「気になる10代名鑑」の148人目は、Naru Usubaさん(18)。高校時代からヘアメイクを学び、卒業後はメイクアップアーティストとして、都内を拠点に活動しています。4月にⅠ型糖尿病を発症し、持病と向き合いながら、創作活動を続けるNaruさんに、いま感じている想いを、じっくり話していただきました。
■Naru Usubaを知る10の質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「栃木県出身の18歳です。ヘアメイクを勉強する高校に通うために上京して、卒業したいまは、フリーランスのメイクアップアーティストとして活動しています」
Q2. どのようなメイクアップを心掛けていますか?
「自分のセンスや技術、個性を用いて表現することです。高校時代から作品づくりに取り組んでるんですけど、何をするにも、そこに自分の色があるかどうかを大切にしてきました」
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Q3. 地元を離れるとき、不安や迷いはありませんでしたか?
「全然なかったです。むしろ、地元だと自分がしたいファッションや髪型は浮いてしまうこともあったんで、居心地の悪さを感じていて。当時の私にとって、東京は夢のような世界。もうすっかり慣れちゃいましたけど(笑)」
Q4. どんなものからインスピレーションを受けて作品をつくっていますか?
「自分の内なる感情に従うこともありますし、環境汚染などの社会問題をテーマにすることもあります。そのときに感じたことや見たものからイメージを膨らませます。
去年は『有機体』をテーマに、映像、音楽、衣装、ヘアメイクの4つの要素で表現するというチャレンジに参加しました。コンセプトを考えるときは、作品を通じて現代社会の問題点を考えるきっかけを与えることを意識してます」
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Q5. これから挑戦してみたい作品はありますか?
「アートの力で、病院を快適な癒しの空間とするホスピタルアートに興味があります。なので、医療と自分の表現できる技法を組み合わせた作品づくりをしてみたいです。
Q6. ホスピタルアートに興味を持ったきっかけは?
「実は私自身、今年の4月に、Ⅰ型糖尿病だとわかって……。これといった原因もなく、いまは治療薬もない難病で、一生向き合っていかないといけないようです。それがわかったときは『なんで自分が……』っていうショックしかなくて、かなり落ち込みました」
Q7. 持病とは、どう向き合っていますか?
「健康でいられること、生きていられることが当たり前ではなく、本当にすごいことなんだと気づかされました。
いまは、多くの人にこの病気の存在を知ってもらって、同じようにⅠ型糖尿病を抱えている人が、もっとのびのびと生活できるようになったらいいなと思ってます」
Q8. 憧れの存在について、教えてください。
「ライラ・モスさん。スーパーモデルのケイト・モスさんの娘で、私と同じぐらいの年齢なんですけど、彼女もⅠ型糖尿病を患っていて。ワイヤレスインスリンポンプをつけてランウェイを歩いたことで話題になった方なんです。糖尿病であることを隠さず、受け入れている姿がとてもかっこよくて、私も励まされました」
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Q9. 趣味があれば、教えてください。
「おいしいものを食べに出かけることです。とはいえ、好きなときに好きなだけ食べられるわけじゃないので……。うまく血糖値をコントロールしながら、食べることも諦めないで、続けていきたいです!」
Q10. 将来の夢や今後の展望を教えてください。
「たとえ持病があっても、表現活動をするのに、できないことはないんだって、証明していきたいです。ヘアメイクだけでなく、ファッションなど、いろいろなことに挑戦して、誰かに希望を与えられるような存在になれたらいいな」
■Naru Usubaの今日のファッション
「ラルフローレンのシャツは、自分で切ってリメイクして、切りっぱなし風のデザインにしました。パンツはウエスト部分の形が凝っていて、お気に入りのアイテムです」
■Naru UsubaのSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya
Edit:Takeshi Koh