2022.05.03 Fasion&Culture

勉強はRPG感覚でクリア。ハヤカワ五味「楽しめるから、突き詰められる」

インタビューシリーズ「あの人に聞く、“私の10代”」。今回迎えたのは、ハヤカワ五味さん（26）。高校1年生のときから、勉強の傍ら、アクセサリーやファッショングッズの製作を始め、多摩美術大学在学中の18歳のときに起業。華奢な女性向けのランジェリーブランド「feast」や、生理用品プロジェクト「ILLUMINATE」を始動させるなど、課題解決×デザインを軸に活動中。noteでは5万人超のフォロワーをもち、ハヤカワさんの発信に多くの人が注目している。

そんなハヤカワさんに、10代を振り返りながら、現在に至るまでの活躍の秘密を明かしていただいた。

中高時代の好きなことは、勉強!?

経営者でデザイナー、さらには報道番組のコメンテーターなど、マルチに才能を発揮しているハヤカワ五味さん。10代のときから、その片鱗は垣間見えていのだろうか。

「小学校から高校までは、いわゆるガリ勉タイプの人間でした。生真面目で、友達の多いタイプじゃなかったと思います。

小学生のときって、『勉強するヤツってダサい』みたいな風潮があるじゃないですか。だから、区立の中高一貫校に進学したあとは、勉強好きな子がまわりに多くなったんで、特に不快な思いをすることもなくなりました」

ハヤカワさん自身も、勉強が好きだった？

「かなり好きでしたね。だって勉強って、ドラゴンクエストみたいな感じじゃないですか。『しなくてはいけないもの』というよりは、『これが解けたらレベルアップする！』っていう、ロールプレイングゲームのような感覚でやってたんです。算数のドリルも、経験値をためる感覚で解いてたから、美術系志望なのに、数Ⅲ＋Cまで学びました」

ちなみに、本物のゲームも大好きだったというハヤカワさん。

「ドラクエ以外にも『ポケットモンスター』とか『女神転生』とか、RPGが好きでした。うちはお小遣い制じゃなかったので、お年玉として買ってもらって。最近は忙しくてあまりできてないんですけど、時間があるときはいまでもゲームをやります」

RPG感覚で、国立難関大学のA判定を獲得

RPG感覚で勉強をしていたというハヤカワさん。その目的は、偏差値の高い大学へ行くためではなかった。

「高校生になるころには、『美大に行こう』っていう気持ちは決まってたんです。ゲームが好きだから『クリエイターになりたいな』っていうのは昔から思っていて。でも進路とは関係なく、勉強は楽しいからやってました。国立難関大のA判定が出るくらいまでは突き詰めたんです」

周囲からさまざまな声もあったが、ハヤカワさんはブレなかった。

「親や先生には美大への進学を反対されたんですけど、私の中では迷いはなかったですね。親の出身大学の模試でS判定を出したうえで、『ここは美大の滑り止めで受けるね』と言って、説き伏せました（笑）。

勉強がすべてじゃなかったから、センター試験を受けたあと、趣味のコスプレイベントに制服のまま直行したりも。いま思うと、エネルギーはありましたね」

好きなことを仕事にするのでなく、仕事を好きになる力も大切

18歳で起業し、現在は自身で立ち上げた会社「ILLUMINATE」がユーグレナグループに参画したことで、上場企業グループの中でも働いているハヤカワさん。「仕事は楽しいですか？」と聞くと、自身の勉強の記憶と絡めながら、こんな答えが。

「仕事、楽しいですね。でも、私が仕事を好きなのは、勉強を好きになったのと同じように、そこに楽しさを見出したからだと思ってます。

いまの時代、いろんな職業があって、“好きなことを仕事にする”という言葉がよく出ますけど、私はそれってやや語弊があると思っていて。楽しむ力が強い人って、たいていの仕事を楽しめるし、好きになれるんですよ。だから好きなことを仕事にするんじゃなくて、自分がやっていることを好きになる力っていうのも、重要だと思うんです」