「気になる10代名鑑」45人目は、村田夕奈さん(17)。コロナ禍で映画の楽しさに目覚め、若者の映画離れを食い止めたいという思いから、自分で映画を撮ることにしたという、チャレンジングな女子高生。いずれは役者としても活動したいという村田さんの、映画への熱い想いを聞いてみました。
■村田夕奈を知る10の質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「群馬県出身の17歳。自分でも数えてみてびっくりしたんですけど、2020年の1年間で230本の映画を観ました。それで映画が好きになって、2021年の夏に、初めての監督作品となる『可惜夜』を撮りました。
いつか尊敬する内山拓也監督の『佐々木、イン、マイマイン』のような、観た人が一緒に熱狂する作品を撮りたいです!」
Q2. なぜ映画を撮ろうと思ったのですか?
「小さいころからドラマっ子で、お芝居やメイキング映像を見るのが好きでした。そこからテレビの向こうの世界への憧れが強くなり、役者になりたいと思い事務所に入りました。でも2020年、ちょうどコロナが流行り出して、思うような活動ができなくなってしまい……。何か始めなくちゃと思って、これまであまり通ってこなかった映画に向き合って、まずはたくさん作品を観ることにしたんです。
100作品くらいを観て、映画業界の現状も少しずつ勉強するうちに、もっとたくさんの人に映画を観てもらわないといけないと思ったんです。
それに、学校の友達が『コロナに青春を奪われた』って言っていたことを思い出して。じゃあ映画を通して青春をかなえたら、みんなの中で映画の存在が大きくなって、興味を持ってくれるんじゃないかなと思って、実際に作品を撮ってみることにしました」
Q3. どんなことを大切にしながら、活動していますか?
「憧れを大切にしています。私は、それがないと100%以上を出して頑張ることが難しいタイプなので……。小学生のころから、ドラマ『表参道高校合唱部!』みたいに、みんなで何かを作り上げるキラキラした青春に憧れていました。
私はもともと、行動力のあるタイプではないし、職員室に入ることも苦手だったけど、その気持ちがあったから、『学校で映画を撮りたい』と先生に直談判に行くという一歩が踏み出せたと思います」
Q4. 普段はどんな友達と過ごしていますか?
「中高一貫校なので、中学時代からの友達が多いです。マイペースで、それぞれ個性もバラバラだけど、お互いを尊重できるいい友達です。大好きな映画『少女邂逅』のロケ地が地元にあって、去年は喫茶店や商店街に行って少女邂逅ごっこをしました。
あと最近では、年齢が近くて、映像を撮ったり、役者をしていたりする人たちとの繋がりもできてきました」
Q5. 趣味はありますか?
「アイドルです! 裏側を知れば知るほど好きになる……というのは映画にも共通するんですけど。昔、AKB48チーム8の合宿をみたとき、アイドルがキラキラしている裏には、とてつもない努力があることを知って、すごく衝撃を受けて。それ以来、ずっとアイドルが大好きです。いつかMVもやりたい!」
Q6.幸せや生きがいを感じる瞬間はどんなとき?
「お芝居を観たり、映画を撮ったり、話したりする時間です。基本的には、映画も演劇もひとりで観て、ひとりで浸って、『なんであんな凄いんだろう…』と頭を抱えたいタイプ。でも、自分の中で考えがまとまってきたら、それを誰かと共有して新しい考え方を得たくなる。それが叶ったときは、本当に幸せです」
Q7. 村田さんにとって、いちばん大事な存在を教えてください。
「愛犬のウィリアム。『ホントかわいいねぇ』とか話しかけているだけで、あっという間に1日が終わっちゃうことも。可愛いし、あざといんですよね~」
Q8. 生きるうえでのポリシーは?
「後悔をしないように。昨日、夜更かししなきゃ良かったとか、テスト勉強早く始めてれば良かったとか、小さな後悔は数えきれないほどありますが(笑)、好きなことに関しては、絶対に後悔したくない。行動したら必ず何かしら得るものがあるということを、この1年間の映画づくりや人との出会いを通して、たくさん感じました」
Q9. 今後の展望を教えてください。
「今後は東京の大学に通いながら、知り合いの監督のお手伝いをしたり、自分の作品を撮ったりしたいと思っています。いずれは、映画業界をもっと盛り上げたいし、日本の映画界を変えたいという野望もあります。そのために、もっともっと表現を磨いて、視野を広げたいです。
映画監督を目指していますが、いずれは役者としても、ちゃんとお芝居を学んでみたいな、とも考えてます」
Q10. 同じ時代を生きる10代にメッセージをお願いします。
「私たちの日々の選択も、考えてることも、何ひとつ間違ってないと思います。特に、人と違うことを考えていると、『こう考えてるのって、自分だけなのかな……』って窮屈に感じたり、不安になることもありますよね。でもそう思っている人はたくさんいるし、支えてくれる人もたくさんいます。
もし身近にいなかったとしても、そんな思いをわかってくれる人が、映画やドラマなどのいろんな表現を通して、きっと寄り添ってくれています。私もそんな表現者になれるように頑張ります」
■村田夕奈の今日のファッション
「今日は絵本に出てきそうな雰囲気にしてみました。一枚で上品さや女の子らしさができあがっちゃうのが楽で、ワンピースをよく着ます。あと、映画監督の枝優花さんがデザインしたポシェットもお気に入り。枝さんの切り取った世界が大好きで、それがモノとして手元にあるのが嬉しくて。最近はいつも一緒にお出かけしてます」
■村田夕奈のSNS
少女邂逅を劇場で観るの、夢です。
生きてるうちに一度は体験したい。— 村田夕奈 (@imokenpi_movie) January 27, 2022
★初監督作 映画『可惜夜』
Photo:Eri Miura
Text:Tomoka Uendo
Edit:Takeshi Koh