
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、英国で進む地下施設を活用した農作物の栽培についてご紹介します。
地下でも商業規模の農作物栽培は可能か?
人口が増加傾向にある昨今。それに伴い、課題のひとつとして挙げられているのが、食糧生産です。そのため、現在世界各国で食糧生産に関する研究や実験が進められています。
例えばイギリスでは、なんと地下1.1Kmの場所にある「ボウルビー地下研究所」にて、農作物を栽培する12か月間の実証実験がスタートしています。同研究所は科学技術施設協議会(STFC)が運営する国立施設であり、実験の目的は地下農業が商業規模で実施可能かどうか実証的な証拠を集めるため。そして、国立施設を本来の科学的使命の範囲を超えた研究に開放するためだそう。

同実験は、ボウルビーの研究室スタッフの支援を受けて、シェフィールド大学の持続可能な食料研究所と食品生産会社ファーム・アーバンによって行われています。ちなみに、栽培している農作物は、レタスなどの葉野菜だそうです。地下で育った野菜は、通常のものとどのような違いがあるのか、味は変わらないのでしょうか?気になりますね。
「地下農業」研究が注目されるのはなぜ?

以前から、「地下農業」というアイデアは存在していました。けれど、「実際にどのように機能するのか」という現実的な証拠は少ないとのこと。そのような背景もあり、収量やエネルギー使用量、および運営コストに関する実用的なデータセットを構築するために、モニタリングをおこなうことになったのです。
また、地下環境は安定しているため、暖房や換気にかかるエネルギーコストを大幅に削減し、食料生産の持続可能性を高める可能性があるのだそう。その他にも、土地が限られていたり天候の予測が難しくなっていたりする地域において、地下空間が新鮮な食料を生産するための選択肢となり得るかを解明する目的もあります。
英国全土にある廃坑を有効利用できる可能性も

実は、英国全土には数千もの廃坑が存在します。そのため、今回の実験の成果によっては、それらの跡地を有効活用できる可能性が高まります。
またこれらの跡地は、経済的に恵まれない地域に位置していることが多いため、再活用によって雇用の創出や新鮮な農作物へのアクセス改善、地域社会への支援、歴史的建造物の再活用が期待できるのです。食糧問題の解決以外にも、多様な恩恵が受けられる点は嬉しいですね。
英国の実証実験に今後も注目!
英国でスタートした、地下施設を活用した農作物の栽培実験。結果によっては、今後の食糧問題解決の鍵になる可能性もあります。英国以外の国でも実施されるかもしれません。各国で導入できるよう、同実験では良いデータが収集されることを期待したいですね。
Reference:
UK underground laboratory host world’s deepest farming study| UKRI
The World’s Deepest Farm Is Growing Food 1.1 Kilometres Underground|Agri Conserve
World’s Deepest Farming Study Begins 1.1km Underground in UK Lab|Good News Gilbert
Text:Yuki Tsuruda






