Steenz Breaking News

まるでディストピア?「人工子宮施設」の動画に議論が巻き起こる【Steenz Breaking News】

まるでディストピア?「人工子宮施設」の動画に議論が巻き起こる【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、世界中で話題となっている「人口子宮施設」を取り扱った動画についてご紹介します。

そんなのアリ?リアルすぎる人工子宮に賛否両論

SNSをはじめ、世界中で話題となっている、「人工子宮」にまつわる動画『エクトライフ』をご存知でしょうかこの話題の動画を公開したのは、ドイツ・ベルリン在住の分子生物学者・科学コミュニケーターのハシェム・アルガイリ氏。

 

 

人間の胎児が入ったカプセルがずらりと並んだ、世界初の「人工子宮施設」の様子を描いた内容。あまりにリアルなため、「こんな施設が現実に存在するの?」と話題になった一方で、「こんなのアリ?」と倫理面での議論も広がっています。

瞳・身長・知能まで調整可能?

理論上では、こうした人口子宮施設では、合併症リスクの少ない環境で、年間最大3万人の赤ちゃんを“出産”できるそう。また、発育中の赤ちゃんにスマホから話しかけたり、アプリで健康状態や様子を確認できたりといった、未来的なサービスも構想されているそうです。

そして動画内では、人口減少に直面している日本や韓国、ブルガリアなどでも役立つ仕組みにもなると語られています。実際にこの技術が実現されれば、子宮摘出の経験がある人や、年齢や健康上の問題で出産が困難な人にとって、希望を与えることとなるでしょう

一方で、倫理的な課題も抱えています。特に物議を醸しているのが「エリートパッケージ」。赤ちゃんのゲノムを編集することで、肌の色や髪の色、体力、身長、さらには知能レベルまでもを決めることができるというシステムです。

みなさんはこうしたテクノロジーに対して、どのような意見を持つでしょうか。

人工子宮による羊の“出産”は2017年に成功

 

人工子宮の研究は、以前から注目されています。2017年、アメリカのフィラデルフィア孤児病院の研究チームが、羊の胎児を4週間にわたり成長させ、“出産”に成功しました。

妊娠105日から111日の羊(妊娠23週の人間の胎児に相当)5匹を、人工子宮「バイオバッグ」で発育させたところ、肺や脳なども順調に発達したことが認められたそう。

課題も多く残り、倫理面での問題点も多くある人工子宮。ですが、その導入が実現する日は意外にも近づいているのかもしれません。

Text:Kei Hayashi

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Kei Hayashi

ライター

1997年まれ。2020年〜新卒でフリーライターに。興味関心:Z世代・メンタルヘルス・ジェンダー・消費社会 など。獨協大学外国語学部英語学科卒業。he/they。

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