「気になる10代名鑑」の667人目は、あべいあるなさん(17)。地元である山梨県富士吉田市の活性化に取り組むNPO法人に所属して、地域のためにさまざまな取り組みをしています。さまざまな国の人とともに、地域をつくっていけるような社会を実現させたいと語るあべいさんに、活動をはじめたきっかけや今後の展望について、詳しく聞いてみました。
あべいあるなを知る5つの質問
Q1. いまいちばん力を注いでいる活動は?
「山梨県の富士吉田市を活性化させる取り組みを行なっています。『NPO法人かえる舎』に所属しているのですが、そこには地域の未来について考え、行動する人であふれていて。町のイベントに参加したり、フィールドワークを行ったりしています。
富士吉田市は、“富士山の町”として知られているので、外国人観光客も多く訪れるんです。富士吉田市には富士山以外にも、いろいろな魅力があると思っているので、来ていただいた方にそれを体感してもらいたくて。例えば、郷土料理であるうどんをおにぎりにした商品開発をしたり、富士山世界遺産センターでガイドボランティアをしたりもしています。
また、地球や環境のことを考える、『アースデイ山梨ユース』にも所属していて。イベントの企画運営を行ったり、姉妹都市交流でベトナムを訪れ、現地の高校生と話をしたりと、幅広く活動しています」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「富士吉田で生まれたので、ずっと富士山が身近にあって、大好きだったんです。特に、夏の富士山が好きで。冬が過ぎて、雪が溶けると、緑や赤が混じった色に変わるんですが、それを見ると季節や自然を感じられて、とても気持ちが落ち着くんです。
活動を始めたのは、学校で『富士吉田市のPR大使をやりませんか?』というポスターを見かけて、応募したのがきっかけ。ここで、現在所属している『NPO法人かえる舎』にも出会い、本格的に活動を始めるようになりました。
同じ思いを持った高校生が集まって、富士吉田市の名産品をつくる人にインタビューをしてポスターをつくったり、プレゼンをしたりと、地域を盛り上げる活動をみんなで続けています」
Q3. 考えや活動に影響を与えた言葉はありますか?
「『まちづくりは特効薬ではなく、漢方である』という言葉を大事にしています。これは、『NPO法人かえる舎』の代表である斉藤和真さんが『まちづくりはどうやってできますか』という質問に対して答えたときに言っていたことなんです。この言葉には、いろいろな意味が含まれていると思っていて。
斉藤さんは、普段わたしたちと接するときはとてもフランクな方で、意見を汲み取りながら話をしてくれるんです。相手によって、視点や話し方を変えて、誰もが参加しやすいように、“まちづくり”をみんなでつくり上げていけるような環境を自然につくってくれているんです。
斉藤さんはわたしが尊敬する人で、ロールモデルのような存在です。何か活動するときに背中を押してくれたり、ピンチのときに助けてくれたりと、いつも支えられています」
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Q4. 活動を通して実現したいビジョンはありますか?
「地域の交流を通して、その町に住んでいる人と訪れる人が、互いにハッピーになる世界をつくりたいです。
富士吉田市の本町通りというところが、外国人観光客の間で人気が高まっているらしく、最近はたくさんの人であふれています。でも、赤信号に気づかずに道路に出てしまっていたり、道に広がって往来の妨げになってしまっているときがあって……。
でもこれって、悪気はなくて、習慣や文化の違いからくるものですよね。そういういうことで摩擦が起きないような世界にしたい。せっかく同じ場所、同じものを好きになったいるのだから、もっとコミュニケーションがとりやすくなったらいいなと思います」
Q5. 今後の展望は?
「いまは、地域おこし協力隊になってアクションを起こして、自分にできることから地域をよくしていきたいと考えています。今後も、アプローチは変わっても、まちづくりにずっと携わっていきたいと思っています。
将来的には、日本の地域を、外国人の方と一緒につくっていけるようにしていきたいと思っています。富士山もそうですが、国籍に関係なく、『好きな日本』がある。同じ思いがあるなら、一緒に守っていけることがいちばんいいと思うんです。言語や文化の違いでコミュニケーションを諦めるのは悔しいので、もっと積極的に外国の方とコミュニケーションをとれるようになって、アクションを続けていきたいです」
あべいあるなのプロフィール
年齢:17歳
出身地:山梨県富士吉田市
所属:山梨県立富士北稜高等学校 生徒会 副会長、特定非営利活動法人かえる舎「かえる組」、アースデイ山梨ユース、富士山世界遺産ガイド会、任意団体学生団体トップファン
趣味:ダンス、富士山
特技:何事にも全力で楽しめること
大切にしている言葉:まちづくりは特効薬ではなく、漢方である
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Photo:Eri Miura
Text:Chikiri Kudo