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スーダンでいま何が起こっているの?紛争多発地域のアフリカのことをもっと知ろう【Steenz Breaking News】

スーダンでいま何が起こっているの?紛争多発地域のアフリカのことをもっと知ろう【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、邦人退避のニュースも数多く報じられた、国軍と準軍事組織RSFの間で武力衝突が続いている、アフリカのスーダンについてご紹介します。

スーダンで何が起こっているのか

2023年4月15日、アフリカ北東部の国・スーダンにて、国軍と準軍事組織RSF(以下RSF)間の武力衝突がはじまりました。WHOによると、この戦闘によって705名が死亡し、5,287名が負傷しました。

元々、2011年に南スーダン共和国が独立するまで、スーダンはアフリカで最も大きな国でした。しかし、南スーダンの分離独立によって、スーダンは石油発掘の権利の多くを失い、それ以降、GDPはアフリカ内で17位と、経済が栄えているとはいえない状況です。とはいえ、スーダンはアフリカで3番目に面積をもち、4000万もの人口を抱える大国です。

分断が繰り返されるスーダンの背景

人口の7割がイスラム教徒であるスーダンは、90年代からイスラム教徒の支持を得るバシール大統領の独裁的な政権が続いていました。当時、バシール政権のもとで起こった反乱を弾圧していたのが、今回の紛争の当事者である国軍とRSFです。RSFは民兵組織から発展したスーダンの独立系軍事組織ですが、バシール政権の黙認のもとで、国軍とともに弾圧を行い、国際的にも非人道的だと非難されてきました。

2010年に紛争が終結した後も、当時、民生化の動きが進んでいたアラブ諸国では、物価の高騰や不安定な経済に対する人々の不安からデモが多発しました。

そして2019年、バシール政権を裏切った国軍とRSFが手を組んで民衆の反乱に加わり、軍事クーデターに。その結果、バシール大統領は失脚しました。これらはスーダン革命と言われています。

革命後も安定することのないスーダンの政治

スーダン革命後、国民選挙によって、RSFを国軍に編入することで、民政移管の手続きがはじめられていました。

しかしここで、国軍を率いるブルハン将軍と、RSFを率いるダガロ司令官の間で権力闘争が始まります。ブルハン将軍は「2年で統合したい」と統合を進めますが、ダガロ司令官は「ブルハン将軍と同じ地位なら統合することを許可する」という態度でした。それを認めなかったブルハン将軍は、2021年、ついに民政移管を撤回し、軍政にするためのクーデターを再度起こしたのです。

こうして、国軍とRSF間の権力闘争は次第に激化し、2023年4月15日、首都ハルツームで激しい戦闘が勃発。大勢の市民が巻き込まれ、国内外に避難生活を余儀なくされています。

スーダンでは、すでに約20万人の市民が国外に避難しており、UNHCRは約86万人が国外に避難を強いられると想定しています。

食料や水、医薬品、燃料の不足が深刻化し、現在、人口の半分超に当たる約2500万人が、援助と保護を必要としています。しかし、燃料や交通費の高騰により、戦闘地域を離れることさえも困難になっているのが現状です。

国際社会の抑止力と長引く紛争

紛争の解決には、周辺諸国や同盟国の協力が不可欠です。しかし旧宗主国であるエジプトは市民の同意を得づらいといった理由から不干渉を表明していたり、他の周辺諸国も経済的な余力がなかったりと、なかなか動けないのが事実。またアメリカも「世界の警察」から降りようとしていて、国際社会による抑制力が薄れています。そんな中、国軍とRSFは「死ぬまでこの戦いは終わらない」と宣言していて、内戦は長引くと予想されています。

内戦の勝敗は、どちらが首都ハルツームを侵略するかによって大きく変わります。ただ、勝敗が決まっても、バシール大統領による独裁政権から軍政に変わるだけで、民主化は程遠いといわれています。多くの市民が民主化を求めている中で、犠牲となるのは彼らなのです。

世界の関心と支援がウクライナとロシアの戦争に集まっている中、紛争多発地域であるアフリカへの関心が高まっていないという現実があります。しかし、こうしている間にも、スーダンでは、かけがえのない命が常に危険にさらされています。そのことを、もっと多くのひとが知るべきです。

Text:Hao Kanayama

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Hao Kanayama

ライター

16歳、初アフリカ大陸上陸。19歳、アフリカ10か国放浪。20歳、ウガンダ移住。ウガンダの現地の会社とNGOの職員として、ストリートチルドレン、シングルマザー、薬物中毒者、孤児の支援を行う。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。少数民族と木登りとテクノがスキ。

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