「気になる10代名鑑」の437人目は、すがわらりんさん(19)。文化服装学院でデザインを学びつつ、ニットアーティストとしてオリジナルのブランドを立ち上げました。多角的な視点でデザインを考えていると語るすがわらさんに、ニット創作を始めたきっかけや影響を受けたアーティストについて、お話をうかがってみました。
すがわらりんを知る5つの質問
Q1. いま、どんなことに力を入れていますか?
「文化服装学院でデザインを勉強しながら、『ヤマアラシのジレンマ』というオリジナルニットブランドを運営しています。
ブランド名は高校時代に組んでいたバンド名から付けました。『おしゃれしたいけど、1歩が踏み出せないジレンマを抱えてる人へ届けるワンアイテム』がコンセプト。おしゃれがまだよくわからない人たちに寄り添って、個性を見つけるためのお手伝いを、ニットを通してしたいんです。アイテムは、名前のとおり、動物からインスピレーションをもらってつくった、ユーモアのあるデザインが多いです」
この投稿をInstagramで見る
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「ニットで作品をつくり始めたのは、人とは違う個性がほしいと思ったからです。将来は衣装デザイナーをめざしているのですが、競争の激しい世界なんです。だから、他の人たちと差別化できる何かが欲しいと考えたときに、『ニットいいじゃん!』って、ふと思いついたんです。やり方がまったくわからない状態から、YouTubeで動画を観て、見様見真似で編み方を覚えていきました。
ブランドを立ち上げたのは、今年の4月に『ミートピポピポ』というイベントに出店する機会を偶然いただいたから。ちょうど創作したものを人に見せたいと思っていたので、ブランド名を決めて、SNSを開設して、本格的にブランドを立ち上げました」
この投稿をInstagramで見る
Q3. どんなことを大切にして創作活動をおこなっていますか?
「人との関わりなしに、いいデザインや考えは生まれないと思っているので、人との出会いをとにかく大切にしています。わたし自身、人と話をするのが大好きなので、何気ない会話からインスピレーションや新しい発見を得ることが多いんです。
とはいえ、いつでもいいデザイン案が浮かぶわけじゃなくて……。創作に行き詰ってしまったときは、『やるからには、どれだけ恥ずかしくてもつらくても、とにかく全力でやりなさい』という母の言葉を思い出すようにしています。この言葉を意識するだけで、不思議とうまくいくような気がするんです」
Q4. ご自身が影響を受けた人は誰ですか?
「ニットアーティスト蓮沼千紘さんです。学校で講義をしてくださったときに、自分の理想とするスタンスに最も近いと感じて……。
作品に有機物を取り込むところや、それについて調べ尽くすところが、勝手ながら、自分と共通点がある気がして。とはいえ、いまのわたしは、全然蓮沼さんのレベルに届かない。悔しいけれど、だからこそ尊敬していますし、初めてこの人みたいになりたいと思ったんです」
Q5. 将来の展望を教えてください
「自分のブランドを続けつつ、舞台衣装に関わることが目標です。そして、自分のデザインを、ひとりでも多くの人に届けられるようになりたいです。
そのために、在学中にニットと布を組み合わせた、自分にしかできないデザインのコレクションを発表しようと計画中です。多くの人にブランドを知ってもらえるように、これからも発信を頑張っていきたいです」
すがわらりんのプロフィール
年齢:19歳
出身地:神奈川県平塚市
所属:文化服装学院 アパレルデザイン学科
趣味:音楽、創作
大切にしている言葉:やるなら全力で!
すがわらりんのSNS
この投稿をInstagramで見る
Photo:Eri Miura
Text:Mai Sugawara