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ケニアで22万人が暮らすカクマ難民キャンプ。難民自身が築く巨大な経済圏を支えるものとは【Steenz Breaking News】

ケニアで22万人が暮らすカクマ難民キャンプ。難民自身が築く巨大な経済圏を支えるものとは【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、ケニアのカクマ難民キャンプについて紹介します。

世界最大級の難民キャンプの実態

難民キャンプというと、広い土地にテントが並ぶ光景を想像する方が多いのではないでしょうか。

しかし、中には難民自身がさまざまなビジネスを立ち上げ、巨大な経済圏を作り上げている難民キャンプもあります。世界最大級と言われている難民キャンプ、ケニアのカクマ難民キャンプ(以下カクマ)がその例です。

 

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ケニアの北西部、トゥルカナ郡に位置するカクマ難民キャンプは、1992年に設立されました。長年にわたり、南スーダン、エチオピア、コンゴ民主共和国、ソマリアなどから、紛争や迫害、飢餓、干ばつや洪水といった気候変動から逃れた難民が集まり、現在約22万人が暮らしています。

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の調査によると、カクマ難民キャンプには、そこで暮らす人々に向けて何らかのサービスを提供する小規模の店が2,100店舗以上あるそうです。地域の経済規模は約5,600万米ドル(約63億円)にも上るとのこと。一部の難民は事業主として商人やバイク運転手、仕立て屋などで生計を立て、難民コミュニティだけでなく、地元の人々からも人気のショップもあると言います。

その背景には、難民生活の長期化があります。難民キャンプは本来、一時的な避難先として設けられることが多いものの、紛争などが長期化すると難民生活が10年以上に及ぶことも。ちなみにカクマでの難民の平均的な滞在期間は、17年だと言われています。難民に対しては、食糧や住居など生命を維持するための人道支援がおこなわれますが、長期的に生活していくためには、難民が自ら仕事を得て収入を確保していく必要があるのです。自らの手で生計を立てることは、生活の安定だけでなく、自分の人生を自分で選択し、尊厳を守ることにもつながります。

一方で、ビジネスを始めるための経験や技術、ネットワークを持っていても、「難民である」という立場ゆえに、最初の一歩となる融資を受けられないという問題も。例えば、ケニアの銀行融資の金利は約14%ですが、カクマでは難民に対する融資の金利が約20%になることもあります。さらに、多くの難民は、ローンを組む際に求められる担保や必要な書類を持っていません。

「難民である」ことを生かすビジネスプラン

こうした状況の中で、難民が持つ経験や能力に目を向け、融資やビジネス支援を行っている企業があります。

2012年にルワンダで設立された「Inkomoko」は、難民・避難民とその受け入れ地域の起業家や小規模事業者を支援する企業です。

 

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Inkomokoはただ投資するだけではなく、金融リテラシーやビジネスモデルなどに関する講座を開催。事業者に1対1の個別指導を提供し、返済率は93%にも上っています。

根本にあるのは、社会的、経済的に不利である難民は「金融システムから排除されているため、資金にアクセスできない」だけであるという考え方です。そこで、事業を運営するための知識や能力を高めたうえで資金を提供。難民自身が事業を成長させ、自立していくことを目指しているのです。

2020年から2025年の5年間で、Inkomokoはカクマ難民キャンプで、10,000社以上の事業を支援したと言います。そのうち52%は女性で、63%は強制的な移住を経験した人々でした。

 

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難民の自立支援が地域の経済効果にも

ケニアでは現在、カロベイエイ統合社会経済開発計画(KISEDP)を通して、難民と受け入れコミュニティを地域社会の一員とし、双方の経済的なつながりを持たせる取り組みが進められています。

難民を「支援される側」として孤立させるのではなく、すでに持っている経験や能力を生かし、地域の経済を担う存在として捉える。地域社会の一員として経済活動に参加できる環境を整えることで、新たな雇用や経済効果も生まれます。カクマで発展した経済圏は、そんな持続可能な支援のあり方を考えるひとつの事例なのかもしれません。

References:
UNCHR「Kakuma Refugee Camp」
REFUGEE POINT「The 8 Largest Refugee Camps and Settlements in the World: 2026 Update」
UNCHR「Kalobeyei Settlement」
CENTRAL BANK KENYA「Commercial Banks Weighted Average Rates」
Inkomoko「Our History Timeline」
Inkomoko「What We Do」
Inkomoko「Impact Stories」

Text:Hao Kanayama

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Hao Kanayama

ライター

ウガンダ在住。アフリカ専門ライター/音楽フェス・イベントプロダクション等。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。

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