2022.09.28 Teen's Snapshots

子役から起業家へ転身！同世代のエンパワーメントを目標に掲げる高校生【渡邉このみ・16歳】

「気になる10代名鑑」の228人目は、渡邉このみさん（16）。幼いころからモデル・子役として活躍し、演技デビューした4歳のときに、日本アカデミー賞新人俳優賞最年少で受賞した経験も。そんなキャリアをもちつつ、現在は高校生起業家として、同世代の自己実現やエンパワーメントする活動に取り組んでいます。どんな活動にも熱い思いで取り組む渡邉さんに、お話をうかがいました。

渡邉このみを知るための5つの質問

Q1. いま力を入れて取り組んでいることを教えてください。

「alchemi株式会社を設立して、学生を対象としたイベント運営とコミュニティ運営に取り組んでいます。情報過多な現代社会において、学生が自己分析をしたり自分の夢について考えたりする時間を提供しているんです。

イベントでは、自分と向き合って、本当にやりたいことを引き出すためのワークショップを開催しています。コミュニティでは、自分の夢や悩みを共有しながら、ともに成長していける仲間を集めています。

コロナ禍で、オンライン上のコミュニケーションが多くなって、人とのオフラインでの関わりが乏しくなったと感じているので、できるかぎりオフラインでの密な関わりを持つことを常に意識しています」

View this post on Instagram

A post shared by 渡邉このみ (@konomiwtnb)

Q2. 活動を始めたきっかけは？

「高校受験に失敗したことがきっかけです。中学生のときにマレーシアに留学していて、帰国後どうしても行きたい高校があったんですが、入試の最終面接で落ちてしまって……。その学校だけを目指していたこともあって、自分がやりたいことがわからなくなってしまったんです。

それと、私は小さいころから演技のお仕事をしていて、映画やドラマのオーデションなど、人に評価される中で時間を過ごしてきました。そのおかげで、人前に出ても緊張しないといったメリットもたくさんありますが、自分の発言とか行動に周囲から評価が下されて、それが自分にどういう影響を与えるのかを、ついつい考えすぎてしまうこともあって……。

だけど、自分と正直に向き合う時間をもつことは、自分の人生に自信をもつことにも繋がると思っていて。挫折したことで気づけた、自分と向き合う時間の重要性を同世代に届けたくて、事業として立ち上げました」

Q3. 活動を通じて社会に届けたいものや想いはありますか？

「ひとりひとりが自分の本当の気持ちを大切にして、自分の人生を歩もうと決意できる社会になってほしいと思っています。

いまの日本って、特に教育現場だと、個性をどう出せばいいのかなんて、勉強する機会はないし、教科書を見てもわからない。それなのに突然、受験や就活になると、自己アピールを求められる。でも、自分ひとりで自己アピールを考えるのってすごく難しいことじゃないですか。

ネットが発達した今だからこそ、誰でも多くの情報にアクセスすることができて、いろんな人の意見を見ることができます。自分の正直な気持ちと向き合ったり、自分のやりたいことについて話し合える、そして応援してくれる仲間の存在が大切だと信じています」

本日20:00~ラジオ出演します！世界vision labTokyo FM6/2620:00~高校生起業家としての出演になります🔥過去の俳優業や、マレーシア単身留学、現在行っている活動のこともお話しさせていただきました。 pic.twitter.com/Own6NVdnug

— 渡邉このみ@16歳社長alchemi株式会社 (@konomiwtnb) June 26, 2022

Q4. 影響を与えた作品や人物などがあれば教えてください。

「影響を受けた作品は、パウロ・コエーリョの小説『アルケミスト − 夢を旅した少年』です。私が起業して活動を始めようと思えたきっかけになっていて、会社名の由来にもなっています。自分が本当にやりたいことを大切にして、自分の人生を歩むことの素晴らしさを気づかせてくれた、大切な作品です。

影響を受けた人物は、三島由紀夫。『黒蜥蜴くろとかげ』というお芝居を観たのがきっかけで知り、他の作品もたくさん読みました。彼の日本に対する思いや、作品にはとても影響を受けています。特に、東大全共闘との討論や三島事件のときの演説は何度も見返していて、彼のように情熱を自分の中に宿して、熱い思いで活動に取り組みたいと思っています」