「気になる10代名鑑」の201人目は、艮鏡さん(17) 。中学2年生のときにラップと出会い、現在は高校生ラッパーの憧れの舞台のひとつ、『高校生ラップ選手権』への出場を目指して活動しています。「かっこいいと思われることより、好きなものへの想いのほうが大事」と話す艮鏡さんの、音楽へのこだわりに迫ります。
艮鏡を知るための5つの質問
Q1. どんな活動をしていますか?
「1年半ぐらい前から、フリースタイルバトルをしたり、フリートラック、友達が作ったトラックを使って、楽曲制作をしたりしています。ちなみにこのMCネームの由来は、眼鏡っ娘好きだから。でも僕自身は眼鏡をかけていないし、普通の漢字じゃつまらないかなと思って、“艮鏡”という表記にしました。
僕はいたって普通の人間なので、カッコつけようとしても、サマにならないんですよ。だから、言葉を捻りまくったり、言い回しを変えたりして、自分の好きなことや日常を、魅力的に見えるようにしています。
楽曲制作をするときは、アニメやゲームといった、好きなカルチャーの要素を盛り込みながら、自分だけの世界を創ります。いちばん最初に作った曲は『我儘』というタイトルなのですが、その言葉どおり、自分らしく、かっこいいことよりも、好きなことを意識しています」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「バトルMCでラッパーの韻マンさんのことを知ったのが、ラップとの出会いです。
中学2年生の秋ごろ、ラップ好きな友達が教えてくれて。動画を見てみたら、あまりのカッコよさに、めちゃくちゃ衝撃を受けました。そこからフリースタイルバトルの世界を知って、動画を漁っていくうちに、『自分もやってみたい!』という気持ちが芽生えたんです。その友達を誘って、自分の家でひたすらバトルをし始めました。中学生のうちは、ツイキャスとかのラップバトルの大会に出ていました。
ただの憧れと好奇心から始めたんですが、楽曲制作をしていくうちに、知らない自分に出会うことが多くて、自分が知らない自分に出会える感覚が、いまはすごく楽しいんです」
Q3. 創作に影響を与えたものは?
「楽曲だと、SKRYUさんの『Infinity samba』に影響を受けました。この曲との出会いが、楽曲制作を始めようと思った理由のひとつです。
アーティストでは、韻マンさん以外で挙げるなら、喉電波さんですね。『ラップスタア誕生』という番組で知ったんですけど、普通の日常のことを、巧みな言葉づかいで、すごく面白く聴かせる。
あとはアニメ全般。楽曲の中でも、だいたい好きなアニメのことを入れるようにしています。ちなみに、僕の眼鏡っ娘好きは、『怪談レストラン』というアニメに出てくる大空アコがルーツ。他にも『涼宮ハルヒの憂鬱』が大好きで、よく見ています」
Q4. 活動している中で、印象的だった出来事は?
「初めてのラップの現場が、僕にとってはターニングポイントで印象的なものでした。
2021年4月9日に行われた『戦極U-15』というMCバトルの大会です。結果は初戦敗退だったのですが、その日から同世代を中心に、いろいろなラッパーとつながるようになり、創作意欲が一気に搔き立てられました
最近でも『ENTER』というフリースタイルバトルのイベントに出演するために、大阪に行きました。東京とはまた違う空気感なので、とても楽しかったです。やっぱりラップは現場がすごく大事だし、楽しいんです」
Q5. 今後の展望・将来の夢は?
「自分の世界観をより深めて、それを曲に込めて、みんなにぶつけていきたい。一発食らわしたいです。
まだまだラップのスキルは足りないし、『ダサい』と言われることもあります。ラップをやっている以上、ダサいと言われることは仕方がないことかもしれないけど、やっぱりダメージはあります。それに、同世代の知り合いが、目標とする『高校生ラップ選手権』に出ていたり、楽曲でも自分よりカマしていたりするので、正直焦っちゃうこともあります。
僕も早く、高校生ラップ選手権に出たい! それが直近の目標です!」
艮鏡のプロフィール
年齢:17歳出身地:東京都国立市所属:府中西高校 生徒会副会長趣味:アニメ鑑賞、音楽を聴くこと大切にしている言葉:思い立ったが吉日、一期一会
艮鏡のSNS
★YouTube
Photo:Eri MiuraText:Ayuka MoriyaEdit:Takeshi Koh