2024.07.15 Teen's Snapshots

虫はカワイイ！創作アートを通して『虫』のイメージをアップデートする美大生【wooper・19歳】

「気になる10代名鑑」の716人目は、wooperさん（19）。美大でグラフィックデザインを勉強しながら、「虫」をテーマにした創作活動をしています。「虫のイメージを変えて、その魅力を発信していきたい」というビジョンを話すwooperさんに、活動を始めたきっかけや今後の目標について聞いてみました。

wooperを知る5つの質問

Q1.いま力を注いでいることは何ですか？

「虫や環境をモチーフとしたイラストや絵本、タイポグラフィなどをつくっています。普段は、多摩美術大学グラフィックデザイン学科に所属して、デザインの勉強をしています。これまでに、紙芝居をつくってSNSで発信したりもしました。

てんとう虫や蝶といった一部の虫は、よくモチーフとして使われるし、みんなに受け入れられていると思うんですけど、虫全体となると、気持ち悪いものとされがちですよね。それで敬遠されてしまうのが悲しくて。例えば、蛾って不気味な虫として、一般的に気味悪がられることが多いと思うんです。でもよく見たら、高円寺にある古着のような、趣きのある模様の羽をもっていて、すごくキレイなんです。

昔から図鑑を見たり、昆虫採集をしたりするのが好きで、よく虫を見てきました。そんな僕だからこそ見える、虫の魅力をもっと伝えたいと思うようになりました」

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Q2. 活動のテーマは何ですか？

「“虫×アート”という切り口から、虫に興味をもってもらうこと。そして、虫の生態系を脅かしている環境問題への認識を深めて、自然環境全体に目を向けるきっかけをつくれたらいいなと思っています。

『タカオキリガ』という、木の幹に擬態できる珍しい羽をもった蛾がいるんですけど、高尾山のインターチェンジができてから、めっきり数が減ってしまったという話を聞いたことがあって。虫たちは、環境の変化をすぐに察知し、温度が変化したり、人工物ができたりするだけで、姿を消してしまうこともある繊細な存在なんです。

地球温暖化の影響で、南国の虫が北上してきているという事実もあり、その影響で、もともと住んでいた動植物の生態系にも変化が出ていることも知ってほしい。虫たちを守りたいという思いもありますし、環境破壊や気候変動は、虫だけでなく、僕たちの生活にも関わってくることだという意識につながる作品づくりをしたいです」

Q3. 印象的だった出会いは？

「昆虫採集を趣味としている『虫屋』の方々との出会いです。時間があると、虫取り網とカゴを持って里山に行くのですが、そのときによく出会うんです。それぞれが活動に没頭しているのですが、虫が採れるポイントを教えてくれたり、地元の方であれば、その土地の話を教えてくれたり。同じ空間で自然に向き合っていると、いつの間にか顔馴染みになっていって、ゆるやかなつながりが生まれるんです。

虫たちの行動の変化と環境とのつながりについて教えてくれたのも、虫屋のみなさんです。いつも新しい視点をもらえるんです」