世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、廃棄されるコーヒーかすのアップサイクルと「コーヒーの2050年問題」についてご紹介します。
コーヒーかすから生まれた「CAFFE Paper」
2022年のコーヒーの国内消費量は、昨年より2.2%も増え、43万2873トンでした。しかし、たくさん飲まれるほど、コーヒーを淹れたときに残ってしまう、いわゆる「コーヒーかす」も、大量に排出されてしまうということになります。
大量に生み出されるコーヒーかすについては、肥料や堆肥として使ったり、消臭効果を期待して消臭剤・脱臭剤として利用したり、除草剤にしたりなど、さまざまな再利用が提案されてきています。
そして、企業として、このコーヒーかすのアップサイクルに取り組む会社も。それが今回ご紹介する、神戸のGROUNDS合同会社が手掛ける「CAFFE Paper」です。
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この取り組みは、関東、関西、九州にあるコーヒーショップ14店舗から、廃棄されたコーヒーかすを買い取り、オリジナルの「紙」を製造しているのです。あたかみが感じられ、カフェラテのような色味がかわいい再生紙は、ショップカードやブックカバーなどの素材として使われます。
とはいえ、どんなコーヒーかすでも買い取っているわけではありません。回収するコーヒーかすは、生産者に正当な対価が支払われる「スペシャルティコーヒー」に限定しています。
「コーヒーの2050年問題」とは
CAFFE Paperは、この取り組みを通して、環境問題のひとつである「コーヒーの2050年問題」を、多くの人に知ってもらおうとしているのです。
「コーヒーの2050年問題」とは、地球温暖化が原因で起こる気候変動によって、アラビカ種のコーヒー豆の栽培地が、50%まで減少すること。現在、流通しているコーヒーの品種は、主にレギュラーコーヒーに使われる「アラビカ種」と、インスタントや缶コーヒーに使われる「ロブスタ(カネフォラ)種」の2種。特にアラビカ種の生産量が多く、世界全体の6割を占めています。
地球温暖化がこのまま進行すると、おいしいコーヒーが飲めなくなるだけでなく、コーヒー栽培をしている生産者の生活が苦しくなったり、仕事がなくなったりする可能性も……。このように地球温暖化は、さまざまな人や場所に影響を及ぼしているのです。
スターバックスにおけるコーヒーかすのアップサイクルとは?
「スターバックスコーヒー」の、人気商品のひとつ「抹茶ティーラテ」。じつは、この商品の抹茶やミルクにも、コーヒーかすが使われています。
抹茶の原材料である茶葉を育てる際に、関西の店舗から回収したコーヒーかすを使用しています。また、関東の店舗から回収したコーヒーかすは乳酸発酵させて、乳牛のエサに混ぜています。コーヒーかすを活用することによって、茶葉の品質向上や、牛の健康に良い影響を与えているそうです。
普段、何気なく飲んでいるコーヒーにも、このように、背景には問題を抱えていたり、それに対するアクションがおこなわれていたりするのです。こうした活動を知るだけでも、地球環境の保全に意識が向くことにつながり、「コーヒー2050年問題」の解決に近づくのかもしれません。
Image:PRTIMESText:Yuki Tsuruta