世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、FCNT株式会社から発売になった、環境に優しいスマートフォン「arrows N」についてご紹介します。
スマホだってリサイクル素材の使用が当たり前に
世界全体で環境配慮への意識が高まるなか、ファッションや飲食など、さまざまな業界で積極的に取り組まれており、そしてその波は、電子機器の製造を行う企業にも及んでいます。
例えば、わたしたちの生活になくてはならない存在となっているスマートフォン。新しいモデルが登場するたびに買い替えている人もいるほど。しかし、こうしたモデルチェンジが多く行われ、買い替えの頻度が多くなれば、廃棄される電子機器の量も自然と増えます。
そういった点も含めて、近年は廃棄された電子機器からレアアースや金を回収し、スマートフォン製造に使用する動きが一般的になりつつあるのです。
スマートフォンのリサイクル事情
以前は、「廃棄される電子機器には、年間約570億ドル(約8兆4,457億)の価値がある」といわれていたにもかかわらず、そのうちの8割ほどは、リサイクル素材(再生素材)として回収されていない状態でした。この問題にいち早く取り組んだ企業がアップルです。
アップルは、iPhoneを分解するための機械「デイジー」と「デイブ」を開発。なかでも、デイジーは、年間最大120万台のiPhoneを分解できるそう。
これにより、スマートフォン製造に使用される再生レアアースや再生コバルトなどの使用量も増加しました。2021年にはアップル製品に使用されるリサイクル素材の割合は、過去最高である20%にまで増えています。
日本でもサステナブルなスマートフォンが登場している
再生素材を使用したスマートフォンの製造は、日本でもおこなわれています。FCNT株式会社から、2022-2023年冬春モデルとして発売された「arrows N」は、再生アルミニウムや再生プラスチックなど、部品にリサイクル素材を67%(電気・電子部品を除く)も使用した、サステナブルなスマートフォンです。
また、地球に優しいだけではなく、電池の劣化を軽減する技術を搭載していたり、衝撃や水濡れに強い設計になっていたりと、機能面も優れています。とくに水濡れに関しては、泡状のハンドソープで丸洗いできるほど。
リサイクルというと壊れやすいイメージですが、「arrows N」なら安心して使えそうですね。
スマートフォンというのは、毎日使うもの。だからこそ、デザインや機能性だけでなく、環境に優しいものを持ち歩きたい、長く使いたいと思う人も多いはず。これからも「arrows N」のような機種は増えていくでしょう。
そして、スマートフォンに限らず、何か自分が使うものを選ぶ際も、「地球環境に優しいもの」を条件に加えてみてはどうでしょう。ひとりひとりが意識し選択することによって、自然豊かな地球を次世代につなげていけるはずです。
Reference:
日本で最もサステナブルなスマートフォンを目指して「arrows N」を商品化
Apple、製品全体で再生素材の利用を拡大|Apple
Text:Yuki Tsuruta