世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、海藻由来のワインやコーヒーボールの膜についてご紹介します。
日本人に馴染み深い海藻がアツイ
海藻と聞くと、わかめや昆布、もずくなど、スーパーなどで販売されていることもあり、日本人の食卓にも馴染みのありますよね。特に島国である日本では採集や生産も多く、実際、日本の海域には1,500種類もの海藻が生息しているといわれています。
海藻というのは、水の中で生育するので、特別な肥料や余剰な水は必要としません。また、光合成で成長するうえ、成長スピードが早いため、CO2の吸収源としても期待されています。
海藻を発酵させてつくった「海のワイン」
そんな海藻は、そのまま食べるだけでなく、さまざまな用途が生まれ、幅広い活用が見込まれています。1月には、海藻使ったワインが発表されました。海藻を発酵させてつくったノンアルコール飲料、「Re-seaweed(リ・シーウィード)」の「海のワイン」です。材料は「海藻・水・砂糖」の3つのみのため、素材そのものの味を感じられるところがポイント。口に含むと、爽やかでフルーティな味わいを楽しめます。
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近年は地球温暖化の影響によって、海藻が生育する場所である「藻場」の減少が問題になっています。海藻の生育環境を守り、その活用法を広げるために、「リ・シーウィード」をスタートさせた合同会社シーベジタブルは、海藻の基礎研究や生産、栽培、料理開発まで幅広くおこなっています。
こうした動きは、食料自給率が38%とかなり低い水準となっている日本の食料事情を改善する手立てとなるかもしれません。
カプセル式コーヒーの新たな選択肢!海藻由来の「コーヒーボール」
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またスイスでは、コーヒーカプセルの代替品として、海藻由来の膜で包んだコーヒーボール「CoffeeB」も開発されています。
従来のカプセル式のコーヒーは、手軽さが魅力な反面、容器の多くがアルミやプラスチック製のため、環境への負荷が大きいと問題視されています。「CoffeeB」のサイトによると、世界中で捨てられている使用済みカプセルは、年間10万トンにものぼるのだそう。最近は、リサイクルカップや生分解性の製品も登場していますが、半分以上は埋め立て処分の対象になっているのです。
それに対してCoffeeBは、コーヒーメーカーに膜は残るものの、海藻由来であることから、コーヒーかすと一緒にコンポストに入れると4週間ほどで分解されます。膜自体は無味無臭のため、味や匂いに違和感を抱くこともほぼないようです。
「海藻由来」のアイテムがキーワードに!
「Re-seaweed」の海のワインや「CoffeeB」のように、限られた資源を有効活用し、その用途を広がっていくことで、少しずつでも、地球で起きているさまざまな問題の解決につながるかもしれません。
製品やサービスを利用する際は、「ソーシャルGOODなアイテムなのか?」という視点を持って、代替えできる製品やサービスがないか探してみてはいかがでしょう。ぜひ、その候補のひとつに、環境問題だけでなく、日本の食料問題を解決する手立てとなる「海藻由来」という視点も取り入れてみてください。
Reference:Re-seaweed|SEA VEGETABLE COMPANY、CoffeeB
Image:PR TIMES
Text:Yuki Tsuruta