Steenz Breaking News

普段使いのアイテムをもしものときにも役立てる。注目が高まる「フェーズフリー」とは?【Steenz Breaking News】

普段使いのアイテムをもしものときにも役立てる。注目が高まる「フェーズフリー」とは?【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、「フェーズフリー」という考え方や、日常的に取り入れやすいフェーズフリー商品についてご紹介します。

最近注目されているフェーズフリーって何?

フェーズフリーとは、普段から使っているモノやサービスを、非常時にも役立てるという考え方のこと。別名、「備えない防災」とも呼ばれています。

万が一のときの備えとして防災グッズの用意はしているけれど、いざというときになって「使い方がわからない」というケースも珍しくありませんし、備蓄食品も「食べ慣れていないから、気持ちが落ち着かない」や「おいしくないので、食べる気になりにくい」と感じてしまうこともあるようです。

しかしフェーズフリーな製品であれば、普段から使い慣れているため、非常時であっても、慌てることも少なくなります。食品であっても、もしそれが食べ慣れた味であれば、気持ちが落ち着くでしょう。普段と異なる環境に身を置いていると、緊張感から精神的にも肉体的にも疲れてしまうはず。この疲労を、少しでも和らげることが大切なのです。

そのためにも、日常時と非常時の境目をなくし、普段から使えるフェーズフリーな製品やサービスが求められています。

湖池屋のフェーズフリーな商品「LONG LIFE SNACK」がリニューアル

「カラムーチョ」や「スオーン」などのスナック菓子でよく知られる株式会社湖池屋では、5年間保存できるポテトチップス「KOIKEYA LONG LIFE SNACK」シリーズを、2021年から定期的に販売しています。日常的に食べるだけではなく、非常時にも食べられる”フェーズフリーな製品”として、注目を集めています。

そんな「KOIKEYA LONG LIFE SNACK」シリーズが、2023年8月にデザインとラインナップをリニューアル。「暮らしになじむ」と「わくわく感」を意識したパッケージデザインに進化しました。さらに味も「神のリ塩」や「オホーツクの塩と岩塩」に加え、「芋まるごと 食塩不使用」が新たに仲間入りしました。

長期保存ができることや、おいしくて安心感のある味わいから、非常食としても最適。一般社団法人 防災安全協会が主催する「災害食大賞」では、2022年に「パッケージデザイン賞」を、2023年には「缶詰部門最優秀賞」を受賞しています。

フェーズフリーは食品だけではない

「ゼロハリバートン」や「プロテカ」といったブランドを展開するエース株式会社は、旅行から避難時まで想定したスーツケース「テオフィールド」を開発しました。普段はスーツケースとして使うことは勿論、防災グッズを収納しておくと、災害時にそのまま運べます。

そのうえ、しっかりとした作りのため、簡易的な机としても使える優れもの。段差を乗り越えやすく、悪路に強いキャスターが付いており、移動時の負担も軽減されています。

また、スポーツ用品の製造や販売を行うアシックスジャパン(以下:アシックス)では、フェーズフリーなビジネスシューズ「RUNWALK(ランウォーク)」を開発。アシックスの、ランニングや競技用シューズに採用されている技術を応用し、非常時にも快適な歩行を可能にする革靴を販売しています。

革靴というのは、スニーカーなどに比べると動きにくいですし、長く履いていると疲れてしまうもの。しかしこの「RUNWALK」は、そういった悩みを改善し、スニーカーのような履き心地を実現しました。さらに、靴のアッパー(甲被)には天然皮革を採用しているため、使い込むほど足に馴染んでいきます。定期的にメンテナンスをすることによって、革製品特有の皮革の変化を楽しめるところも魅力です。

日常に、フェーズフリー製品の選択肢を

日本というのは、もともと地震や台風など、災害の多い国。さらに近年は気候変動の影響もあり、自然災害の発生回数が増えています。いざというときに慌てないためにも、ひとりひとりが備えておくことが大切です。とはいえ、災害用に準備したものの、使い方がわからなかったり、体に合わなかったりしたら意味がありません。そうならないためにも、普段から緊急時に備えることができる「フェーズフリー製品」を、選択肢のひとつとして考えてみるものよさそうですね。

Reference:
国土交通白書2020「自然災害の頻発・激甚化」|国土交通省>

Text:Yuki Tsuruda

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Yuki Tsuruda

ライター

鹿児島県在住のフリーライター。販売職や事務職を経験後、2020年5月からフリーランスのライターへ。執筆ジャンルは、ものづくりやSDGsなど。

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