Teen's Snapshots

価値観の押し付けではなく、求められるかたちで。廃棄されるカカオの殻でガーナの児童労働問題に挑む高校生【西台空奈・17歳】

価値観の押し付けではなく、求められるかたちで。廃棄されるカカオの殻でガーナの児童労働問題に挑む高校生【西台空奈・17歳】

「気になる10代名鑑」1382人目は、西台空奈にしだいそなさん(17)。 大好きなチョコレートの裏側にある児童労働問題に向き合い、いままで廃棄されていた「カカオの殻」を再利用するビジネスモデルを構想しています。「児童労働を決して悪とは決めつけられない」と、学びの中で気づいていったという西台さんに、活動での苦悩や将来のヴィジョンについて聞きました。

西台空奈を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

「ガーナのカカオ産業における児童労働問題を解決するために活動しています。

特に、現地で石鹸や肥料への一部利用を除いて、ほとんどが捨てられていると言われている『カカオポッド(カカオの実)』の外皮に着目していて。この殻を農家から買い取り、現地で加工・製品化して日本へ販売する仕組みを構想しているところです。

農家に新たな負担をかけずに収入を増やし、雇用の場をつくることで、子どもたちが学校に通える環境を整えることが目標です」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

わたしが、大のチョコレート好きだったことがきっかけです。

高校1年生の冬に、バスケの試合観戦の帰りにたまたま訪れた青山ファーマーズマーケットで、フェアトレードのチョコレートに出会いました。そこで、自分が笑顔で食べているチョコレートの裏側で、同世代の子どもたちが過酷な環境で働かされている現実を知り、強いショックを受けたんです。

大好きなもので誰かの笑顔を奪いたくないという思いから、自分にできることはないかと考え始めました」

Q3. 活動にあたってのファーストアクションは?

問題を知ってすぐに、児童労働問題に取り組んでいる『認定NPO法人ACE』などの団体を調べました。

さっそく現地の状況を伝える講演会に参加して。児童労働を単に『悪いもの』と決めつけるのではなく、家族のために働かざるを得ない子どもたちの背景についても学ぶことができました。

この経験から、一方的な価値観の押し付けではなく、現地の人たちが求めているかたちで役に立ちたいという意識に変わりました

Q4. 活動の中で、悩みがあれば教えてください。

現地のリアルな声を聞くことの難しさを感じています。学校に来たガーナからの留学生に話を聞くことはできましたが、実際に支援を届けたい農家の人たちとつながる方法は、まだ模索しているところです。

大使館に連絡をしてみるなどのアクションも起こしましたが、なかなか返信をもらうことができなくて。

また、収入が上がることが本当に教育への投資につながるのか、その確かな根拠をどうやって見出していくかも、これからの大きな課題です

Q5. 将来の展望は?

ガーナに加工拠点を設立し、現地の方々に感謝されるような、あたたかい地域づくりに貢献していきたいです。そのために、大学では教育経済学や経営学を学び、ビジネスの力で社会課題を解決するための知識を蓄えたいと考えています。

一方的な支援で終わらせるのではなく、現地の人たちが自ら未来を選択できるような、そんな仕組みをビジネスの力で実現させていきたいです」

西台空奈のプロフィール

年齢:17歳
出身地:東京都品川区
所属:かえつ有明高等学校
趣味・特技:陸上、チョコレートを食べること
大切にしている言葉:関わってくださった方々に、必ず感謝の気持ちを伝える

Photo:Nanako Araie
Text:Selna Iwasa

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Seruna Iwasa

ライター

2004年生まれ、埼玉県出身。立教大学コミュニティ福祉学部コミュニティ政策学科在学。カナダの高校に通っていた際に「セントリベル」を立ち上げ、現在も代表を務める。中高生のキャリア教育に関わる「ディスカバ!」でもメンターも担う等、幅広く活動している。

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