これからの活躍が期待される、若手俳優/女優を発掘・育成する「私の卒業」プロジェクト。YOUTUBEで230万回以上も視聴された第1期、第2期に続き、第3期は劇場公開も決定しました。741名もの応募者の中から選ばれたキャストを、「Steenz」ではひとりひとりにフォーカスを当てて、単独インタビューを実施。第3回は、俳優として、ドラマや映画などで活躍する立石ケンさんをフィーチャーします。
自分の中での演技観を180°変えてくれたワークショップでの経験
今回の作品「あしたのわたしへ」では、山岡翔太というキャラクターを演じた立石さん。プロジェクトを通して学んだことや、役柄についての印象、さらに立石さん自身の演技にかける思いなどを聞いてみました。
ーまずはこの作品に出演するためのオーディションについて、聞かせてください。
「今回、コロナの影響もあって、最初はZoomでのオーディションだったんです。僕、Zoomをあんまり使ったことなくて。タイムラグもあったので、掛け合いのお芝居がすごく難しかったです。
掛け合いのお芝居も、女性のほうから相手役の男性を指名するかたちでやっていたのですが、なかなか指名してもらえなくて、ちょっと焦りました」
ーその後、ワークショップもあったんですよね。
「ワークショップは、けっこう緊張感もあって、ピリついていたというか。ワークショップの期間中、ずっと悩んでました。とにかくみんなお芝居がうまかったので、自分に自信がなくなってしまって……。
プロデューサーの高石さんからも、厳しくご指導いただいて、演技に対する考えの甘さを痛感しました。正直、逃げ出したくなることが、何度もありました(笑)」
ーでも結果、翔太役をつかみとったんですね。
「最後のワークショップが1月8日だったんですけど、直前の元旦に、初日の出を見に行くついでに、今回の脚本の舞台になっている伊東市に行ってみようと思い立って。それで、たまたま写真を撮ったのが、後に撮影でお世話になる干物屋さんの前で。
脚本を読んだときから、多くのキャラクターが登場する群像劇の中でも、翔太を演じてみたいっていう思いは強かったので、すごい縁を感じて。役が決まったときは本当に嬉しかったです」
ー翔太を演じるうえで、心掛けたことはありますか?
「幼馴染の舞との掛け合いのシーンが多かったんですけど、どういう距離感で、どういうテンションで演じればいいのか、すごく考えました。僕自身、異性の幼馴染がいないので、わからなくて。
舞役のゆずぽん(足川結珠さん)とも、たくさん話し合いました。人見知りの僕とは対照的に、ゆずぽんは無邪気でいつもフランクに話しかけてくれるんです。おかげで距離も縮まって、作中でもいい雰囲気が出せていたと思います」
ー人見知りなんですね。
「そうなんです。人と打ち解けるのに時間がかかるタイプで。一旦、心を開くとめちゃくちゃ喋るんですけど(笑)。今回も、みんなと打ち解けられたのは、撮影が終わる2日前くらいで。だから撮影が終わって、寂しかったです」
ー『私の卒業プロジェクト』を通して、お芝居に対する意識や思いに変化はありましたか?
「大袈裟じゃなく、180度変わりました。これまでは、お芝居を通して『自己表現をしよう』とか『爪痕を残そう』って、自分のことばかり考えていました。でも、作品の一部として、より良い作品にするために演技することや、相手を作用させるためのお芝居が大事だと、学ぶことができたんです。意識が変わってからは、現場でも『演技が良くなった』って言っていただくことも多くて、少しは自信がついてきたかも」
忘れていた青春を取り戻すことができる・・・そんな素敵な作品です
ー続けて、立石さん自身のことについても教えてください。この世界に入ったきっかけは?
「ミーハーで恥ずかしいけど、もともと事務所の先輩の、広瀬すずさんのファンだったんです。高校1年生のとき、なんの根拠もないのに友達に『3か月以内にすずちゃんに会う!』って宣言して(笑)。
ちょうどそのタイミングで、今の事務所のオーディションを見つけて、『最終審査まで行けば広瀬すずと握手できる』って書いてあったので、応募してみたんです。そのオーディションで、“広瀬すず賞”をいただいたのがきっかけです」
ーじゃあ事務所に入った段階ではお芝居に興味はなかったんですね。
「正直いうと、あまり興味なかったんです。でも、僕が初めて出演させていただいたのが、映画『渇き』や『告白』を撮られた中島哲也さんが監督のCMで。撮影で叫ぶシーンがあったんですけど、恥ずかしくて声が出なくて……。それで、かなり怒られて落ち込んで、『もうやりたくない』ってマネージャーさんに電話しました。
でも完成した作品を見て、すごく感動したんです。そのときから『俳優として頑張りたい!』って、お芝居に興味を持ち始めました」
ー今後、演じてみたいキャラクターはありますか?
「人見知りな性格のせいか、不器用な役をいただくことが多いんです。脚本にも「……」が多いような(笑)。そういう役ももっと演じたいですけど、元気な役や破天荒な役にも挑戦して、新たな一面をお見せできればと思います」
ー「あしたのわたしへ」をどんな人に見てほしいですか?
「何かに悩んでいる人に、ぜひ見ていただきたいです。“わからないことは悪いことじゃない”というのが作品の大きなテーマになっているのですが、考え方を変えるきっかけになったら嬉しい。あとは、『最近、青春してないな…』っていう方にも楽しんでいただけると思います」
ー立石さんも高校生役ということで、青春できましたか?
「本当にそうですね。僕の高校生活の中でできなかった青春とか、忘れていた青春を、この作品でもう1回やり直した感覚があります。
それに、この作品で、初めて仲間ができた。普段はやっぱり、俳優同士ライバルなので、どうしても敵視しちゃうんですけど。でも同じ作品をつくる仲間だって思えて。そういう点でも、本当に高校のクラスみたいな、自分にとっても大切な機会になったと思います」
ーありがとうございました!
半袖シャツ ¥7,260、Tシャツ ¥4,290、ネイビーパンツ ¥5,940/すべてビームスドット
『あしたのわたしへ 私の卒業 ―第3期―』
2022年3月18日(金)より、新宿バルト9にて限定公開中
高校の卒業は、多くの生徒たちにとって、人生における初めての大きな岐路。進学、就職と言った進路の問題や、恋人や友人との関係の変化など、その岐路において数々のドラマが生まれる。そんな高校生の思いや悩みを題材に、若者たちが前向きになれるストーリーを提案していく「私の卒業プロジェクト」。第3期となる今回も、静岡県伊東市を舞台に、高校生たちが自身の行末に思い悩みながらも、それぞれが決断をしていく、そんなドラマが繰り広げられる。
公開情報は新宿バルト9のホームページまで!
■予告編
■作品情報
【公開】3月18日より新宿バルト9にて限定公開
【タイトル】あしたのわたしへ 私の卒業 ―第3期―
【出演】永井彩加 織部典成 / 三原羽衣 南北斗 / 立石ケン 片田陽依 足川結珠
小高サラ 加藤菜津 宮本和奏 道北陽菜 中正夕愛 木村魁希 簡秀吉 奥野太陽 桜木雅哉 さかたりさ 伊藤雛乃 菅田愛貴 八木拓海 村田寛奈 島太星 他
【脚本】松本美弥子 高石明彦
【音楽】片田陽依 高石明彦
【監督】高石明彦 北川瞳
【撮影協力】伊東市
【プロデュース】高石明彦 花田聖
【企画・制作】The icon
立石ケンプロフィール
たていしけん
年齢:22歳(2022年3月現在)
誕生日:2000年1月17日
血液型:A型
出身値:神奈川県
身長:179cm
趣味:サーフィン・野球
所属事務所:フォスター
主な出演作に、毎日放送『ホリミヤ』、NHK BSプレミアム『宮崎発地域ドラマ ひなたの佐和ちゃん、波に乗る!』、 映画『町田くんの世界』(石井裕也監督)などがある。
Photo:Chihiro Ishino
Styling:Saori Minegishi
Hair&Make-up:Yuko Umezawa
Text:Yui Kato