Steenz Breaking News

役目を終えた化粧品がボールペンやクレヨンに。広がる化粧品のアップサイクル【Steenz Breaking News】

役目を終えた化粧品がボールペンやクレヨンに。広がる化粧品のアップサイクル【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、役目を終えた化粧品のアップサイクルについてご紹介します。

使いきれない、市場に出せない…さまざま理由から捨てられる化粧品

買ってはみたものの、あまり好みじゃなかったり、使用期限が切れてしまったりと、コスメを使いきれなかった経験、ありませんか? 化粧品を活用した商品の開発や製造、販売などをおこなっているモーンガータが、化粧品ユーザー5,423人を対象に実施した調査によると、化粧品を使いきれずに捨ててしまった経験があるという人は、全体の86.3%でした。

また、化粧品の廃棄問題は、消費者だけでなく、化粧品メーカーや原材料メーカーなどの業界側でも起こっています。研究開発や製造の過程でつくられたり、あるいは使用期限を迎えた化粧品は、直接、廃棄処分されるそう。廃棄処分する化粧品の量が多いと、それだけ環境への負担も大きくなってしまいます。

役目を終えた化粧品が水性ボールペンに生まれ変わる

こうした課題に対して、モーンガータでは、使わなくなった化粧品を活用した水性ボールペンを開発しました。「SminkArtペン(スミンクアートペン)」と名づけられたこのペンは、花王株式会社(以下:花王)と株式会社コーセー(以下:コーセー)、そして大手文房具メーカーである株式会社サクラクレパスが共同開発しました。

ペンは、アイシャドウのような粉状の化粧品を使用しており、多様なカラー展開を実現。化粧品特有の色合いとキラキラとしたラメが上品な印象を与えてくれます。この「SminkArtペン」は、2024年秋ごろの販売をめざしており、このペンを活用したイベントの実施など、幅広い活用を予定しているそうです。

カラーコスメを活用したクレヨンも登場

廃棄されるはずの化粧品を活用したアップサイクルの動きは、他にもあります。

オーガニック&ナチュラルコスメのセレクトショップ「PRIMAL COLOR 藤沢店」では、2023年9月5日から、不要になった化粧品の回収ボックスを設置し、集められた化粧品をクレヨンにアップサイクルする取り組みをスタート。この取り組みは「COSME no IPPO」と呼ばれており、「美容業界のゴミゼロ」や「カラーコスメに新たな価値をつくる」ことなどを目的にした活動の一環です。

こうして生み出されたクレヨンは「Helloyon(ハロヨン)」と名づけられ、アイシャドウやチークを加工して製造されています。また、アップサイクルしてつくっているため、パッケージごとにクレヨンの色が異なるところもポイントです。同じ色が存在しないという特別感もあり、使うのが楽しくなりそうですね。

 

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化粧品ロスを減らすためにできること

通常、化粧品の使用期限というのは、開封してから3か月から1年間といわれています。かわいいコスメを見つけるとついつい買いたくなってしまいますが、いま手元にあるコスメも大切に使用できると良いですね。どうしても使いきれなかったときは、「COSME no IPPO」のような、アップサイクルプロジェクトに参加している店舗がないか探して、回収してもらうのもいいかもしれません。

Reference:
モーンガータ、役目を終えた化粧品を水性ボールペンへ 新たなアップサイクルの取り組みを開始

Text:Yuki Tsuruda

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Yuki Tsuruda

ライター

鹿児島県在住のフリーライター。販売職や事務職を経験後、2020年5月からフリーランスのライターへ。執筆ジャンルは、ものづくりやSDGsなど。

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