
「気になる10代名鑑」1362人目は、柴田結衣さん(19)。青山学院大学の水泳部に所属し、日々練習を重ねています。中学・高校の6年間、一度も自己ベストを更新できないという、長く苦しい暗闇を歩んできた柴田さんに、当時の葛藤や競技生活の中で見出した「継続」の価値について、話を聞きました。
柴田結衣を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「水泳です。いまは大学の水泳部に所属しています。
部内には監督がいますが、練習メニューの作成や自己管理などは、すべて学生が主体となっておこなっていて。以前はコーチから与えられたメニューをただこなすだけでしたが、いまは記録を出すために必要なことを細かく、具体的に考えてトレーニングをしています。
例えば、練習ばかりに打ち込むのではなく、体を休める時間もしっかりつくるように意識を変えました。このように『自分で考えて動く』という姿勢が、今年の5月に7年ぶりとなる自己ベスト更新と、日本学生選手権の標準記録突破につながったのだと感じています」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「水泳経験者の父親の影響で、生後9カ月ころからベビースイミングを始めました。家の目の前にスポーツクラブがあったこともあり、物心つく前からプールに入っているのが当たり前という環境でした。
小学6年生のときには全国大会で優勝することができ、中学1年生でも全国レベルの高い標準記録を突破するなど、当時はとても順調でした。
しかし、その直後から想像もしていなかった試練が始まりました」

Q3. 活動をする中でつらかったことは?
「中学2年生になる直前、自転車事故で両肘を骨折するという大きな怪我を負いました。食事も自分ではとれないほど大変な状態で、どん底を味わいましたが、必死にリハビリをして2カ月で練習再開に間に合わせました。
しかし、本当の苦しみはそこからでした。成長期の影響もあり、中学・高校の6年間、記録がまったく伸びなくなったのです。全国大会出場は維持できても、かつてのトップレベルからは遠ざかり、『なぜ自分は泳ぐのか』『水泳が将来に役立つのだろうか』と、泳ぐ意味を見失いそうになる日々が続きました。
それでも、いつか必ず自己ベストを出して、これまでの継続に価値を見いだしたいという執念だけで泳ぎ続けてきました。出口の見えないトンネルを抜けた今年5月のレースは、一生忘れられないものになりました」

Q4. 活動するうえで、大切にしていることは?
「仲間の存在と、『継続は力なり』という言葉です。
かつてのクラブではひとりでメニューをこなさなければならない孤独な時期もありましたが、いまは『きつい』と言い合える仲間が周囲にいます。同じ目標を持つ仲間がいることで、義務感ではなく自発的に頑張れることを実感しました。
また、結果が出ない時期もコツコツと積み上げてきたことが、自分の最大の強みだと自覚しています。一度始めたことをやり抜く力は、これまでの競技人生で培われたものです。この力は、大学の学びや簿記の学習にも活きています」

Q5. 将来の展望は?
「まずは9月の全国大会に向けて、200メートル自由形で納得のいく泳ぎをすることです。
その後は、来年の9月から1年間の交換留学に行くことをめざしています。いまはIELTSの学習に取り組んでいるところです。
将来の方向性をまだ模索中なので、あえて一度水泳から離れる可能性も含め、新しい世界を見ることで、自分が本当に進みたい道を見つけたいと思っています」

柴田結衣のプロフィール
年齢:19歳
出身地:埼玉県さいたま市
所属:青山学院大学 経営学部、水泳部
趣味・特技:ドラマ・映画鑑賞、暗算、簿記の学習
大切にしている言葉:継続は力なり
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Photo:Nanako Araie
Text:Selna Iwasa






