「気になる10代名鑑」の401人目は、みそら(19)さん。東京藝術大学の先端芸術表現科に通い、形にとらわれないクリエイションを学んでいます。音そのものがもつ“震え”に興味があると語るすみそらさんに、創作活動の原点や、これからの展望についてに伺ってみました。
みそらを知る5つの質問
Q1. いま、どんな活動をしていますか?
「この4月から、東京藝術大学の先端芸術表現科に通い始めました。この学科は、特定のジャンルではなく、幅広い自由な表現ができる学科で、絵や音、映像など、どんな手段で表現するのかということに着目しているんです。
中でもわたしは、音を扱った表現に力を入れていて、芸術の枠組みにとらわれないような、ボーダレスな表現を目指しています」
Q2. 創作活動のテーマはありますか?
「重力や音の震えに特に関心があって、それを自己表現に取り入れられるように模索しています。重力や震えって、感じようとする意思がなくても勝手に受け取ってしまうもので、その感覚がすごく面白いなと思っていて。
小さいころ、祖母が弾くグランドピアノの下に潜るのが好きだったんです。そのときに、音と一緒に体が振動を受けているのを感じて。自分が音の一端になって、音とつながるような感覚が印象的で、“震え”というものに辿り着いたんだと思うんです」
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Q3. 活動を始めたきっかけは?
「小さいときから、工作をしたり、いろんなかたちで表現をすることが好きでした。特に音楽を本格的にやってきて、高校はヴァイオリン専攻で音楽高校に通いました。
実は、ずっと藝大の音楽科をめざしていたんです。でも途中で、メロディのある音楽よりも、振動を伝える手触りや震え、音そのものに関心があるんだって気付いて。それで急遽、いまの学科に進路を変更しました。コロナ禍で受験がリモートでの演奏になって、電子記号に変換された音楽に疑問を持ったのも、進路を変えた一因かもしれません。
音楽の道には進みませんでしたが、音楽をずっとやってきたからこそ、いまのテーマでクリエイションができているのかなって思います」
Q4. 影響を受けた人物はいますか?
「小学校の図画工作の先生がすごく面白い授業をしてくれて、その影響を大きく受けた気がします。先生は教科書を一切使わず、模範のない芸術を教えてくれました。例えば、拾ってきたもので家をつくってみたり。いま思うと、まさにその先生の授業が、わたしがいまやっている先端芸術の表現に近かったと感じます」
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Q5. 将来の展望は?
「表現者と鑑賞する側の距離を近づけられるような活動をしたいです。特に日本では、芸術に関わることが、敷居の高いものだと思われがちですけど、そもそも芸術って、意志を持たずとも自然と自分の内側に入ってくるような状態が自然だと思うんです。簡単に言うと、誰でも表現者になれるし、鑑賞者にもなれる。そんな社会になるような活動をしたいです。
鑑賞環境を変えるには、表現する側や見せ方も変わらなくちゃいけないと思っていて。そのためにいまは、もっともっとクリエイションについて勉強して、鑑賞側と表現者の間に、面白い化学反応を起こせるように研究していきたいです」
みそらのプロフィール
年齢:19歳
出身地:東京都多摩市
所属:東京藝術大学美術学部先端芸術表現科
趣味:映画鑑賞、楽器演奏、ひなたぼっこ
特技:ヴァイオリン
みそらのSNS
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