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覚せい剤の密輸中継地から製造拠点に。ナイジェリアが抱える違法薬物問題とは【Steenz Breaking News】

覚せい剤の密輸中継地から製造拠点に。ナイジェリアが抱える違法薬物問題とは【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、ナイジェリアで覚せい剤の製造が広まっている現状について紹介します。

ナイジェリアでメタンフェタミンの大規模工場が発見

覚せい剤の一種であるメタンフェタミン。製造や流通、使用は国際的に規制されているものの、いまだ根絶には至っていません。東・東南アジアやメキシコなどが主要な製造地とされてきましたが、近年、ナイジェリアも新たな生産拠点として台頭しているといいます。

これまでナイジェリアは、違法薬物の国際取引の中継地として警戒されていましたが、現在では大規模な製造や国内での消費までおこなわれるようになっています。

2026年6月、ナイジェリアの国家薬物取締局(NDLEA)は、同国の南西部の森林でメタンフェタミンの製造工場を発見しました。押収された薬物や原料は約579億円相当とされ、メキシコ人3名を含む10名が逮捕されています。

 

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国家薬物取締局は2011年から2016年の間に、ナイジェリアで11の覚せい剤の製造工場を発見、摘発してきました。しかし、今回また新たな大規模工場が発見されたことで、違法薬物を生産する国際的な犯罪組織と、ナイジェリアの武装組織の接近も懸念されています。

 

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ナイジェリアはなぜ中継地から生産地に?

国連薬物犯罪事務所(UNODC)によると、西アフリカは1970年代から国際的な薬物市場へ関与してきました。とくにナイジェリア南東部出身者の一部は、海外に形成されたディアスポラ(海外移住者)のネットワークを通じて、サンパウロやバンコク、カラチなどにコカインなどの違法薬物を輸送してきたと言います。

ナイジェリアが違法薬物の中継地となった背景には、2000年代半ばから拡大した、南米から西アフリカを経由して欧州へ向かうコカインの密輸ルートがあります。大規模な港湾と国際空港などが密輸に利用されたほか、収益のマネーロンダリングもおこなわれてきました。

 

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しかし、ナイジェリアではその後、違法薬物を運ぶだけでなく、国内で製造する動きも確認されるようになります。2011年には、ナイジェリアで初めてメタフェタミンの製造施設が摘発されました。製造が広まった背景のひとつには、製造に必要な前駆物質を入手しやすい環境があります。メタンフェタミンの製造に使用される「エフェドリン」は、医薬品の製造などにも使われていますが、ナイジェリアでは、輸入されたエフェドリンが国内の流通過程で違法に転用された事例が確認されています。また、過去には企業関係者が違法な横流しに関与した事件も捜査されています。

国連薬物犯罪事務所(UNODC)によると、西・中央ヨーロッパと南東ヨーロッパでは、下水分析による推計で、2014年から2024年の間にメタンフェタミンの消費量が47%増加したそうです。こうした需要がある中で、取り締まりが強化されれば、密輸組織が新たな密輸ルートや生産拠点を求める可能性も懸念されています。

 

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中継地として利用されてきたナイジェリアが製造地としても存在感を強め、さらにメタンフェタミンの国内での流通も問題となっており、その背景には国際的な犯罪組織や武装勢力、汚職など、さまざまな問題が複雑に絡んでいます。また、化学物質の輸入に対する規制の緩さも、違法な製造を容易にする要因のひとつとして指摘されています。ナイジェリアに限らず、新たな輸送ルートや生産拠点を求める動きも警戒する必要があり、違法薬物の対策には、国境を越えた連携が求められています。

References:
United Nations「World Drug Report 2026」
INSTITUTE FOR SECURITY STUDIES「Industrial-scale meth production poses new security risks for Nigeria」
UNODC「Transnational Organized Crime in West Africa: A Threat Assessment」
UNODC「WORLD DRUG REPORT 2025」

Text:Hao Kanayama

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Hao Kanayama

ライター

ウガンダ在住。アフリカ専門ライター/音楽フェス・イベントプロダクション等。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。

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