Teen's Snapshots

誰もが働きがいを持って活躍できる社会を実現させたい。ディーセント・ワーク促進のために活動中【野添葉音・18歳】

誰もが働きがいを持って活躍できる社会を実現させたい。ディーセント・ワーク促進のために活動中【野添葉音・18歳】

「気になる10代名鑑」の643人目は、野添葉音さん(18)。障がい者支援のために、高校3年生で学生団体を立ち上げ、講演活動をしたり、現在は障がい者就労に関する事業を起こしたりしています。誰もが働きがいをもって活躍できる社会をつくることが夢だと話す野添さんに、いま力を入れて取り組んでいることや将来の展望について詳しく聞いてみました。

野添葉音の活動を知る5つの質問

Q1. いま、力を入れて取り組んでいることは何ですか?

障がい者支援の分野で、アクションを起こしています。わたしの夢は、誰もが働きがいをもって活躍できる社会をつくる こと。そこで、特に障がい者就労についての活動や勉強をしています。

活動をするにあたっては、当事者をはじめとして、行政や企業、学識者の人たちに、150名ほどヒアリングをしました。そこでの学びをもとに、『就労支援フォーラムNIPPON』で講演をしたり、『育成草』という学生団体を立ち上げて啓発活動をしたりしてきました。

いまは、障がい者就労に関する事業の立ち上げに挑戦しています。障がいがあっても働くことができる人はたくさんいて。でも、受け入れる社会の基盤がなければ、意味がありません。だからこそ、障がい者就労の選択肢を増やせる方法を模索しています」

 

この投稿をInstagramで見る

 

育成草(@ikus_eiso)がシェアした投稿

Q2. 活動を始めたきっかけは?

わたしの母が、先天性の聴覚障がいがあるんです。いつも、読唇術を使って口元を見て会話をしています。でも、わたしにとっては、生まれたときから母の耳が聞こえないことは当たり前だったし、会話も口話だったので、母のことを障がい者だと思ったことがありませんでした。

ですが、高校2年生のとき、コロナ禍でのマスク生活の影響でコミニュケーションが難しくなっていることを目の当たりにしたんです。いままではスムーズに会話ができていたのに、環境変化で、すごく大変な思いをしていて。そのときにはじめて、母の生きづらさを実感しました。

そこから、当事者のことをもっと知るために、聴覚障がいのある小学生の放課後デイサービスのボランティアに参加してみたんです。多くの親御さんが、子どもの進路や将来について悩んでいて。そんないまの社会の現状を、少しずつでも変えたいと思ったんです」

Q3. 印象的だった出来事はありますか?

就労支援フォーラムNIPPON2023で基調講演をしたことです。実際の現場や当事者の気持ちを100%理解することができない自分に伝えられることはあるのかと悩んだのですが、『お金や時間をかけて参加する来場者の人たちが求めてることはなんだろう』と自問自答をして、本気で障がい者就労に向き合っている人たちへの素直な想いとエールを伝えました。

当日はとても緊張しましたが、来場者から心温かいお言葉をいただきました。現場に出たこともない高校生の言葉を受け入れてもらえるかとても不安だったのですが、本気の想いはどんなに拙い言葉でも伝わるんだということを学ぶことができました」

Q4. ご自身の考えや活動に影響を受けた人を教えてください。

YouTuberのmikuさんです。受験のときに、孤独感を感じていたのですが、mikuさんの著書の『幸福は大胆な人が好き』という本をお守りのようにしていて。特に『うまくいく前には必ずうまくいかないときがある』という言葉を自分に言い聞かせて、過ごしててきました。

受験が終わったあと、目標を見失ってしまった時期があったのですが、そんなときに偶然、mikuさんとお会いしたんです。そのときに『いまは燃え尽き症候群になっているかもしれないけど、あなたは強いってわたしは信じてるよ。わたしが書いたことに共感したあなたは、きっとわたしと同じで負けず嫌いでちゃんと最後までやり切る人だから』という言葉をいただいて。それで、前を向くことができました」

Q5. 将来の夢は何ですか?

「4月から進学する大学では、福祉臨床から福祉政策まで学べるので、効果的なアプローチを模索していきたいです。そして大学にいる間は、事業の立ち上げに注力をしながら、SNSを通して、障がいについてもっと発信していきたいです。将来はさまざまな職種を経験して、最終的にはディーセント・ワークの促進に大きなインパクトを与えられる存在になりたいです。

正直、わたしが生きているうちにすべてを解決することはできないと感じてしまうほどに、福祉にはさまざまな問題が複雑に絡まっています。ですが、多くの人からチャンスやご縁をいただいているからこそ、その恩を、さまざまなかたちで社会に返していきたいです」

野添葉音のプロフィール

年齢:18歳
出身地:神奈川県
所属:法政大学国際高等学校、学生団体育成草、NPO学生団体WeGo!Tokyo
趣味:食べること、Youtuberの未来/Mikuさんの動画を見ること、読書
特技:ダンス
大切にしている言葉:難ある人生は有り難い人生。

野添葉音のSNS

★Twitter

★Instagram

 

この投稿をInstagramで見る

 

育成草(@ikus_eiso)がシェアした投稿

★note

野添葉音のリンク集|note(ノート)
野添葉音さんのリンク集です。
https://note.com/light_cosmos690/portal

Photo:Eri Miura
Text:Mao Kawasaki

SNS Share

Twitter

Facebook

LINE

Mao Kawasaki

ライター

2003年生まれ、新潟県出身。文化服装学院 インダストリアルマーチャンダイジング科 在学中。Steenzには2023年11月より参加。学生ライターとして「気になる10代名鑑」のインタビュー記事執筆を担当している。

View More