは郁文館グローバル高校に通って、リベラルアーツを専攻しています」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

もともと海外志向が強くて、中学2年生のとき、ポートランドへの留学プログラムの募集を教室でたまたま見かけて、参加したいと思ったことがきっかけです。そのプログラムに探究活動が含まれていたので、そこから普遍的で身近なテーマから、何か社会に貢献できることはないかと考えました。

最初は、世界を平和にするためには経済格差を小さくしていくべきだと考えていて、格差問題について調べたんです。そこで、先進国では“もったいない”ほど食べ物が余っているのに、発展途上国では最低限の食事もとれない人が出るという矛盾が生じるのかについて、疑問に思って。食の循環で経済格差を小さくしたいという考えが、モチベーションになっています」

Q3. 活動の中で、大切にしていることは?

挑戦することです。8期生として参加しているソーシャル・イノベーション・スクールの『CR-SIS』では、チャンスを“桃”と呼んで、見逃してそのまま川に流さず、“桃”に気づいて拾い上げて、財産にしていくべきだと学びました。それからは、自分からコミュニティや学びの場に参加することを意識するようにしています。

それから、これまで出会ってきた尊敬できる大人の方や同級生は、みんな“無邪気さ”をもっていて、僕もそんな人間になれたらなと思っています。確かに、まだ10代という年齢で未熟な部分はあるけれど、社会にイノベーションを起こすためには、真剣に、そして対等に、10代だからこその柔らかい発想から生まれる、ちょっとした疑問や生まれたアイディアを最大限に活用したいです」

Q4. 活動する中で印象的だった出来事は?

高校2年生のとき、1年間、ニュージーランド留学したことです。現地での生活は、日本と何もかも違っていて、刺激的でした。

僕は、羊に囲まれながら大自然の中で暮らしていました。ケータイを使うことの許されない環境だったからこそ、地域でのリアルなコミュニティを大事にして、人と接する経験が楽しかったし、それがいまの活動にも生きていると思います。

ニュージーランドに来てから、風景を写真に収めようとカメラを始めたり、現地のアートに触発されて絵を描いてみたりもしました。そうした作品がみんなに評価されたことも、自分の新しい一面と可能性を知れた、良い経験になりました」

Q5. 今後の目標は?

今後ももっと多くの人とつながって、自分のビジョンを実現したいです。日本が諸外国とくらべると、リスクヘッジを重んじて、変化に慎重な面が強いと思っていて。イノベーターをもっと増やして、一緒に社会を良くしたいという思いから、イノベーター教育にも興味があるし、この重要性をもっと伝えていかなければと思います。

並行して、僕自身、大好きなファッションやアートを通じて、何か活動ができればいいなと思っています。センター街でファッションショーをして、スローファッションなどのSDGsにつなげられるファッションのかたちを、多くの人に提案できたら楽しいだろうなと考えています」

遠藤雅楽のプロフィール

年齢:17歳
出身:東京都世田谷区
所属:郁文館グローバル高等学校 Liberal Artクラス、NPOまちのかぜ 子ども食堂事業部、学生団体Youth Inovator、エコロジーゼミ 食品班、CR-SIS8期生、有限会社大塚
趣味:ファッション、絵を描く
特技:バスケ、英語
大切にしている言葉:七転び八起き

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Photo:Nanako Araie
Text:Chihiro Bandome

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Chihiro Bandome

ライター

2003年生まれ、埼玉県出身。上智大学文学部新聞学科在学。自分の目で現場を見て、自分の言葉で人と話して、世界を知っていきたい。大学では、主にニュース記事の執筆を学んでいる。2023年より、ライターとして「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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