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紛争下の性暴力によって生まれた子どもへの差別と疎外。アフリカでおこなわれる支援とは?【Steenz Breaking News】

紛争下の性暴力によって生まれた子どもへの差別と疎外。アフリカでおこなわれる支援とは?【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、紛争国の性暴力被害者やその子どもを取り巻く現状について紹介します。

性暴力により隔絶される女性とその子どもたち

コンゴ民主共和国やスーダン、中央アフリカ共和国、ソマリアといった国々では、いまもなお紛争や武装勢力による暴力、攻撃が続いています。こうした状況では、人命が失われるだけでなく、住民の強制的な避難や、食糧不足、貧困、社会の分断、そして紛争関連の性暴力も、深刻な問題となっています。

性暴力は領土や資源を支配する目的で、放火や略奪、暴力などとともにおこなわれることも多いと言います。学術出版社のSpring Natureが発表した研究では、コンゴ民主共和国で続く紛争で、性暴力により妊娠した女性は心身のダメージに加えて、夫や家族、コミュニティからの拒絶といった社会的な影響も受けているがわかっています。

また、コンゴ民主共和国では母体の安全以外を目的とする中絶が厳しく制限されており、紛争下の性暴力によって何千人もの子どもが生まれたと言われています。

国連によると、紛争下の性暴力によって生まれた子どもは、家庭内外で拒絶・疎外されることが多く、乳児殺害、出生時の遺棄、無国籍、差別、貧困、武装組織への勧誘などのリスクが高まるのだそうです。さらに、多くの国で「紛争の被害者」へのさまざまな支援から取り残されてしまうことも多いのです。

例えば、32年前にルワンダで起きたジェノサイドでは、多くのサバイバーが救済支援を受けたにも関わらず、性暴力によって生まれた子どもには支援を受ける権利がありませんでした。また、紛争が続くスーダンなどでも、父親の名前がなければ子どもを出生登録することが難しく、結果として「存在のない子ども」となってしまっているのです。

被害者と子どもたちの支援

このような性暴力被害者や子どもたちを支援する動きもあります。

The Trust Fund for Victims(以下、被害者信託基金)は、2002年に国際刑事裁判所(ICC)によって設立された基金です。主にジェノサイド、人道に対する罪、戦争犯罪、侵略犯罪などが起きた際に、裁判所が命じた賠償を実施し、被害者の支援をおこないます。

被害者信託基金は現在、アフリカ大陸ではウガンダ、中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、コートジボワール、マリ、ケニアで紛争被害者支援のプログラムを実施しています。

中でもウガンダでは、紛争下の性暴力被害者と家族に対し、医療や心理的な支援に加え、生活再建のための継続的な支援をおこなっています。性暴力の被害者には、トラウマカウンセリングや認知行動療法を用いたグループ活動を通して、心の回復を支えるプログラムを実施。職業訓練や少額の融資、農業や畜産などを通じて安定した収入を得る手段を作り、生活の再建も支援しています。こうした支援は被害者だけでなく、その子どもたちにも及んでおり、教育を受ける機会を支える取り組みもおこなわれています。

紛争下の性暴力には継続的な支援が必要

紛争下では、HIVや性感染症、身体的な外傷など、性暴力の被害者には早急な治療が必要になるケースもあります。しかし紛争下では、病院が破壊されていたり、道路が封鎖されていたりするため、必要な医療を受けること自体が大きな壁となっています。さらに、社会的なスティグマや報復への恐怖から、被害者が声を上げることが難しく、支援につなげることも容易ではありません。

一方で、性暴力による被害は、紛争が終われば解決するものではありません。身体的・心理的な傷に加えて、被害者もその子どもも社会からの疎外や差別を受けるなど、その影響は長期にわたります。被害を受けた女性の心身の回復をはじめ、その子どもたちへの教育や生活のサポートなど、長期的な支援が求められています。

References:
The Trust Fund for Victims「About the TFV」
The Trust Fund for Victims「Uganda」

Text:Hao Kanayama

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Hao Kanayama

ライター

ウガンダ在住。アフリカ専門ライター/音楽フェス・イベントプロダクション等。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。

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