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2024年はモチベを上げてくれる「伝記モノ映画」でスタート。A24などの新作も見逃せない!【映画アクティビストDIZのSCREEN BITE#17】

2024年はモチベを上げてくれる「伝記モノ映画」でスタート。A24などの新作も見逃せない!【映画アクティビストDIZのSCREEN BITE#17】

「10代のうちにたくさん映画を見て、インプットしておいたほうがいいよ」なんてよく言われるけど、過去作から新作まで、たくさんある作品の中から、どれを選べばいいかわからない……という10代に向けてスタートしたこのシリーズ。

21.2万人のTwitterフォロワーを持ち、「人生を豊かにする映画」を発信している映画アクティビストのDIZさんに、配信で見られる作品について、ひとかじり語ってもらいます。

2024年1発目は、新しい年の始まりのタイミングにやる気を引き出してくれそうな「伝記モノ」をお届けします。いわゆる偉人と呼ばれてきた人ではない、さまざまな人生模様を描いた作品を厳選してもらいました。

観終わったころには、夢に向かって体が動いているはず。そして、今年大注目の最新伝記映画もご紹介します。

2024年のモチベを上げる「伝記モノ映画」

映画アクティビストのDIZです。今年もみなさんが素晴らしい映画と出会うためのお手伝いができれば嬉しいです。

2024年、最初にオススメしたいのは、モチベーションが爆上がりする映画たち。今年こそは夢を叶えたい!と強く決意した人も多いはず。そんなタイミングにぴったりの、主人公が葛藤しながらも運命を切り拓いていく、実話ベースの力強い伝記映画をご紹介します。

「不可能はない」と人生を通して教えてくれる熱いメッセージを受け取って、2024年も頑張っていきましょう。

tick, tick… BOOM! : チック、チック…ブーン!

tick, tick…BOOM! (L-R) ANDREW GARFIELD as JONATHAN LARSON in tick, tick…BOOM!. Cr. MACALL POLAY/NETFLIX © 2021

「いい会社に就職しなさい」「早く結婚したほうがいい」「まわりの友達は立派にやってるのに、叶うはずもない夢をいつまでも追って、時間を無駄にしているの?」と言われ続けたわたしにとって、この映画はあまりに刺さりすぎて、エンドロールまでずっと泣いてたという、忘れられない作品です。

本作は、社会現象になった大ヒットミュージカル『RENT』の作者である、ジョナサン・ラーソンの人生を描く伝記ミュージカル。

8年間という長い歳月をかけた夢があるけれど、30歳の誕生日を目前に、まわりの友人たちは次々と現実的な道を歩み始め、恋人にも結婚を迫られ……。夢を追い続けるか、諦めて枯れた心で生きるのか、究極の選択を迫られた若者を、アンドリュー・ガーフィールドが演じ、魂まで届く歌声で、理想と現実の狭間での葛藤を見事に表現しています。

夢を追い続けることは、時間の無駄なのかも……。夢なんて叶うはずない……。そんなふうに自信を喪失してしまっている人にとって、希望と勇気をもらえる作品だと思います。

ナイアド ~その決意は海を越える~

NYAD. (L-R) Jodie Foster as Bonnie Stoll and Annette Bening as Diana Nyad in NYAD. Cr. Kimberley French/Netflix ©2023

夢を叶えるのに、年齢なんて関係ない。28歳のときに叶えられなかった前例のない壮大な夢を、60歳になって再び叶えようとするマラソンスイマー、ダイアナ・ナイアドの自伝映画『ナイアド ~その決意は海を越える~』。

引退して約30年が経つダイアナが再び夢へとチャレンジし、偉業を成し遂げるまでの道のりは、誰もが心を奪われる、圧倒的にドラマティックなストーリー!

「一度きりの貴重な人生、あなたは何をする?」と観る人に問いかけ、後悔のない人生を生きようと決意し、何度失敗しても命がけでチャレンジし続ける彼女の姿は、ときに狂気すら感じさせるほど。

まわりで夢を支え続けるチームメンバーの海より深い愛にも涙し、やりたいことができない理由を年齢のせいにして逃げるのはやめようと決意させてくれる、心燃える伝記映画です。

主演のアネット・ベニングは今作で、第81回ゴールデングローブ賞の主演女優賞にノミネート。アカデミー賞にも期待される超注目作なので、ぜひチェックしてほしいです。

ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ

配信元:キノフィルムズ/木下グループ  現在配信中
©2021 STUDIOCANAL SAS - CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION

「猫を飼うなんてありえない」……そんなふうに猫の存在が疎まれる時代に、一生かけて猫の素晴らしさを世界と分かち合った画家の壮絶な人生を描く伝記映画「ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ」。ベネディクト・カンバーバッチの繊細な演技に胸が締め付けられて、涙が止まらなくなる心揺さぶる感動作です。

犬はペットとして飼われていましたが、猫はネズミ取りの不吉な生き物としか認識されていなかった、19世紀の後半。もしもルイス・ウェインが常識を超えて猫画家として活動していなければ、現代でも猫の存在は疎まれていたかも..….。生涯をかけて「猫革命」を起こした画家の人生を、ひとりでも多くの人に知ってほしい!

そして、自分の“好き”を信じ、世間の常識も跳ね除けて夢を追い続ける尊さ、何気ない日々の美しさに気づくこと、そして幸せな瞬間を心から味わって生きる大切さを描く、愛情あふれる作品です。特に猫好きさんは、絶対に観てくださいね。

MINAMATA―ミナマタ―


みなさんは「水俣病」を知っていますか? 教科書で少しだけ触れただけで、実態を詳しく知っている人はあまりいないのではないでしょうか。いまでも続く、忘れてはならない日本の闇を、アメリカを代表する写真家と称えられたユージン・スミスが世界に伝えた衝撃の実話です。

映画の素晴らしさとは、知らなかった世界を自分の人生かのように体験させてくれることだとわたしは思っています。この作品は、まさにそんな映画のパワー、映画の存在意義を改めて思い出させてくれます。

主演を務めるジョニー・デップは、いまもまだ続く水俣病の危機や、各国で同じ環境被害に苦しむ多くの人々の存在を世界に発信すべく、自らプロデューサーも務めています。

企業にも国にも見捨てられた人々を救うため、人生を捧げたユージン・スミスの寄り添い方や写真への情熱に感銘を受けたわたしは、本作を観たあとすぐにカメラを買いに行ったり、実際に水俣市を訪れて、現地の方にお話を聞く機会を設けていただいたりするほど、心を打たれた作品です。

目を背けたくなるほど苦しい現実が描かれていますが、多くの人に届いてほしい映画のひとつです。

これから映画化される注目作も!

これから映画化される予定のある伝記映画も楽しみすぎて、モチベーションが上がるラインナップばかり! 話題の映画スタジオ・A24が製作するイーロン・マスクの伝記映画、ティモシー・シャラメが主演を務めるボブ・ディランの伝記映画、さらにマイケル・ジャクソン、ボブ・マーリー、エイミー・ワインハウス、ドナルド・トランプ前米大統領など、世界中の誰もが知る偉人や有名人たちの実写映画化が待機中です。これだけの超大作が待っていると思うと、ワクワクが止まりません!

そしてわたしが今年楽しみにしている伝記映画は、エルヴィス・プレスリーの元妻、プリシラ・プレスリーの回想録をもとにした、A24×ソフィア・コッポラ監督の最新作『Priscilla』です。日本では4月公開ですが、ヴェネチア国際映画祭にて初上映されたときには、7分間ものスタンディングオベーションを受けたという高評価で、期待が高まります。

 

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みなさんは誰の伝記映画を観てみたいですか? 今年も人生を変えてくれるような心震える素晴らしい映画に出会うのが本当に楽しみですね!

DIZのプロフィール

映画アクティビスト。ひとりでも多くの人に映画の素晴らしさを伝えるために、フリーランスで活動している。体験型の映画イベントを主催したり、配信サービスのSNS企画・編集やコピーライティング、さまざまな作品の評論を寄稿したりと、枠にとらわれずに活動している。
Twitter:@DIZfilms Instagram:@diz2049

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