「気になる10代名鑑」の631人目は、平野健太郎さん(19)。ふたつの国際支援団体に所属し、誰もが自由に選択できる社会の実現に向けて活動をしています。幼少期をメキシコで過ごしたことが活動の根底にあると語る平野さんに、これまでに影響を受けた人物や今後の展望について、詳しく聞いてみました。
平野健太郎を知る5つの質問
Q1. いまいちばん力を注いでいる活動は?
「アフリカのマラウイに住む子どもたちへ給食支援をおこなっている『NPO法人せいぼ』という団体に入っています。寄付を募ることを活動のメインにしながら、売り上げの100%が支援につながるコーヒーの販売もしています。また、日本の学校での講演会もおこなっています。
ほかにも、難民支援を目的とする、上智大学のSRSG(Sophia Refugee Support Group)という団体でも活動をしています。こちらの団体では、高校生に向けて、難民の状況を伝えながら、難民カフェや食品配達など、直接的な支援もおこなっているんです」
この投稿をInstagramで見る
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「親の仕事の関係で、3年間メキシコで過ごしていたんです。日本ではあまり見られないような、経済格差を目の当たりにして、子どもながらに衝撃を受けて……。それで自然と、貧困や経済格差に対して何かアクションをしたいと思うようになったのがきっかけですね。
また、カトリックの学校に通っていたことも影響していると思います。カトリックの他者に対する考え方や歴史に触れ、ボランティア活動にもたくさん参加させてもらいました。誰かのために活動することが楽しいと思えるようになったのは、間違いなくこのおかげだと思います」
Q3. これまでに強い影響を受けた人はいますか?
「所属する『NPO法人せいぼ』の理事長を務める山田真人さんです。誰かのためにここまで活動できる人がいるのか、と驚きました。一緒に活動させてもらう時間を重ねるにつれ、そのすごさを実感し続けています。
あとは、ドイツ出身の元プロバスケットボールプレイヤー、ダーク・ノヴィツキーを尊敬しています。まだヨーロッパ人選手が少なかったNBAに挑んだチャレンジ精神をもち、NBAのシーズンMVPを獲りながら、それでも厳しい練習を続ける努力家であるところを尊敬しています。さらに、自身で財団を立ちあげてチャリティー活動もされていて、僕にとってロールモデル的な存在です」
この投稿をInstagramで見る
Q4. 悩みはありますか?
「日本の、“NPO法人”へ対するイメージに、少し違和感があります。海外は日本とは比べものにならないくらいチャリティーへの意識が高く、たくさんの人が寄付をするので、その組織評価制度もしっかりしていて、評価団体も活躍しているんです。日本でも、しっかり活動しているNPO法人がもっと評価されるべきだと思います。
また、個人的なことでいうと、自己肯定感が低いことが、悩みのひとつです。さまざまな活動をしているなかでたくさんの人と出会いますが、みんな本当に素晴らしい人で、自分はまだまだだなと実感させられます。活動を続けている中で、少しずつ自信がついてきていると思うので、この先も自分なりに頑張っていきたいと思っています」
Q5. 今後の展望は?
「まずは、いまの活動を続けて、より多くの人へ、マラウイのストーリーや難民のストーリーを広めていきたいと思っています。いまおこなっている活動の共通点は、“誰もが自由に選択できる世の中の実現”という点にあります。簡単に叶う目標ではありませんが、もっと自由が増えてほしいというシンプルな願いで、活動をしています。
人を助ける活動や人のためになる活動は本当に楽しいし、やりがいを感じます。どこかでアクションの形は変わるかもしれませんが、これからも人のために活動をしていきたいです」
平野健太郎のプロフィール
年齢:19歳
出身地:静岡県島田市
所属:上智大学国際教養学部、NPO法人せいぼ、SRSG(上智大学難民支援団体)
趣味:サッカー観戦、音楽を聴くこと、旅行
大切にしている言葉:心は熱く、頭は冷静に
平野健太郎のSNS
この投稿をInstagramで見る
この投稿をInstagramで見る
Photo:Eri Miura
Text:Chikiri Kudo