Teen's Snapshots

マイノリティと言われることがなくなる日まで、LGBTQ+当事者に声を届け続けたい【日野原楓・19歳】

マイノリティと言われることがなくなる日まで、LGBTQ+当事者に声を届け続けたい【日野原楓・19歳】

「気になる10代名鑑」の94人目は、日野原楓さん(19)。ジェンダーやセクシャルマイノリティについて発信するメディア『Chillax』を運営しています。「少しずつ世の中はいい方向に変わってきているけど、まだまだ自分事にしにくい」と感じるジェンダーの問題を、当事者視点でわかりやすく届ける日野原さんに、活動への想いをうかがいました。

■日野原楓を知る10の質問

Q1. プロフィールを教えてください。

「埼玉県出身の19歳です。県内の大学に通いながら、現在、入管問題やSDGsなど社会課題を扱う学生団体に、いくつか所属しています。中でも、ジェンダー分野に強く興味があって、2021年の9月にChillax(チラックス)という団体を友人と立ち上げ、今は代表として活動中です」

Q2. 具体的にはどんな活動をしていますか?

「Chillaxは『そのままのあなたでいい』をコンセプトにした、学生が運営するインタビュー中心のwebメディアです。LGBTQ+の当事者を中心とした、社会的マイノリティとして悩みを抱える学生たちに寄り添って、生きづらさを和らげるきっかけを提供したいと考えてます」

https://chillax-cx.com/?p=344&fbclid=IwAR03gpEr9iGy1abFa8ctOFqOXMZum72dXZDd6plWnASnt2uEIQqN2fl7NLM

Q3. 学生団体を立ち上げようと思ったきっかけは?

「ソーシャルビジネスのプレゼンコンテストです。私自身、パンセクシュアルを自認していますが、ほんの2年前までは、自分がLGBTQ+当事者であることを受け入れることも、誰かに本心を話すこともありませんでした。『彼氏欲しい?』って聞かれたとき、『いまは彼女が欲しいかも……』と心の中で考えながらも、『そうだね』と答えて。本当の自分を隠していたんです。

でも、いざ打ち明けてみると、意外と友達や周りにもLGBTQ+当事者はいて。『公表している人だけでも、左利きの人と同じぐらいの数のLGBTQ+当事者がいる』とも言われています。ただ、それでも打ち明けづらい環境はあるので、少しでもそういった状況を変えたいと思い、団体を立ち上げました」

Q4. 普段どんなことを大切に活動していますか?

「さまざまな価値観に触れることを大切にしています。いろいろな方の意見を聞けば聞くほど、『自分はマイノリティでおかしいから、理解してもらえない』と考えていた自分がいちばん、自分を理解しようとしていなかったことに気づきました。さまざまな価値観を知って、視野や交友関係を広めることが、自分を理解して、認めてあげることに繋がる気がします」

Q5. これからどんなことに挑戦していきたいですか?

「現在はメディアを立ち上げたばかりでコンテンツも少ないですが、LGBTQ+当事者へのインタビュー記事や、経営者・社会人の方へのインタビュー記事を連載予定ですいずれはイベントなどもやってみたいなと思っていますが、なかなか人手が足りていないところもあって……。特に、記事を書いてくれるライターさんを募集しているので、興味ある方はぜひ連絡ください!

Q6. 普段はどんな友達と過ごしていることが多いですか?

学生団体のメンバーと過ごすことが多いかな。真面目な話から、他愛のない話まで、なんでもします。大学1年生の春に出会った教授が、よく社会課題系の学生団体の情報をシェアしてくれていて、いろいろな団体に出会うことができました。

あと、私はもともとアイドルが好きで、同じアイドル好きと繋がるためにSNSをよく使っていました。だからハッシュタグで #学生団体 とか、キーワードを探して出会うこともありました」

Q7. 推しのアイドルを教えてください。

「最初に好きになったのは9nine。川島海荷ちゃんがいたグループです。物心ついたときからアイドルが好きで、よくダンスを踊っていました。坂道グループは握手会に行ったり、乃木坂46の『シンクロニシティ』を友達と踊ったりもしていました。

最近ハマっているのは、さっしーがプロデュースする『=LOVE』。『桜の咲く音がした』は、今の季節に聴くとハッピーな気持ちになれます」

Q8. どんなときに幸せを感じますか?

家族や友達と話しているとき。人生の終わりがいつ訪れるかがわからないからこそ、自分が大好きな人と一緒に過ごせている時間に幸せを感じます。大切な人たちの笑顔を守りたいなって思うんです」

Q9. 社会がもっとこう変わればいいと思うことは?

「LGBTQ+当事者たちが、生きづらさやネガティブな感情を抱えることのない社会になってほしい。もっとみんなが自分事にできるといいなと思いますし、LGBTQ当事者側も壁をつくることなく、フラットに関われたらいいなと思います」

Q10. 同じ時代を生きる10代にメッセージをお願いします。

「いまは指一本で命を救うことも、失うこともあり得る時代です。自分のインターネット上での発言で誰かを傷つけていないか、その情報はどんな人に届く可能性があるのかを考えてほしいです。反対に、つらいことがあるなら、自分を守る情報を得たり、『助けて』と誰かに伝えたりする勇気も大切だと思います」

■日野原楓の今日のファッション

ブラウス・デニム/one after another NICE CLAUP シューズ/NIKE

「フリルなどの、可愛いディテールの服が最近はお気に入り。以前は、ジェンダーにとらわれない社会を目指して活動をしているからと、いわゆる女性らしい可愛い服装ではなく、『ジェンダーレス』な格好をするほうが良いのかな、と思うこともありました。でも、活動を通していろいろな価値観と出会う度に、大事なのは個人の『自分らしさ』を守ることじゃないかと気づきました」

■日野原楓のSNS

★Twitter

 

★Instagram

 

Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya
Edit:Takeshi Koh

SNS Share

Twitter

Facebook

LINE

Ayuka Moriya

エディター

1999年生まれ、秋田県出身。東京外国語大学 国際社会学部在学時よりライター・エディターとして主にインタビュー記事の執筆、ディレクションに携わる。Steenzでは、2021年ローンチ当初より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

View More