世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、Coachtopia(コーチトピア)が発表したドキュメンタリーシリーズ 『The Road to Circularity(循環型への道のり)』について、ご紹介します。
環境汚染産業2位とみなされているアパレル業界。
近年、環境負荷の高さから批判が集まってるアパレル業界。そうした声に呼応するように、サステナビリティを全面に押し出したアパレルブランドも増えてきています。アメリカ生まれのライフスタイルブランド、「COACH」もそのひとつ。
昨年、長年蓄積してきたレザー加工のノウハウを駆使して、持続可能な未来をめざすサーキュラークラフトブランド『コーチトピア』をローンチしました。このブランドが打ち出しているのが、新たな素材の生産と廃棄物の両方をゼロにすることをめざす「循環型エコシステム」。近年重視されている「サステナブルファッション」から、さらに一歩踏み込んだ画期的な動きです。
大量のはぎれ…ファッションの裏側から見えるもの
現在、コーチトピアのSNSと公式オンラインストアで、 『Making with Waste』が公開されています。これは、サーキュラーファッションの課題と可能性を探るドキュメンタリーシリーズの第1弾です。
舞台となるのは、COACHのパートナー会社である、インドの皮革メーカー『KHエキスポート』。コーチのレザーバッグ製品の製造過程で生じた、本来であれば廃棄されてしまうはずの膨大な数のはぎれを、革の色ごとに細かく分別したり、それを組み合わせでデザインを完成させたりといった、普段は見ることができない舞台裏がリポートされています。
循環型への道のり
また作品の中では、伝統あるクラフト技術に迫りながら、ラグジュアリーなアップサイクルプロダクトへ落とし込むこだわりや苦労も語られています。
丁寧な手仕事により生まれた、レザーのリサイクルパネル「イノクラ」は、スエードのような質感や手触りが特徴。アップクラフトレザーを支える革新的な技術により、不ぞろいなレザーに、新たな命が吹き込まれていきます。
また、「完璧」を求めすぎるわたしたちの意識改革こそが、サーキュラーファッションを実現するためのヒントであるという問題提起もされています。
わたしたちの意識の変革で未来は切り開ける
アパレル業界だけ見ても、こうした端材のようなロスが出るケースは、数えきれないほど存在します。モノづくりに関わる、世界中の全産業を見渡してみたら、果たしてどれだけの廃棄物が出ているのでしょうか。想像するとあまりにもスケールが大きくて気が遠くなりそうな一方、同じだけ循環型転換の可能性が眠っていると捉えることができるといえます。
循環型の未来をめざすためには、単にモノづくりの仕組みを変えるだけではなく、消費者である自分たちの価値観にも疑問をもち、変えていくことが必要。『Making with Waste』は、作り手と買い手が一緒にサーキュラーエコノミーをめざすアイディアやコミュニケーションを探っている作品なので、ぜひチェックしてみてください。
Text:kagari