「気になる10代名鑑」の296人目は、五十嵐彩菜さん(19)。俳優を志して地元・京都府から上京し、現在は養成所に所属しながら、演技について学んでいます。東京での多くの出会いを通じて、俳優という職業への考え方にも変化があったと話す五十嵐さんに、演技の道を志したきっかけやこれからの目標など、詳しく聞いてみました。
五十嵐彩菜を知るための5つの質問
Q1. いま取り組んでいる活動について教えてください。
「今年の5月に上京して、『D-dash & COMPANY』という俳優養成所に所属しながら、俳優を目指してレッスンに取り組んでいます。養成所では、同世代で同じく俳優を志している仲間と切磋琢磨しながら、演技について学んでいます。まだ大きな作品に出演したことはないのですが、演技の幅を増やしたいと思い、アクションにも挑戦しているところです。
また養成所のほかに、アクティングコーチと呼ばれる、役者の個性を引き出しながら演技指導をしてくださる方のスタジオに通っていて、私だからできる演技について日々考えて、表現することに挑戦しています」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「中高生のときに出会った演劇がきっかけです。私が通っていた学校は少し特殊で、授業のひとつに演劇があったんです。そこで初めて演劇をやったとき、役を通して自分の感情を出す面白さを感じて。違う人生を体験できる、他の人に憑依できるような感覚がやみつきになって、中高生のときは、授業の集大成として舞台をつくっていました。
映画やドラマも大好きで、いろんな作品を観ていました。なかでも『100円の恋』という映画で主演を務められた、安藤サクラさんの演技にすごく引き込まれました。眼差しだけで、鳥肌が立ったのをいまでも覚えています。
いろんな作品を見たり演じたりしていくうちに、私も演技で人に夢や感動を与えられるようになりたいと思うようになって、高校卒業後は大学へ行かず、本気で演技の道を志すことにしました」
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Q3. 活動を始めるときに、いちばん最初におこなったファーストアクションは?
「とにかくオーディションを受けまくりました。初めて受けたのは、中学校3年生ぐらいのとき。当時、ネットで見つけたオーディションの会場はどこも東京ばかりだったので、ひとりで夜行バスに乗って、京都から受けに行きました。
いま思うと当時の私は、事務所や養成所に入るためのオーディションと、舞台や作品に出るオーディションの違いをちゃんと理解していないまま、受けていたところもあって……。だから悪質なオーディションに行って、お金を取られそうになったこともあります。
だけど不思議なことに、東京に行くことに対しては不安や恐怖心はなくて。とにかく東京に行かなきゃ何もつかめないような気がして、必死でした」
Q4. 活動をする中で、壁に感じたことはありますか?
「東京に出てから、年上の方を中心にいろんな人と関わる中で、自分の考えの浅さを痛感しています。さっきの悪質なオーディションの話もそうなんですが、私はけっこうなんでも素直に信じてしまいがちで。いかにこれまで疑うことをせず、深く考えてこなかったのかを感じています。
それに、異なる角度から考える視点が足りていないというか……。私がひとつの問いにひとつの答えしか言えないのに対して、いろいろな視点から意見を言える人を見ると、圧倒されますし、自分もそうなりたいと強く思います。
演技のことはもちろんですが、日ごろから社会で起きていることに対して、もっと疑いの目を持って考えられるようになりたくて、最近は考える時間を持つように意識しています」
Q5. 将来の夢は何ですか?
「カンヌ国際映画祭で賞をとること。いまの私には大きすぎる目標かもしれませんが、目標は大きいほどいいと思っています。尊敬している是枝裕和監督の作品に出ることも目標です。
とにかく俳優になって、演技がしたい!というざっくりした想いだけで東京に出てきたけど、いまは考えも少しずつ変わってきていて。アクティングコーチの指導を受ける中で、ただ台詞をそれっぽく読んで感情を入れるのではないと気づかされました。俳優は自分の芸術に自信と責任を持つべきだと思っているので、まずはそれができるようになりたいと思っています。
そのためにも演技はもちろん、いろんな作品や考え方に触れながら、自分の内面を磨いていきたいです」
五十嵐彩菜のプロフィール
年齢:19歳
出身地:京都府
所属:D-dash & COMPANY
特技:ヴァイオリン、書道、ダンス、歌
影響を受けた人物:安藤サクラ
五十嵐彩菜のSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya