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ひとりでも多くの中高生に校外活動という選択肢を届けたい。『校外プログラム大全』の共同代表【佐野陽菜・16歳】

ひとりでも多くの中高生に校外活動という選択肢を届けたい。『校外プログラム大全』の共同代表【佐野陽菜・16歳】

「気になる10代名鑑」の490人目は、佐野陽菜さん(16)。中高生たちに校外・課外活動という選択肢を届けるために、『校外プログラム大全』という団体で共同代表をつとめ、情報発信をしています。ブラジルのサンパウロへ移住したことが人生の転機となったと語る佐野さんに、活動をはじめたきっかけや将来の展望について、詳しく聞いてみました。

佐野陽菜を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を注いでいる活動は?

学生団体『校外プログラム大全』という中高生のための校外・課外活動サイトを、中高生だけで運営しています。課外活動というのは、サマーキャンプや国際交流のプログラム、研究やイベントなど多岐にわたります。わたしは『パイセン部署』というところに所属していて、実際に課外活動に参加した人に体験談を聞いたり、学校外で精力的に活動している中高生に取材したりして、その活動や異様を伝える記事を執筆しています。今年の5月から、8代目共同代表もつとめています。

ひとりでも多くの中高生に『校外』という新たな選択肢を届けたいと思っています

Q2. そのテーマで活動を始めたきっかけは?

「小学5年生のとき、ブラジルのサンパウロに引っ越したんです。最初はブラジルでの生活にうまく馴染めず、大変なことばかりで……。そんなとき、過去に日本人移民がブラジルに出稼ぎにきていたことを知りました。また、サンパウロの『リベルダージ』という場所に日本食を提供するレストランがあって、近くの席に座っていたブラジルの人に折り鶴の作り方を聞かれたんです。

地球の裏側にあるブラジルで、いまも日本が友好的に捉えられていることに驚き、ブラジルと日本の友好関係を保ち続けてくれた人に憧れました。『何かと何かを結ぶ架け橋になりたい』と思い始めたのもそのときです。

そんな経験もあって、日本に帰国してから『校外プログラム大全』と出会ったとき、校外活動という学校外の学び場をつなげる役割を担えたら素敵だなと思って、活動を始めました」

Q3. 活動する中で悩みはありますか?

オンライン上での活動が多いので、モチベーションの維持に苦労しています。メンバー間でのコミュニケーションも途絶えてしまうこともあるし、読者からダイレクトに反応があるわけでもないので……。でも、イベントやプログラムに参加したとき、活動を知ってくれている人がいると、とても嬉しいし原動力になります。

また、メンバーをまとめあげることの大変さも実感しています。中高生だけで運営しているので、学業もあるし、部活動をやっている人もいるし、住んでいる場所も違うし……みんな境遇がバラバラなので、スケジュールや気持ちを擦り合わせるのが大変です。でも、一緒に活動しているメンバーはみんな、情報格差や機会格差の是正に興味があったり、文章を書くことが好きだったり、新しい世界に足を踏み入れたいという気持ちをもっている人がたくさんいる。だからこそ信じて活動できています」

Q4. 活動以外に好きなことはありますか?

思いのままに、言葉を綴ることが好きです。

説明文や小論文のように、形が決まっているものは少し苦手なんですけど、思いのままに書いていくと、自分の中に眠っている概念を見つけることができる気がするんです。あとは、言葉の選び方にも興味があって。こう思ったけど、もっと別の言葉で表現できるんじゃないかな……と考えることが多いです。そんなときは国語辞典をめくって、より自分の感情に近い言葉を見つけることで、安心感を覚えます。

コミュニケーションはとても流動的なものだと思うので、自分と向き合って言葉を尽くすことは、今後もずっと大切にしていきたいです

言の葉が1枚。|Chika Sakuragi
あの人の言葉の1つ1つが私を揺るがした。 あの場所に住んでいたとき、私はもっと自由だった。しっかり自己を確立できていた。…
https://note.com/kotonoha_1446/n/n2fb7e0cdbebd

Q5. 今後の展望や将来の夢を教えてください。

『何かと何かをつなげる架け橋になりたい』というのはずっと変わっていません。

わたしの人生の転機は、ブラジルのサンパウロに移住したこと。当時は思いなやむことも多かったけれど、いま振り返ると、移住したからこそ知ることのできた世界があって、そこから校外プログラム大全の活動に繋がっているからこそ、これまでの選択の積み重ねは、ブラジルで見つけた『架け橋』が起点に始まっていると感じます。どんな環境でも自分の正直な思いに従って、行動していきたいです。

まだ具体的になりたいものは決まっていませんが、これからも自分の思いにしたがって、嘘をつかずに正直に、自分らしく自由奔放に、人生の選択を行っていけたらなと思っています」

佐野陽菜のプロフィール

年齢:16歳
出身地:東京都
所属:Loohcs高等学院、学生団体 校外プログラム大全8代目共同代表、株式会社エイチラボ SHIMOKITA COLLEGEインターン、箱根Neighbor’s camp 運営
趣味・特技:読書 、 旅行 、想いのままに言葉を綴る、とにかく行動してみること!
大切にしている言葉:漠然とした不安は止まらないことで払拭される

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Chika Sakuragi|note
https://note.com/kotonoha_1446

Photo:Eri Miura
Text:Chikiri Kudo

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Chikiri Kudo

ライター

2002年生まれ、宮城県出身。上智大学 文学部新聞学科在学。メディアが社会に与える影響について学ぶ傍ら、コラム記事の執筆やフリーペーパーの制作に携わる。Steenzでは、2023年より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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