Teen's Snapshots

ダークな世界観のコミック作品に魅せられて。自分自身の内面を投影した少女を描き続ける美大生【三千年紀・19歳】

ダークな世界観のコミック作品に魅せられて。自分自身の内面を投影した少女を描き続ける美大生【三千年紀・19歳】

「気になる10代名鑑」の723人目は、三千年紀さん(19)。美大で油絵を学びながら、「自分とは何か」という問いに向き合い、少女のイラストをSNSに投稿しています。そんな三千年紀さんに、影響を受けたものや今後の展望について聞いてみました。

三千年紀を知るための5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

武蔵野美術大学で、油絵学科に通っている2年生です。学校では、油絵だけじゃなく、立体作品や映像などの幅広い手法で作品をつくっています。それ以外に自分の創作として、イラストを描いていて、SNSに投稿しています。

特に女の子の絵を描くことが多くて。絵は心の鏡だと思っているので、とくに意識しているわけじゃないんですが、女性像のほうがどこかしっくりくる部分があるんだと思います」

Q2. どんなことをテーマに活動していますか?

「“自分のことがわかっていない”という思いが根底にあるんです。だから、自分がどういう人間なのかを思い出すために、考えながら描いています。描くことが思考の時間なんです。

友達といるときと、家族といるときの自分は違うけど、自分は自分。相手や場所が違えば、同じ質問をされたとしても、答えが変わるし、考えていることだって変わると思うんです。そうなると、本当の自分ってどこにあるのかなって。“自分とは何か”というのが、ほとんどの作品のテーマになっていますね」

Q3.  活動を始めたきっかけは?

わたしは、自分の内面を誰かに話したり、本当のこと言うのが苦手で。だからこそ、自分をぶつけられる創作を始めたんだと思います。中学のときから、美大に進学できたらなって考えていて。高校も美術系の学校を選びました。

油絵に決めたのは、いちばん自由が効くと思ったから。キャンバスに向かって絵を描く人もいれば、キャンバスじゃないものに絵を描く人だっている。描いている途中でテイストを変えたくなったら、描き直すこともできる。

デジタルで描くイラストはきれいに消えるけど、そうやって書き直したいわけじゃなくて。油絵だと、消した形跡も完全に消えるわけじゃないから、それを生かして描けるのがいいなって思うんです。ちゃんと、“考えて消して直した”っていう流れが残るのが好きですね」

Q4. 影響を受けた作品はありますか?

『黒執事』や『ローゼンメイデン』といった、ダーク系のアニメに影響を受けています。ストーリーもそうだけど、世界観が特に好き。それもあって、普段からゴスロリっぽいものを着たり、髪の毛をお人形さんみたいにするのが好きです。

あとは、高校時代に勉強した哲学からも影響を受けていますね。“自分とは何か”を考えながら作品をつくるわたしにとって、哲学は、客観的に自分を解明することができるもの。自分が考えていることって、実はとっくに昔の人が考え切っていることだと思うんです。なので、いろいろな哲学思想を絵に取り入れています」

Q5. 今後の展望を教えてください。

自分を見失わないように、自分のペースで、自分のことを見つめ続けることができればいいと考えています。

美大にいると“若いうちにいい賞を取って、名前が通ってないといけない”っていう考えにも出会うんです。でも、それで価値を認められたところで、絵を見る人のほとんどは、業界の人ではないじゃないですか。本来、芸術って多くの人に開かれたものだと思うんです。だから、絵を描かない人からも『いいね』って言ってもらえるのが嬉しくて。ビッグネームになりたいだとか、ここのギャラリーに入りたいとかは特になくて。この先も、自分の内面に向き合いながら、作品を描き続けられればいいなって思います」

三千年紀のプロフィール

年齢:19歳
出身地:静岡県浜松市
趣味 : 着飾ること
特技:体が柔らかいこと
大切にしている言葉:「我思う、故に我あり」(デカルトの言葉)

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Photo:Nanako Araie
Text:Atsuko Arahata

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