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盆栽をもっとカッコイイものにしたい!盆栽を通じたネットワークを広げて地域を元気にする【松澤智朗・18歳】

盆栽をもっとカッコイイものにしたい!盆栽を通じたネットワークを広げて地域を元気にする【松澤智朗・18歳】

「気になる10代名鑑」の739人目は、松澤智朗さん(18)。母親の影響で盆栽の奥深さを知り、その魅力を広めるための活動をしています。盆栽から生まれる交流をヒントに、地域創生にも取り組みたいと語る松澤さんに、印象的だった出会いや今後の目標についてくわしく聞いてみました。

松澤智朗を知る5つの質問

Q1. いま、力を入れている活動は?

高校1年生のころから、『人類盆栽大好き化計画』を掲げて、盆栽家に弟子入りして、その魅力を発信しています。具体的なアクションとしては、自治体と協働して盆栽のワークショップをおこなったり、YouTubeやSNSで発信したりしています。

自分の五感を研ぎ澄ませながら楽しむことができるのが、盆栽のいちばんの魅力で、ユニークで素敵な日本の文化だと思うんです。盆栽は生きているから、常に変化があって。手入れや制作をするときに、実際に手で直に触れ、土の感触を感じ、木を切ったときの香りを知って。盆栽を育てることで、いろんな気づきにつながるんです。

いま特に興味があるのは、盆栽で地域創生をすること。ワークショップを運営する中で、幅広い世代の人がコミュニケーションをとっている様子に感銘を受けて。盆栽をきっかけに、地域の交流が自然に起こるような地元をつくり、盛り上げに貢献したいと考えています」

 

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Q2. 活動を始めたきっかけはなんですか?

「3歳くらいのときに、母親が盆栽にハマり始めて、家で20鉢ほど育てていました。僕も水をあげたり、お世話をしたりするうちに、ペットをかわいがるような愛着が生まれてきて。自然と盆栽が身近で大好きなものになりました。

活動を本格的に始めようと思ったのは、高校1年生のころ。母が長年お世話になっていた盆栽の師匠の親戚の方が亡くなってしまって。親戚の方も、師匠と同じ盆栽業に携わっていたので、師匠から『このままでは続けられない』と母へ連絡がきたんです。

実際、盆栽業界に携わる人は年々減っていて、高齢化と後継者不足が深刻なんです。そこから、大好きな盆栽を守るために、高校生の自分でもできることは何かないかと考えるようになりました

Q3.これまでの活動のなかで、印象的だった出会いは?

地元・埼玉の盆栽園で、盆栽家をしている僕の師匠です。母からの縁があり、弟子入りさせていただくことになりました。毎週日曜日に師匠の園に通って、世話をしながらスキルを学んでいました。プロの仕事となると、修行から始まるため、土ふるいから水やりまでには3年かかりました。その間にも、隣で師匠の姿を見て学ばせていただきました。

職人としてのスキルも、黙々と盆栽に向き合う師匠の姿も、すごくかっこいいんです。これらをみんなに発信すればもっと魅力が伝わるし、興味をもってくれるきっかけになるんじゃないかと思い、YouTubeチャンネルの開設を提案してみたんです。はじめはあまり乗り気ではなかったのですが、だんだんコメント欄で反応が届くにつれて、師匠自ら企画や提案をしてくれるようになって。

盆栽が大好きなのは僕も一緒だという気持ちを理解してくださり、当時は高校生で、盆栽家としても半人前の僕に意見に対して、真剣に向き合ってくれたことが本当にうれしかったです

Q4. 活動の中で苦労していることはなんですか?

国内での盆栽への理解や認知があまり進んでいないことですね。むしろ海外のほうが関心が高くて、YouTubeに寄せられるコメントは海外からのものが増えてきていますし、オークションの取引にも積極的です。

盆栽園がある地域の方でも、存在については知ってはいるけれど、生活には関係ないからと、あまり興味をもってもらいにくい印象で。だからこそ、地域の人にアプローチして、盆栽をより身近に感じながら、同時に誇りをもってほしいんです。

この思いから、地域の神社でのお守りに、盆栽デザインを取り入れて商品化できたらいいなと考えていて。いつでも持ち歩くものですし、自分だけでなく、買ってから家族にも渡すものでもあるので、地域の人たちにも浸透させることができそうだなと構想中です」

Q5. 今後の目標は?

『全人類盆栽大好き化計画』を完遂したいです! 『盆栽は古臭くて、お年寄りがやるものだ』という固定観念をぶち壊して、盆栽がいかにかっこよくて、かわいくて、可能性に満ちあふれているものであるかを知ってもらえるように、これからも活動していきます。

最近、同年代の起業家が集まるコミュニティに所属したので、いろんな人とつながりながら、活動のヒントを得るようにしています。仲間からは、僕の喋りがスナックのママみたいで、内容も面白いと褒めてもらえることがあって(笑)。おしゃべりという武器を生かして、盆栽にまつわるトークをしたり、初心者の人も巻き込んで、実際に盆栽を選び製作する楽しさを共有したりできるような集いの場をつくれたらいいなと思っています」

松澤智朗のプロフィール

年齢:18歳
出身:埼玉県
所属:芝浦工業大学デザイン工学部
趣味:盆栽、散歩、お昼寝
特技:格安で最高に楽しめる旅行プランを立てること
大切にしている言葉:「猪突変進」

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Photo:Nanako Araie
Text:Chihiro Bandome

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Chihiro Bandome

ライター

2003年生まれ、埼玉県出身。上智大学文学部新聞学科在学。自分の目で現場を見て、自分の言葉で人と話して、世界を知っていきたい。大学では、主にニュース記事の執筆を学んでいる。2023年より、ライターとして「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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