「気になる10代名鑑」の344人目は、大川正翔さん(18)。8歳のときからダンスを始めて、舞台やミュージカルにダンサーとして出演しながら、継続してダンスを学んでいます。150cmという身長をコンプレックスに感じた時期を乗り越え、自分にしかできない振り付けやスタイルを確立したいと語る大川さんに、ダンスへの愛情や将来の野望について、語ってもらいました。
大川正翔の活動を知る5つの質問
Q1. いま力を入れている活動は?
「舞台やミュージカルにダンサーとして出演しながら、普段は師匠の元でダンスを習っています。
最近では、ダンスを教える機会も増えていて。ダンススタジオのオーナーさんに声をかけてもらって、ワークショップを講師もやりました。オンラインを含めると、80名くらい参加してくれて。いまでも週に1回はダンス教室で講師をしています
僕は身長が150cmしかないんですけど、この低身長を武器に、自分だからこそできる動きや振り付けを研究していて、自分のスタイルの確立を目指しています」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「ディズニーランドのダンサーさんやピーターパンに小さいころから憧れていて、ずっと真似して踊っていたんです。それを見た叔母が『私がお金を出すから、この子にダンス習わせて!』と親に強く勧めてくれて、8歳のときからダンス教室に通い始めました。
教室に入って少しして、初めてダンスの発表会に出たのですが、そのとき、見に来てくれた叔母が涙を流してくれて。その姿を見て、『自分はダンサーになるべきなんだ』と自然に導かれました。当時の記憶はないけど、その叔母の姿だけは、なぜかハッキリと覚えているんです」
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Q3. 今まででいちばんつらかったことは?
「実は中学生のとき、医師からこれ以上身長は伸びないと診断を受けたんです。
10歳のときから、渡辺謙典さんというダンサーさんの踊りを見て、すっかり魅了されて。渡辺さんのように踊りたくて、公演を何度も観に行って、同じ師匠の元に弟子入りもしました。でも渡辺さんは身長が180cmもあって……。渡辺さんのようなダイナミックなダンスをするには、身長が全然足りない。
それに、憧れていたディズニーランドのダンサーになるには、160cm以上の身長が必要と聞いて……。低身長のダンサーは、日本では需要がない。それを知ったときには、絶望しました」
Q4. コンプレックスをどうやって乗り越えましたか?
「日本で開催されたラグビーワールドカップ開会式のメインダンサーをやらないかと誘いがきて。さまざまな体格のラグビー選手を表現するために、体型がばらばらの15人のダンサーを集めていたんです。
そこでサカクラカツミさんという、世界で活躍する演出家の方に出会いました。サカクラさんは『身長150cmのダンサーがいると聞いて、会うのをすごく楽しみにしていた』って話しかけてくれて。コンプレックスのことを伝えたら、涙を流して『君は自分の身長を弱いところと思っているかもしれないけど、それが強みなんだよ。視点を変えて。君は唯一無二の存在になれる』と言ってくれました。
この言葉を聞いて、少しずつ前向きになることができました。それ以来、他の人と違うことをやろうと決めて、自分だけのスタイルを確立することに集中しました。サカクラさんの言葉がなければ、今の自分はありません」
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Q5.将来の夢は ?
「まずは早く自分のスタイルを確立させて、将来はとことん踊りたいです。いつかはソロ公演がやりたい。もし慕ってくれる人がいるならば、個性的な団体を作ったり、一緒に踊ったりもしたいです。そして世界で活躍できるダンサーになりたいです。
最終的には、人に希望を伝えられるダンサー……というより、人間になりたいです。絶望していた僕にとって、サカクラさんがそうだったように。サカクラさんへの恩返しという意味でも、今度は僕が、希望を伝える人になりたいんです」
大川正翔のプロフィール
年齢:18歳
出身地:千葉県
趣味:振り付け作り
特技:感情を込めて踊ること
大切にしている言葉:短所は唯一無二の長所に変えることができる。
大川正翔のSNS
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@masatoooooodanceだいすきですこの曲 #点描の唄 #ミセスグリーンアップル #ジャズダンサー #ダンサー #ジャズダンス #ジャズダンス振付#ダンス
Photo:Eri Miura
Text:Minori Abe