「気になる10代名鑑」の129人目は、AOさん(18)。バンタンデザイン研究所高等部でファッションを学ぶ高校3年生です。憧れのデザイナーに会うために受験準備をする傍ら、社会問題についてポップに語り合うポッドキャストを配信しています。服をこよなく愛すAOさんならではの、ファッション・に込めた思いを伺いました。
■AOを知る10の質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「北海道の更別村出身の18歳です。東京には小4のときに来ました。現在はバンタンデザイン研究所高等部の3年生で、ファッションを勉強しています。ベルギーのアントワープ王立芸術アカデミー・ファッション科の受験に向けて、コレクション制作をしている最中です。
プライベートでは、同い年のアーティストの子と、気になるニュースや恋バナをPodcastで配信しています。あと、友達とWEBマガジンも立ち上げる準備中なんです」
Q2. いつからファッションに興味を持ち始めましたか?
「自分のスタイルが芽生えたなっていう出来事は、歌舞伎町にあるセレクトショップ『THE FOUR-EYED』を訪れたとき。最初は怖くて5分で出てきちゃったんですけど(笑)、いまではお気に入りのお店になりました」
Q3. 自分で服をつくることもありますか?
「今日着ているスウェットもスクリーンプリントでつくったし、ざっと50着くらいは作ってきたかも。服の環境問題についても、なんとなく頭の隅にあって。だから自分でデニムスカートをブリーチしたときは、こんなに水を使っているんだなって再認識したことも。
いま履いてるタイツがお気に入りだから、タイツも自分でつくってみたいな~!」
Q4. アントワープ王立芸術アカデミーを志望している理由は?
「ファッションを学べる大学は世界にいくつもあるけど、アントワープ王立芸術アカデミー・ファッション科を選んだのは、学長であり、愛してやまないデザイナーのウォルター・ヴァン・ベイレンドンクから学びたいから。彼のブランドは、実直で変わらないものを感じます。
もし落ちちゃったとしたら、ドイツに行こうかなって。昨年、ファッションの師匠のもとで、2週間で100枚の人物画を描いたり、半年続けて1日1枚デザイン画を描いたりと、育ててもらったんです。彼からバウハウス建築やドイツのクラブカルチャーなどを学んで、興味を持ってます」
Q5. ポッドキャストはどうして始めたんですか?
「ちょうど昨年の選挙の時期に、会って2回目の友達と、『自分のまわりでは、政治の話って日常的に浸透しているけど、選挙の投票率は低いよね?』っていう話になって。
そのギャップを少しでも減らしていけるように、自分たちでアクションできないかなって思ったんです。佐久間裕美子さんの『こんにちは未来』をロールモデルにしてます」
Q6.どんなことを大切にして活動をされていますか?
「リアルであること。同時に、リアルすぎないこと。背伸びをしないで、自分が本当に思っていることを聞き逃さないことが、私にとってのリアル。『リアル過ぎないこと』っていうのは、生々しくなりすぎないように、ちょっとフィクションを入れるっていう感じ。血で染めた服なのか、血で染めたように見せた服なのか、みたいな違いですね」
Q7. 趣味はありますか?
「日光を浴びながら本を読むこと。近所の河原でよくやります。サングラスして、軽くおしゃれするとさらにグッドです。はたから見たら『何だ、アイツ』ってなるかもだけど、気にしません(笑)。
映画も好きで、特にジム・ジャームッシュ監督がお気に入りです」
Q8.宝物はありますか?
「自分の身体に入っているタトゥーかな。体にお絵描きがあるって、素敵なことじゃないですか? 首筋に入っている、“HAPPY BIRTHDAY” がいちばんのお気に入り。世の中のみんなにあって、格差なくおめでとうと言える言葉だから」
Q9. 将来の夢を教えてください。
「Amazonのほしいものリストみたいに、やりたいことはいっぱいあるので、それをなんとなく叶えていって、毎日楽しく生きていくのが夢です。
実は、服をつくるのは苦手で、企画を考えてるときと、できた服を撮影してるときが好き。だから『デザイナー』という仕事にそこまでこだわっているわけではないんです」
Q10. 同じ時代を生きる10代に、メッセージをお願いします
「もっと自分に正直になろう」
■AOの今日のファッション
「『I♡AO』とプリントの入ったスウェットは手づくり。最近、デザイナーが変わって可愛くなったDIESELのバッグは、ガールフイナムの読者プレゼントで当てちゃいました!」
■AOのSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Atsuko Arahata
Edit:Takeshi Koh