「気になる10代名鑑」の241人目は、Hao(金山葉織)さん(19)。高校生のころから世界を旅し、そのひとつとして訪れたアフリカに魅了され、今年は8か月間かけてケニア、セネガル、ガンビアなど、アフリカ諸国を縦断していたそう。先日帰国したばかりで、今年中にアフリカへ移住することを目標を掲げているというHaoさんの、熱い想いに迫ります。
Hao(金山葉織)を知るための5つの質問
Q1. いま、どんな活動をしていますか?
「高校を卒業してから、日本の企業で営業の仕事をしながら、アフリカ各国で、ジャーナリストのアシスタントやスタディツアーのアシスタントとして働いています。他にもストリートチルドレンのボランティアなど、現地のNPOの支援にかかわる活動をしています。
普段の仕事が基本的にリモートなので、長期での旅にも行くことができるんです。だから今年は、年明けから8か月間かけて、アフリカを計10か国、旅していました。だから久しぶりの東京で、みんなマスクをしていてちょっと戸惑っています。アフリカでは全然していなかったので……(笑)」
View this post on Instagram
Q2. アフリカに惹かれたきっかけは?
「初めてアフリカに行ったのは、高校2年生のとき。タンザニアにあるNPOのインターンで1か月間ほど行ったのですが、その時点で『ここに住もう!』って決意したんです。
衛生面や食事のことを考えたら、日本のほうが生活水準は高いけど、それ以上になんとなく、アフリカにいる自分が肯定されているような気がしたんです。
中学生のときに英語が好きになって、アメリカやカンボジアに行きました。いろんな国や地域の人と話すのが楽しくて、高校のときは100日以上学校を休んで、世界を旅していたんです。
旅を通して気づいたのは、世界は想像以上に複雑であるということ。そして、世界が抱えるさまざまな問題の解決には、当事者側からその問題や疑問を見つめる必要があるし、考察することが大切なんだと気づきました。高校を卒業した後は、大学進学も考えていましたが、社会をつくってくる構造をもっと知りたいと思い、それなら大学に行くのではなく、アフリカに行こうと思ったんです」
Q3. 活動をするうえで、大切にしていることを教えてください。
「泊まるとき、ホテルを使わないようにしています。初めて行った土地だとしても、知人や友人に紹介してもらいながら、現地の人とゆっくり暮らします。そうすることで、その人のありのまま、その地域の当たり前のことを知ることができるから。
あとは、正解を求めず、思考することを止めないこと。自分にとっての正義や当たり前を決めつけず、常に疑うようにしています」
Q4.これまでの印象的な出来事や出会いなどはありましたか?
「夕焼けをバイクで追いかけた、ケニアの田舎道の風景は、きっと一生忘れられません。
体中が風を感じ、目から美しいものを取り入れ、耳で鳥の声を聴き、鼓動が早くなって……。母なる大地と呼ばれるアフリカの大自然に吸い込まれていく感覚がして、本気でアフリカを好きになった瞬間でした。
ただ、そういう美しいものばかりではなくて。アフリカで出会った、1日中ゴミ拾いをして100円を稼ぐスラム街の子どもたちや、私と同い年で母親になった女の子……。ある男の子から『お金をくれないなら、ここにいても意味ないよ』と言われたこともあります。
毎日どんなに一生懸命生きていても、希望が見えない人だってたくさんいることをあらためて感じました」
View this post on Instagram
Q5. 今後の展望・将来の夢は?
「年内にアフリカに移住します! もともとアフリカに行って、モノカルチャー的な経済システムや、サプライチェーンをどうにかしたいという想いが強くありました。
もちろんいまもその気持ちはありますが、なにかアフリカのためになることをしたいという気持ちよりも、純粋にアフリカにいたいという気持ちが強くなっていて。それぐらい、アフリカが好きなんです。
気の向くままに行きたい方角に向かって、好きな人を愛して、 たくさん笑って、美しいものを見て感動して……。そんなふうに、自由に生きていたいと思っています」
Hao(金山葉織)のプロフィール
年齢:19歳
出身地:神奈川県
特技:初対面の知らない国の人と楽しく暮らすこと
大切にしている言葉:Ubuntu(アフリカの言葉で「人と比べず競わず、人を思いやって助け合っていきなさい」という意味)
Hao(金山葉織)のSNS
View this post on Instagram
★note
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya