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ひとりでも多くの人の命を救いたい!応急手当の普及をめざす高校生【芹澤 零音・18歳】

ひとりでも多くの人の命を救いたい!応急手当の普及をめざす高校生【芹澤 零音・18歳】

「気になる10代名鑑」の519人目は、芹澤零音れおんさん(18)。AEDや応急手当の存在をより身近にするために、応急手当普及員を取得し、実践的に使えるスキルを教えています。医療ドラマの『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』に影響を受け、行政へのアプローチなどに取り組んでいる芹澤さんに、活動のなかで感じる思いや、今後の展望について聞いてみました。

芹澤 零音の活動を知る5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

応急手当普及員として、正しい応急手当や心肺蘇生のスキルを広めています。中学生のころ、授業の一環で東京消防庁の救命技能認定を、高校1年生の時に自主的に応急手当普及員の資格を取得してから、自分で講習を開講しているんです。

いま、いちばん力を入れているのは、AEDの普及活動です。AEDは1台30万円もする、とても高価なものなので、政治家の方も交えながら、AED設置に対する補助金や助成金などの政策提言にもチャレンジしています。ひとりでも多くの命を伝えたいという気持ちをまっすぐ伝えるということを意識しています」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

『火の用心~』と練り歩く消防少年団を見て憧れて、入団したのが最初のきっかけです。防火防災の広報活動をしたり、心肺蘇生の方法を教えてもらったりしました。そこで、AEDという小さな機械が人の命を救うということに驚いて。応急手当の正しい知識を広めて、もっと多くの人の命を救えるようにしたいと思いました

とはいえ、中学でも学校教育として救命講習を受けましたが、『実際にやってみる』という機会や時間は限られていて……。以前、高齢の男性が流血していて、駆けつけた僕が応急処置をしたという経験があります。そのとき、まわりの人は何もせず立っているだけという状況を目の当たりにしました。授業などで一度はやっているはずだから、知識はあるけど、いざというときに発揮できない。そんな状況を変える実践的な講習をしたいという気持ちが湧いてきたんです」

Q3. これまでの活動で「壁」を感じたことはありますか?

この活動をしていて、応急手当普及員として活動する人に、若い世代が少ないのは課題だと思いました。

ボランティアではなく、職業として定着させ、『若い人が若い人に教える』というスタイルをつくりたいんです。自分でも中高生に教えていると、年齢が近いからこそ、積極的に質問してくれたり、話をしっかり聞いてくれたりする感覚があって。若い応急手当普及員の存在によって、いままで時間がかかっていた作業がもっと効率的になったり、受講者が受けやすい講習が増えて、結果的に救える命をもっと救うことができるんじゃないのかなと思っています」

Q4. これまでの活動のなかで、印象的な出会いはありますか?

「僕は、ドラマ『コード・ブルー』から受け取った『救える命は何としても救う、失敗は無意味ではない』というメッセージから大きな活力をもらって、活動の支えにしています。このドラマの医療監修をされている松本ひさし先生との出会いは大きなものです。活動を広げるなかでヒントをいただきたく、直接コンタクトをとりました。

松本先生は、効果的にヘリを使えるスキルを持つ人材がいなかった当時に、ドクターヘリの必要性を訴え、普及させた方です。AEDや応急手当も同じで、やり方と必要性を知らない人がまだまだ多いのが現状。現場で働くこと、それからスキルを持った人材を育成していくという両面からアプローチすることの大切さを学んでいます」

Q5. 今後の展望は?

「自分が教えた高校生が、実際に救命活動をして命を救ったという、自分のやってきたことに意味があったなと感じる出来事がありました。応急手当普及員として、これからも自分の持っている知識やスキルをどんどん広げたいです。

それから、緊急時に動けなくなってしまう原因として、知識不足だけではなく、自主性の問題もあるんじゃないかと考えています。だから、自発的に物事に取り組む人間性を育む教育について、大学で研究したいです

芹澤 零音のプロフィール

年齢:18歳
出身地:神奈川県相模原市
所属:明星高等学校、日本応急手当普及員協議会代表理事、高校生ボランティア団体未来守町田支部代表、国会超党派若者政策推進議員連盟委員、町田消防少年団元隊長、町田交通少年団指導員情報処理学会会員、日本防災士会会員
趣味:サイクリング、AED探し
特技:変顔
大切にしている言葉:​​​​私たちは一歩前へ踏み出したい。ダメな自分と一緒に。

芹澤 零音のSNS

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Photo:Eri Miura
Text:Chihiro Bandome

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Chihiro Bandome

ライター

2003年生まれ、埼玉県出身。上智大学文学部新聞学科在学。自分の目で現場を見て、自分の言葉で人と話して、世界を知っていきたい。大学では、主にニュース記事の執筆を学んでいる。2023年より、ライターとして「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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