
「気になる10代名鑑」1361人目は、寺井葉南さん(19)。 学生団体「Üniring」の代表として、ハラスメントをテーマにしたワークショップの企画や運営に取り組んでいます。自身の経験から「加害者・被害者」という二項対立を超えた対話が大切だと気づいた寺井さんに、そのきっかけや熱い想いを聞いてみました。
寺井葉南を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「学生団体Üniringの代表として、ハラスメントについて学び、対話するワークショップの運営をしています。
おもに高校生を対象に、実際の事例をもとに、被害者・加害者・第三者という3つの視点から話し合い、お互いの価値観をすり合わせる場をつくっています。
最近は大学での心理学の学びを活かして、自分のコミュニケーションの傾向を知るための『ハラスメント傾向診断ツール』の開発にも挑戦していて。ハラスメントを単なる善悪の問題で終わらせず、自分の無意識の特性を知ることで、より自分ごととして捉えてほしいと願っています」
この投稿をInstagramで見る
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「かつて所属していた組織での経験がきっかけです。
そこでは、指導者の人からの発言がパワハラのように感じられたり、無理な要求をされたりすることがありました。でも、周囲の仲間に話してみると、同じ出来事でも『あれは指導だ』と感じる人もいれば、わたしのように傷つく人もいて、受け取り方が人によって大きく異なることに驚きました。
何が正しい・間違っているといったようなハラスメントの定義を一方的に決めるのではなく、言葉にできない違和感を大切にしながら、お互いの背景や価値観を理解し合える環境をつくりたい。そんな強い想いが、活動の原動力になっています」

Q3.活動をする中で、印象的だった出会いは?
「高校内のビジネスコンテストで出会った、審査員の大学教授からの言葉が、わたしの考えを大きく変えてくれました。
それまでのわたしは、自分たちの経験から『ハラスメントは加害者が悪で、被害者は守られるべきもの』という被害者視点の主張を強く押し出していました。しかし、そのとき教授から『わたしたち教員も、どう接したらよいかわからなくて困っている。何でもハラスメント、ハラスメントと言われてしまうけれど、決して傷つけたくてしているわけではないんだ』と打ち明けられたんです。
その言葉に、ハッとさせられました。教える側にも葛藤があり、誰もが気づかないうちに加害者にも被害者にもなり得る。
『加害者をなくす』ことばかりに執着するのではなく、『お互いの立場を理解しながら対話できる場をつくる』ことこそが、本当に必要なことなのだと、心の底から腑に落ちました」

Q4.活動の中で、悩みがあれば教えてください。
「ハラスメントという非常にセンシティブなテーマを扱う難しさを、常に感じています。人によって正解が異なるからこそ、発信のひとつひとつに細心の注意を払わなければなりません。
また、学生という立場で活動していると、『社会を知らない学生に何がわかるのか』という厳しい視線を向けられることもあります。
だからこそ、感情や経験だけで語るのではなく、学術的な論文を読み込み、心理学の知見を取り入れるなど、根拠を積み重ねることを大切にしています。
共同代表をはじめ、支えてくれるメンバーの存在があるからこそ、こうした壁も乗り越えていけるのだと感じています」
Q5. 将来の展望は?
「『ハラスメントをなくす社会』ではなく、誰もが『ハラスメントと向き合える社会』を実現したいです。
価値観が多様な現代において、すべての衝突をなくすことは不可能かもしれません。だからこそ、違和感から目をそらさず、言葉にして対話するプロセスを社会に根付かせていきたいです。
いずれは団体を法人化し、社会的な信頼を持って活動をさらに広げていくことが目標です。
これからも人とのつながりを大切にしながら、自分のときめきを信じて、自分らしい挑戦を続けていきたいです」

寺井葉南のプロフィール
年齢:19歳
出身地:東京都豊島区
所属:慶應義塾大学、学生団体Üniring
趣味・特技:温泉巡り、お菓子作り、カメラ、トロンボーン
大切にしている言葉:なるようになる
寺井葉南のSNS
★X
2026/03/15
TOKYO STARTUP GATEWAY PROJECTS FAIR AWARD spring2026を受賞しました!
記念すべき第1回目のAwardを受賞する事ができ、嬉しいです!✨️
投票してくださった皆様、本当にありがとうございました!
今後とも応援よろしくお願いします!#Üniring#tokyostartupgatway#tsg#PROJECTFAIR pic.twitter.com/D3vDNq8EOO— 寺井 葉南|Hana Terai (@hana_uniring) March 23, 2026
この投稿をInstagramで見る
Photo:Nanako Araie
Text:Selna Iwasa






