「気になる10代名鑑」の60人目は、北村優斗さん(18)。「楽しさ」を入り口に、「正しさ」を学べる機会をつくるべく、ゴミ問題をはじめ、さまざまな領域で意識の高い人とそうでない人の両方の視点をもって事業づくりに励んでいます。そんな北村さんに活動のルーツや社会への想いについて、伺いました。
■北村優斗を知る10の質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「長野県出身の18歳です。立命館アジア太平洋大学の1年次ですが、現在は休学中です。『社会課題解決の敷居を極限まで下げる』ことをミッションに掲げる株式会社Gabに、クリエイティブディレクターとして参画しています」
Q2. 取り組んでいる活動について詳しく教えてください。
「Gabは、社会課題を解決するために、さまざまなアプローチをとっていて、例えば『エシカルな暮らし』という、毎日エシカルな暮らしのヒントを届けるInstagramのメディアを運用してたり、フジテレビの人気番組『逃走中』とゴミ拾いをかけ合わせた『清走中』というイベントを、自治体さんと連携して企画・運営したりしています」
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Q3. 『清走中』はどういう経緯で生まれたんですか?
「以前、環境啓発を目的としたゴミ拾いのイベントをやっていたんですけど、そこに参加するのは、すでに環境意識の高い人たちばかりで。もっと多くの人にゴミ問題について知ってほしいし、ゴミ拾いって、やってみると案外楽しいものなんですよ。それを知ってほしくて、ワクワクできるコンテンツと掛け合わせたらどうなるだろうと思って生まれたのが、『清走中』です」
Q4. どんな人たちが参加しているんですか?
「小学生や、親子で参加する人が多いです。SDGsに力を入れている自治体さんや、学校などと連携してイベントを開催しているんですけど、それぞれの地域によって、吸い殻が多かったり、空き缶が多かったり…と集まるゴミに違いがあるのも、面白さのひとつです」
Q5. そもそもゴミ拾いを始めたきっかけは?
「僕は海のない長野県出身なんですけど、父の仕事の都合で東京に住んでいたこともあって、江の島や三浦半島など神奈川の海によく連れて行ってもらってたんです。釣りをしたり、砂浜で遊んだりするのが大好きで。
その後、また長野県に戻って生活してたんですが、高校2年生のときに、世界中の海がゴミだらけになっているというニュースを見て。大好きだった江の島の海辺も、ゴミ問題に悩まされているという現状を知りました。そこで、『自分にできることは何だろう』と考えて始めたのが、ゴミ拾いでした」
#いいねの数だけペットボトル拾います【結果発表】190本拾いました!!@takio_gohoくんと@zen__goho くんといっしょに184本!少し足りなかったので、自分でも6本拾いました!
強風と寒さに耐えながら、650Lものゴミを拾えました!河川敷最高👌こういうところで清走中やりたい🔥 pic.twitter.com/ZVrh7kD7i5— 清走中【公式】@クラファン挑戦中 (@seisouchu_gab) February 25, 2022
Q6. どんなときに幸せや生きがいを感じますか?
「自分が企画したイベントで、参加してくれた方の笑顔を見られた瞬間です。特に『清走中』のイベントは、子どもたちがすっごい笑顔で楽しんでくれるんですよ。中には、僕よりも楽しそうにゴミ拾いをしてくれる子もいて。そういう姿を見られたとき、『自分が見たかった景色はこれだ』って思うんです」
Q7. 宝物があったら、教えてください。
「ゴミ拾いにつかうトングです。ひとことでゴミといっても、たばこの吸い殻から漂着ゴミまで、サイズも大小さまざまあります。だから拾うゴミに応じて、トングを使い分けているんです。高校生のころは、100円均一ショップにある、ありとあらゆるトングを買って試していました
中でも今いちばんのお気に入りは、英国発の調理器具ブランド『Joseph Joseph』のトングです。絶妙につかみやすくて、気分があがるんです」
Q8. もっと社会がこうなったらいいと思うことは?
「子育てしやすい社会になってほしいです。将来的には、仕事で疲れて家に帰ったらパートナーがごはんを作って待っていてくれるか、あるいは自分がごはんをつくってパートナーの帰りを待つことが理想。茶色い外壁で、暖色系の光が灯るマンションに住みたいです。子供が大好きなので、子供ともたくさん遊びたいです」
Q9. 今後の目標は?
「『清走中』を日本全国に広めること。ゴミ拾いの面白さを伝えるため、現在、クラウドファンディングに挑戦しています。なんとしても目標を達成させたいです!」
Q10. 同じ時代を生きる10代にメッセージをお願いします。
「10代という期間は、自分の好きなことに取り組める貴重な期間だと思っています。この時間に、自分のワクワクすることを探究することこそが、人生の主人公として生きる礎になるのではないでしょうか。だから、変に大人ぶるのではなく、自分の心に素直に向き合って過ごしてほしいです」
■北村優斗の今日のファッション
「今日着ているセットアップは、去年、講演やイベント登壇の機会が増えてきたこともあって、マネージャーさんからプレゼントしてもらったもの。グレーの落ち着いた色がお気に入りです」
■北村優斗のSNS
Photo:Eri MiuraText:Ayuka MoriyaEdit:Takeshi Koh