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アフリカの医療過疎地域でも普及している薬用植物を使った伝統療法って?【Steenz Breaking News】

アフリカの医療過疎地域でも普及している薬用植物を使った伝統療法って?【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、アフリカの一部の地域で普及している、植物を使った伝統医療について紹介します。

古来から存在するハーバル療法

約120万年前から存在したとも言われている、薬用の植物を利用したハーバル療法。地球上に存在している推定30万種の植物のうち、2,800種以上が薬用の用途で使うことができると言われています。

世界保健機構(WHO)によると、アフリカでは70%から80%の人々が伝統療法であるハーバル療法を使用しています。例えば南アフリカでは、サザーランディア・ミクロフィラという植物は、HIV陽性者のエネルギー、食欲、体重を増加させる可能性があるとされてきました。他にも、植物の葉や枝などを煎じ、風邪や腹痛、ストレス、つわりなどの症状に用いるほか、陣痛を促したり、ときには中絶を目的として使われたりするケースもあるとされています。

伝統医療で使用されるハーブは路上で売られていることも。筆者がウガンダの路上で見かけたものは粉状になっており、1袋あたり100円ほどで販売されていました。

医療不足の穴を埋める役割も?

アフリカで伝統医療が現在も利用されている背景には、長く受け継がれてきた文化や宗教的価値観に加え、近代医療へのアクセスの難しさもあります。

例えばマラウイでは医療従事者が不足しており、医師は人口1,000人あたり0.019人未満、看護師・助産師は0.283人未満とされています。こうした状況の中、地域に根付いた伝統治療師が、近代医療だけでは行き届かない部分を補っているという報告もあります。

マラウイでは、伝統治療師になるための正式な教育や訓練制度は確立されておらず、家族や他の治療師から実践的に学ぶ人もいます。医師や看護師のような公的な資格制度もありません。

また、病院を利用したくても、医療施設までの距離や費用が障壁となり、受診を諦める人もいます。安価な公立病院で診断を受けられても、治療のための医薬品が不足しているといったケースもあるようです。

こうした背景から、伝統治療師は地域住民にとって身近な医療の担い手となり、近代医療を補完する役割を果たしているのです。

伝統を守るための活動も

ウガンダの大学や博物館とスイスの大学による国際共同プロジェクト、「Traditional Medicine in Transition」(以下TMT)は、伝統医療であるハーバル療法を保全し記録することを目的としています。

ハーバル療法は口承文化として伝えられてきたものもあり、現在は若者がこれらの知識に触れる機会が減少しているという課題があります。

そこで、TMTは調査と記録の他に「移動する博物館」を運営。バスに設置された博物館では、映像や画像、実物の植物、テキストなどを用いて伝統医療を紹介します。移動する博物館は小学生から高校生までの若者に知識を提供するだけでなく、地域のハーバル療法の有識者である大人や高齢者とも交流できる空間となっています。

また、知的資源の喪失だけでなく、気候変動や環境破壊などによる薬用植物そのものの存続もまた脅威となっています。そのため、プロジェクトでは、自然資源への依存を減らすため、薬用植物の庭園の運営、持続可能な栽培・採取方法の普及などもおこなっているそうです。

ウガンダなど、医療サービスへのアクセスやインフラに課題のある地域では、伝統療法が病気や怪我をした際の対処手段のひとつとなっています。誰もが必要な医療を受けられる環境を整えることも急務ですが、地域に根付いた伝統療法を受け継いでいくこともまた重要な課題です。「Traditional Medicine in Transition」プロジェクトのような、伝統療法を支える知識や自然資源を守る取り組みに、今後も期待が高まります。

References:
National Library of Medicine「Medicinal plants of the upper Aswa River catchment of northern Uganda – a cultural crossroads」
Wiley Online Library「A Bibliographic Assessment Using the Degrees of Publication Method: Medicinal Plants from the Rural Greater Mpigi Region (Uganda)」
World Health Organization「Traditional Medicine」
SPRINGER NATURE「Understanding the perspective of traditional healers on their role within the Malawian healthcare system: a qualitative study in Thyolo District」

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Kyoko Onishi

エディター

呉服屋、事務職、大学・専門学校のパンフレット制作を経て、現在はフリーランスのライター兼エディターとして活動中。過去には、趣味である温浴・サウナ関連のWEB記事やエッセイ、書籍の執筆にも携わる。

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