「気になる10代名鑑」173人目は、シオンさん(19)。アメリカ合衆国ニュージャージー州出身で、現在は上智大学に通いながら、創作や演劇と幅広く活動しています。カラフルな作品が印象的なシオンさんに、表現に込めた想いを伺ってみました。
シオンを知るための5つの質問
Q1. どんな活動をしていますか?
「絵などの創作活動に力を入れています。絵を描くこと自体は、幼稚園のころから好きで、ずっと描き続けているのですが、去年からインスタグラムに自分の作品を投稿し始めました。カラフルな絵がタイプなので、色をたくさん使った作品が多いです。ジャン=ミシェル・バスキアが大好きで、彼の絵から多くのインスピレーションを受けています。
絵を描く以外にも、『Model Production』という、英語で劇を創り上げる学生団体に所属していて、こちらでも精力的に活動しています」
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Q2. SNSに作品を投稿し始めたきっかけは?
「何となくSNSに載せた絵を、友人が好きと言ってくれたこと。それまでは、自分の作品を他人に見せることはなかったんです。
実は小学5年生のとき、美術の授業で、自分の作品を誰にも好きと言ってもらえないっていう経験をして。そこから、自分の作ったものを外に出すのが怖くなっていたんです。いま思うと、当時から見たままの何かを描くのが苦手で、自分が想像したものを描く方が好きでした。だから、理解してもらうのが難しかったのかなと思います。その授業以来、自信をなくしてしまって、こっそり自分の部屋で、絵やイラストを描いていました。
でもSNSに投稿し始めて、いろんな人との繋がりも生まれて、自分の作品に対して自信が持てるようになりました」
Q3. どんなことをテーマに創作をしていますか?
「私は黒人とのハーフなので、人種差別や黒人特有の美しさ、友達との絆、それから自然などもテーマにしています。
過去の体験や自分のアイデンティティから連想して、作品づくりをすることが多いです。今年の4月に展示会に参加したのですが、そこではアフロヘアーの黒人女性をモチーフにした作品を出展しました。見た人を元気にできるような作品づくりを心がけています。
あとは最近、『写ルンです』で写真を撮り始めました。大好きな人たちとの最高の瞬間を写真に収めて、何らかの形で絵に生かしたいなと思っています」
Q4. 創作をする中で困難はありますか?
「自分の中にある『みんなが好きな作品をつくらなきゃ』という感情のせいで、つらいと感じることがあります。
本来、自分のために楽しんでいた創作活動なのに、SNSに作品を載せたり展示会に参加したりすることで、良くも悪くも人の評価を気にしてしまって……。良いものをつくり続けなきゃという焦りや、義務感に変わってしまうことも。
でも、焦りながらつくっても、いい作品は生まれないと思うんです。“みんな受け”を気にしてつくった作品は、納得いかない点が多くて、見返したときに『私がかわいそう!』って思っちゃうことも。
なので、まわりの評価を気にせず、いかに自分の『好き』に忠実でいられるかを大切にしています。自分がワクワクできる作品をつくっていたいんです」
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Q5. 新しく挑戦したいことや将来の展望は?
「ニューヨークにアートを学びに行きたいです。私は美術部とか画塾に入っていたことがなくて、完全に自己流で絵を描いているので、アートの聖地で、一度しっかりアートを学んでみたいです。そして、いつかニューヨークで個展を開くことができたら最高ですね。
将来は、ミュージックビデオに作品提供したりできたらいいなと思っています。イギリスのミュージシャン・beabadoobeeやLava La RueのMVの世界観がとても好きなので、そんな作品をつくりたいです」
シオンのプロフィール
年齢:19歳
出身地:アメリカ合衆国 ニュージャージー州
所属:上智大学、Model Production(東京学生英語劇連盟)
趣味・特技:絵、演技、レコード集め、古着屋さんめぐり
影響を受けたアーティスト:ジャン=ミシェル・バスキア、ジャクソン・ポロック
シオンのSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Mai Sugawara
Edit:Takeshi Koh