「気になる10代名鑑」7人目は、「自分自身と向き合う」ことをテーマに、イラストレーションや編み物など、クリエイティブな活動を続けるTAATAさん(18) 。社会で生きる中で「おかしいな」と思ったことに対して、ちゃんと自分自身の目線をもって向き合う姿勢にも、注目が集まっています。今回はそんな彼女の素顔や創作活動の裏側に迫りました。
■TAATAを知る10の質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「東京生まれ、18歳。今はピザ店で働きながら、イラストを描いたり、最近は編み物をしたりなど、いろいろな創作活動をしています。
高校は辞めました。全員決められた髪型で、同じ制服を着なきゃいけない、個性を出そうとすると浮いてしまう…そういうところに違和感を感じたから。あと、高卒の資格がなくても、なんかやっていける気がするっていう謎の自信があって」
Q2. どんなことを大切にして、創作活動をされていますか?
「見た目がかわいいとかキレイとかじゃなくて、作品にメッセージ性を持たせることを大切にしています。人種差別やジェンダーの問題にフォーカスを当てて創作してみたり。人物のイラストだったら、肌や髪の色は幅広く使いますね。見てくれる人が『肌が白い=カワイイ』と捉えないように、極端な白を肌の色に使わないようにしています。
かわいい作品やキレイな作品はたくさんあると思うけど、『これは私にしか作れない』みたいな作品を生み出したいんです」
Q3. SNSを通して、自己主張するのは怖くない?
「うーん、怖いとは思わないかな。確かに、学校では人に合わせることばかり習ってきたし、あと二重だからカワイイとか、顔が小さいからカワイイみたいな、誰かが決めた価値観を押しつけられることも多いと思う。
でも私は、自分にしかないものを理解して、自分を表現できている子がいちばんカワイイって思うし、自分もそうありたい。SNSを通して、もっと自分を表現していいんだよ、自己主張していいんだよって、みんなに伝えられたらいいな」
Q4. SNS上でネガティブなことを言ってくる人はいない?
「いますね。SNSを見てくれる人が増えたぶん、そういう人も多くなりました。ひとりひとりの考え方が違うのは当たり前。だからこそ、押し付けるのではなく、リスペクトし合わなきゃいけないと思います。
アンチに負けない自分の軸を持っていないといけないなとも感じることも多いけど、そういう難しさも含めて、SNSって面白いなと思う」
Q5. どんなときに幸せや生きがいを感じますか?
「大切な人たちと、ごはんを食べて笑ってるとき。それこそ、SNSでネガティブなことを言われたときに、支えてくれるのは、リアルでつながっている友達や彼氏です。
昨日も友達と話していたんですけど、SNSのフォロワーとか、いいねっていうのは、やっぱり数字だから、増えたり減ったり変化するものだけど、『友達』っていう存在は変わらない。ずっと大切にしていきたいなと思います」
Q6. 普段はどんな友達と過ごすことが多いですか?
「みんなとても自由な気がします。渋谷の周辺で働いているので、よく渋谷らへんにいるんですけど、友達も普段からこの辺にいて、その子たちと何も考えずにわちゃわちゃしたり、何も生み出さないような、くだらない話をずっとしてる。
そんな友達が、抜くところと頑張るところのメリハリを、生活に与えてくれるんです」
Q7. 生きるうえでのポリシーを教えてください。
「自分という軸を忘れない。高校を辞めたばかりのころ、みんなは学校行って、授業中も寝ていたりしているけど、私は働かなきゃいけない。普段はそんなに意識しないけど、やっぱりインスタのストーリーで、同世代の子たちが遊んでいるのをみて、正直しんどいときもありました。
でも、そういうときに『人とくらべても仕方ない。これが自分なんだ』みたいな軸を持つことで気持ちが楽になりました」
Q8. 世の中が「こう変わればいい」と思うことは?
「いい意味で、人のルックスとかに干渉しない世の中になればいいなと。あとは、もっと他人に対して、リスペクトをちゃんと持てる世の中になってほしいです」
Q9. 今後の展望・将来の夢は?
「近々、編み物屋さんでも始めてみようかなぁって思っています。でも正直、編み物とかイラストをやってるけど、それを仕事にしてないからこそ楽しめてるっていうのもあって。
今は、とにかくいろんなことに手を出してみたいです。音楽が好きだからDJもやってみたいし、服も作ってみたい!」
Q10. 同じ時代を生きる10代に、メッセージをお願いします。
「周りに迷惑かけてもいいし、バイトをバックレても、辞めてもいいから、自分の気持ちを大事にしてほしいです。自分が壊れてからじゃ遅いから。『嫌なものは嫌』でいいし『やりたくないからやらない』でもいい。
みんな、もっと赤ちゃんみたいに生きていいじゃんって思います。自分の心に素直になって、一緒にはっちゃけて行きたいなあ(笑)。」
■TAATAの今日のファッション
「スニーカーにはあえてスラックスを合わせてみたり、かっちりした靴はトレーナーと合わせるみたいな、ジャンルにとらわれないファッションをすることが多いです。
こういうスニーカーをはくと、どうしてもストリートファッションに寄りがちだけど、それは自分にはマッチしない。だから、髪型とか髪色も考えて、バランスをとるようにしています」
■TAATAのSNS
★Instagram
Photo:Eri Miura
Text:Yui Kato
Edit:Takeshi Koh