「気になる10代名鑑」172人目は、清水ゆなさん(19) 。「アイドルの力で地球を救う」をテーマに、SDGs普及を目指して活動するアイドルグループ・CoCoLo♡RiPPLe(ココロ♡リップル)のメンバーです。自身もジェンダー問題で悩んだ経験があることから、特にジェンダー問題に関心がある清水さん。アイドル活動への想いや、社会に届けたいメッセージなどをうかがいました。
清水ゆなを知るための5つの質問
Q1. どんな活動をしていますか?
「『ココロリップル』(以下、ココリプ)という、パフォーマンスを通してSDGsを伝えるアイドルグループに所属しています。 ココリプは毎月新曲を出しているのですが、すべての楽曲が、SDGsの17目標のどれかがテーマになっているんです。
6月にリリースされた6曲目『愛はきっと負けない』のテーマは、平和。争いが絶えないこの世界に、戸惑い、傷つき、深い悲しみを感じながらも、世界は愛の力で変えられると、ひたむきに信じ続ける強い気持ちを歌っています。SDGsの開発目標『16 平和と公正をすべての人に』に関連しています。
普段は大学に通いながら、毎週ライブとレッスン、Youtube撮影などを行なっています。ライブ中に昆虫食を食べる企画をしたりもしていて、普通のいわゆる“アイドル”とはかなり違うんじゃないかな」
Q2. 活動を始めた理由は?
「私はもともとジェンダー問題に関心があって。自分自身も悩身を抱えていたときに、ジェンダー問題を発信するアイドルに救われたので、いつか、そんなアイドルグループをつくりたいなと考えていたんです。
そんなことを考えていたら、偶然、ココリプのオーディションを見つけました。募集の詳細を見て、『私がやりたいことはこれだ!』と思って、大学受験勉強の傍ら、オーディションを受けることに決めたんです。
歌やダンスのオーディションはもちろん、どんな社会課題に興味があるのかをプレゼンテーションにまとめたりも。当時は本当に大変でした!」
Q3. どんなことを大切にして活動していますか?
「感謝の気持ちを忘れないようにしています。日本にはたくさんのアイドルがいて、ココリプを見つけてもらうのでさえ大変なのに、応援してもらうのは、すごく貴重なこと。だから、『私たちに出会ってくれてありがとう』という気持ちを忘れずに、活動しています。
ココリプでは、発信を受け取り、一緒になってSDGsの認知拡大に協力してくださるファンの方を、『受信者』という意味の『レシーバー』と呼んでいるのですが、レシーバーやスタッフさん、みんな本当に優しくて、温かい方ばかり。出会えて本当に良かったなと、いつも幸せな気持ちになります」
Q4. 活動を通じて、社会に届けたいものや想いがあれば、教えてください。
「同性婚が認められてほしいと思っています。6月の大阪地裁判決の同性婚訴訟はとても残念な結果になってしまったけど、いつか日本も同性婚ができる社会になってほしいです。
私は、人を好きになる気持ちに、性別は関係ないと思っています。誰もが、好きな人と結婚できる社会になってほしいし、好きな人と家族になれる社会に変わっていくべき。
ココリプで5月にリリースした『playlist』という曲は、SDGsの開発目標の『5 ジェンダー平等を実現しよう』に関連していて、同性に恋愛感情を抱いた葛藤と、それに向き合う気持ちをテーマにした、ストーリー性のある楽曲なんです。
自分がまさか同性愛なんて、と思っている人にこそぜひ聴いてほしい曲です」
Q5. 今後の展望・将来の夢は?
「ジェンダー問題について、もっと発信していきたいですし、ジェンダー問題以外の社会問題に対しても、自分の考えをきちんと言える人間になりたい。ココリプでは、毎月、有識者の方をお呼びして、勉強会を開いたりもしているんですよ。ココリプがもっと大きくなって、多くの人と一緒に、楽しみながらSDGsを学んでいけたらと思います。
私のまわりにいる友達は、SDGsに関心がある子が多いし、高校のときに授業で習ったので、認識が広まっていると感じているけど、やっぱりまだまだ難しいイメージを持たれがち。そこをアイドルのパフォーマンスを通じて、届けていきたいです。
そして、これはもっと大きい夢だけど、いつかは誰かを支えられるような、アイドルグループのプロデュースをしてみたいです」
清水ゆなのプロフィール
年齢:19歳
出身地:東京都
所属:SDGsアイドル CoCoLo♡RiPPLe(ココロ リップル)
趣味・特技:アイドル鑑賞、世界史の勉強
影響を受けた人物:AKB48 岡田奈々さん
清水ゆなのSNS
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya
Edit:Takeshi Koh