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経営者とZ世代をつなぐ『CLUB CEO』 Netflixマーケティングディレクター・稲本弾が語るコンテンツの潜在的パワー

経営者とZ世代をつなぐ『CLUB CEO』 Netflixマーケティングディレクター・稲本弾が語るコンテンツの潜在的パワー

interfm(TOKYO:89.7MHz)で放送中のラジオ番組「CLUB CEO」(毎週日曜日6:30〜7:00)。ビジネスの第一線で活躍する経営者をゲストに迎え、その事業内容に迫りつつ、新しい価値観をもつZ世代たちと対話をしながら、これからの社会や経営について一緒に考え学んでいくラジオプログラムです。

この番組に登場するZ世代は、以前、「気になる10代名鑑」に登場してくれた10代の方々。Steenzでは、番組を聞き逃してしまった人たちへのテキストコンテンツと、放送にはのらなかった独自のスピンオフコンテンツを展開していきます。

今回のゲストは、Netflixマーケティングディレクターの稲本弾さん

五十嵐:「CLUB CEO」、今日のゲストは世界的エンターテインメント企業のNetflixから、日本、そして中国語圏のマーケティングディレクターを務める稲本弾さんを迎えます。

またZ世代からは、東京造形大学1年生のピエロ大好き人間さん、千葉工業大学2年生のふっきーさんにお越しいただきました。

世界的エンターテインメント企業で活躍する稲本弾の生い立ちとは?

五十嵐:今週は、Netflixという会社やご自身のことについて、お伺いしたいと思います。弾さんは、1978年、岐阜県の生まれで、そこからスイスの高校、そしてアメリカの大学を卒業されるんですね。

稲本:そうですね。岐阜県の飛騨高山という山奥の出身で、そこで15歳まで、自然に囲まれて生活していました。そこから親が「いずれは地方から出たほうがいい」という教育方針を持っていたので、高校はスイスにあるアメリカンスクール、その後、アメリカの大学に進学したという感じですね。

ピエロ大好き人間:いきなり海外に行って、ホームシックにならなかったんですか?

稲本:最初はなりましたね。でも、今までとまったく違う環境で、あまりにも刺激が強すぎたので、そういうことを感じる暇もなく、高校は激動の3年間を過ごしました。いろんな文化と交流して、新しい発見もたくさんあって、すごく良い経験になりましたよ。

五十嵐:大学卒業後は一般企業に就職されて、2007年ぐらいにアジア放浪の旅に出かけられるんですよね。

稲本:はい。バックパックひとつ担いで、1日1,000円という予算をつけて、旅をしてました。宿も1泊100円くらいのところに泊まって……。

ピエロ大好き人間:『ドクター・ストレンジ』とか『バットマン』みたいな感じで、修行してきたんですね(笑)。

五十嵐:その後、ニューヨークの広告会社に勤められたんですね。アジア放浪からいきなりニューヨークの広告会社に行かれたんですか。

稲本:アジア放浪の最後の地がインドだったんですが、2、3か月滞在できればいいかなと思っていたところを、楽しすぎて6か月くらい居てしまったんです。インドって、本当に日本と真逆の国で、電車も絶対時間どおりに動かないし、うるさいし、臭いし、汚い。だけど、人はすごい面白いし、いい人たちばかりで。

電車とかバスで会うと、「チャイ飲むか?」ってチャイをくれたり、宿がないときは「俺のところに泊まりにこい」と言ってくれたり、刺激が多かったんですよ。このままいたら、もうインドから出られないと思って、6か月で区切りをつけて、ニューヨークに戻りました。

五十嵐:なるほど。そして、日本のBBCで代表取締役もやられて、2019年にNetflixに入社。そこから現在まで、マーケティングディレクターを務められているんですね。

稲本:日本と台湾と香港のマーケティングを統括しています。Netflixを楽しんでいただくために、広告を打ったり、いろいろな形で一般の消費者の方々とコミュニケーションをしていくという部署ですね。

世界中のエンターテインメント愛好家を楽しませるために

Netflix 稲本弾マーケティングディレクター(日本・中国語圏)

五十嵐:Netflixについても簡単にご説明いただけますか?

稲本:Netflixは、会員として入会していただいた方々にコンテンツ作品をお届けするというサービスを提供しています。長編映画、ドラマ、ドキュメンタリー、コメディー、モバイルゲーム等も配信していますので、さまざまなエンターテインメントをお楽しみいただけるようになっています。インターネットさえつながれば、携帯電話やiPad、あるいはテレビでもご視聴いただけます。

いま、全世界190か国以上で展開していて、約2億2,000万人の会員さまがいらっしゃいます。

五十嵐:ふっきーさんは、Netflixについて、どんなイメージをお持ちですか?

ふっきー:話題の作品とか、私のまわりはみんなNetflixを見ている印象があります。

五十嵐:ピエロ大好き人間さん、どうでしょう?

ピエロ大好き人間:個人的な話ですけど、家から学校まで遠いので、ずっと電車に乗っていて暇だから、ディズニープラス、Amazonプライム、Netflixでよく映画を見てます。この3つがあれば、本当に無敵です。

稲本:Netflixが生活に欠かせない存在であるとおっしゃっていただけるのは、すごいうれしいです。

五十嵐:会社のビジョンに「世界中のエンターテインメントファンを楽しませること」とあるんですけども、これはけっこう大きなテーマですよね。

稲本:エンターテインメントを嫌いな人って、なかなかいないと思うので、世界中の方々に、いかに素晴らしい作品をお届けするかというところを、我々の会社のミッションとして考えています。

エンターテインメント作品には物語があって、物語というのは、人と人をつなぐことができると思うんです。例えばドラマを見ていたとして、そこに感情移入ができるようなキャラクターが出てきたとすると、見ていてドキドキハラハラしたり、キャラクターと一緒にそのストーリーを楽しむみたいな体験があると思うんです。

その体験を、恐らく他の人もしていて、その人との間に「あの作品、見た?」「ああ、見た見た。あれ面白いよね」のような新しい会話が生まれて、さらには「この作品も見るといいよ」というオススメがあったりすると、さらに新しい作品、新しい物語、新しい世界を発見することができると思うんです。

海外に行かなくても、スペインのドラマを見るとスペインのことが分かるかもしれないし、南米のドラマを見ると、南米のことがわかるかもしれない。そういった意味で、未知の世界を、画面ひとつで体験することができる。そんなサービスを提供できたらなというふうに思っています。

ふっきー:世界中のエンターテインメントのファンを楽しませるとおっしゃっていましたが、世界にはいろんな文化や感性を持った方がいると思います。その中で、たくさんの人に楽しんでもらうのに、どういうことを大切にしていらっしゃいますか?

稲本:おっしゃるとおり、世界にいろんな人がいて、いろんな文化があるので、なるべく世界のいろいろなところでNetflixのオリジナル作品をつくっています。アジアやヨーロッパ、アフリカなど、なるべく多くの国で素晴らしい物語をつくって、まずはその土地の方々に作品を楽しんでいただけるように考えています。

でも、本当に良い物語って、世界のどこでも楽しまれるんですよ。最近だと『イカゲーム』という韓国のコンテンツがありますけど。基本的には韓国人のキャストによって、韓国語で展開されている物語ですが、Netflix史上、最も見られた作品になったんです。どこの国からでも、世界中のみなさんの心を動かすようなコンテンツが作れるということは実証されているんですよね。

ピエロ大好き人間:『イカゲーム』で僕がすごいなと思ったところが、空間の色彩。ピンクとか緑とか明るい色が使われているのに、なぜか不気味に見える空気感が、僕の心にぶっ刺さりましたね。

稲本:素晴らしい分析ですね。『イカゲーム』のストーリー自体、正直すごくグロテスクで怖いじゃないですか。バックグラウンドでああいうカラフルなと色を使ったりすることで見やすくなっていたりというのもあると思いますし、不思議な効果があるのかなと思いますね。

五十嵐:あっという間に30分経ってしまいました。来週は、Netflixさんの企業風土やこの先の戦略など、深く深くお伺いできればと思います。

〜5月22日放送の後編につづく 〜

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CLUB CEOアフタートーク

Steenzだけの限定コンテンツとして、「CLUB CEO」の放送では聞けない、収録後のアフタートークを公開しています。放送とはひと味違う、Z世代のパーソナルな悩みや、活動に対するリアルな課題感を、ゲスト経営者にぶつけています。放送には乗せられない、ココだけの話が飛び出すかも!?

番組概要

番組名:CLUB CEO
放送局:interfm(TOKYO:89.7MHz)
放送日:毎週日曜日 AM6:30〜7:00
ナビゲーター:五十嵐彰(株式会社CMerTV代表取締役社長)
番組ホームページ:https://www.interfm.co.jp/clubceo

今回登場したZ世代

ピエロ大好き人間さん

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https://steenz.jp/8700/

ふっきーさん

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Steenz編集部

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