世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、水耕栽培と魚の養殖をかけあわせた、次世代の循環型農業「アクアポニックス」についてご紹介します。
岐阜に日本最大級のアクアポニックス農場がオープン
「アクアポニックス」とは、土ではなく水を活用して植物を育てる水耕栽培と、水産養殖を組み合わせたサステナブルな農業として、世界で注目されている循環型農業のこと。
そんなアクアポニックスの日本最大級の施設「マナの菜園」が、昨年12月より運営を開始。岐阜県賀茂郡八百津町にある約2,800㎡の荒れ地が、アクアポニックス用の農園へと再生しました。
「やおつの日々」第1話
『マナの菜園』は築40年の中古農業⽤ビニールハウスからスタートしています。約2800平方メートルの荒れ地を、社員たちが力を合わせて再生させました。【note】でもご覧いただけますhttps://t.co/KVWtQQfDpS#マナの菜園 #アクアポニックス #アクポニ #水耕栽培 #無農薬 pic.twitter.com/vAVKehOLuT
— マナの菜園PR室 (@mana_saien_pr) January 6, 2023
ここでは、スズキ目カワスズメ科の淡水魚・ティラピアや、チョウザメの養殖と、リーフレタスやロメインレタスなど葉物野菜を中心に生産しています。
注目のアクアポニックス、どこがサステイナブルなの?
アクアポニックスは、養殖している魚の排泄物がバクテリアによって分解され、栄養素へと変化し、その栄養素を植物が吸収して成長することができるという仕組みです。さらに、汚れた水は植物によって浄化され、きれいな状態へと戻り、再び養殖用の水として活用されます。
この養殖と水耕栽培の工程には、すべて同じ水が使われおり、その際に農薬や化学肥料は使いません。そのことから、別名「水で育てる(行う)有機栽培」とも呼ばれています。栽培可能な野菜としては、葉物野菜以外に、トマトやイチゴ、バナナなどがあります。養殖に関しては、ニシキゴイや金魚、エビなども育てられるそうです。
また、土壌栽培の半分の期間で野菜を生産できることもメリットのひとつ。もともとは、離島や乾燥地帯など、水や資源の不足に悩む地域で発展した農業であったというアクアポニックス。今回ご紹介したような、大規模な農場だけでなく、身近なところでもその注目度は高まっているようです。
サンシャイン水族館もアクアポニックスのプロジェクトを開始
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池袋にあるサンシャイン水族館でも、昨年11月から、一般社団法人Iwakura Experienceとの共同プロジェクトを開始しました。この取り組みによって、サンシャイン水族館ではエサの自給自足について、Iwakura Experienceは魚の飼育技術について、それぞれ技術を共有できるようになったそうです。
アクアポニックスをはじめとして、人や地球に優しい技術はこれからも進み、また広がっていくでしょう。アクアポニックスの家庭用キットも販売されているので、おうちで挑戦してみるもの楽しいですよ!
Image:PR TIMES
Text:Yuki Tsuruta