
「気になる10代名鑑」1360人目は、小出清美さん(19)。海外大学留学を前に、日本発の技術である「ソーラーシェアリング」を開発する会社で働いています。日本と海外での「暑さ」の報道の違いに疑問を持ち、環境問題への学びを深めていった清美さんに、これまでの活動や将来の夢を聞いてみました。
小出清美を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「さまざまな会社でインターンに取り組んでいます。そのうちのひとつが、株式会社TERRAでの『ソーラーシェアリング』を広める活動です。
これは、農業を営みながら、その上の空間で太陽光発電をおこなうもので。従来のメガソーラーは山を切り開いていくので、環境を破壊してしまう側面がありますが、この方法は細長いパネルを使うことで、下の作物に光が届くように設計されているんです。耕作放棄地を活用して土壌を改善しながら、エネルギーも生み出すという持続可能な解決策に深く感銘を受けました。
わたしはここで、助成金の申請書類を作成したり、日本発の技術を世界に広めるための英訳作業をしたりしています。
また、9月からは、世界7カ国を回って各地の地域課題を解決するプロジェクトをおこなうミネルバ大学へ進学予定です」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「本格的に環境問題に関心を持ったきっかけは、わたし自身の体調にも関わる『夏の暑さ』でした。
日本のニュースでは、暑さに対して『ハンディファンを持ちましょう』や『エアコンをつけましょう』といった、一時的な対症療法ばかりが語られることに強い違和感を覚えたんです。
一方で海外のニュースに目を向けると、この暑さの原因として『気候変動』の影響があるとはっきり発信されていました。情報発信のあり方ひとつで、人々の意識がここまで変わってしまうのかと衝撃を受けました。
そこから自分でも正しく知ろうとエシカル協会の講座を受講しはじめて。根本的な課題解決をしたいと強く思うようになったんです」

Q3. 活動にあたってのファーストアクションは?
「高校1年生のときに、高校のslackコミュニティでインターンを探していて見つけたFoPs(First Off Projects)という事業で、高校生と企業をつなぐマッチングサービス『ONEGAI』のプロジェクトを立ち上げたことです。
きっかけは、入学した高校にプログラミングやイラストなど、大人顔負けのスキルを持つ仲間がたくさんいると知ったことでした。
印象的だったのは、滋賀県の空き家をPRするために開催した2泊3日のイベントです。全国から10人の高校生を呼び、現地の人たちの要望を聞いて、責任を持って成果物を完成させました。
役割分担や進行管理をひとりで担う準備期間は本当につらく、泥臭い作業の連続でしたが、現地の人たちに喜んでもらえた経験は、大きな自信につながって。この『ひとつのプロジェクトをやり遂げた』という実感が、いまの環境問題に対する活動の支えになっています」
Q4. 影響を受けた人物は?
「スタディメーター株式会社の代表で、FoPs(First Off Projects)を運営している箕輪旭さんです。
高校1年生のとき、何か新しいことに挑戦したくてインターンを探しましたが、当時は10代を受け入れてくれる場所がどこにもありませんでした。
そんな中、箕輪さんは『若い人にもっと活躍してほしい』と、わたしをひとりの人間としてフラットに信頼し、場を設けてくれました。はじめての面談で、自分がやりたい挑戦的なプロジェクトと、社会に必要そうなプロジェクトの2つを提案したとき、箕輪さんが『楽しいほうをやろう』と言ってくださったのが忘れられません。
単に仕事を割り振るのではなく、わたしの好奇心を尊重して、プロジェクトの主導権を任せてくれたことが大きな自信になりました。中学時代、不登校で家と学校と病院だけの狭い世界にいたわたしにとって、自分の興味ベースで外に居場所を見つけられたことは救いでしたね」
Q5. 将来の展望は?
「将来は、ものやエネルギーが循環する社会を構築したいです。
都会に住んでいると、便利な生活が自然の犠牲の上に成り立っていることに気づきにくいですが、過剰な生産や廃棄は自然やそこで働く人たちに影響を与えています。自然破壊や不適切な労働などの課題解決を行う仕事がしたいです。
進学予定のミネルバ大学では、世界各地のサステナビリティの先進事例を学び、IT、ビジネス、環境などの多様な視点から課題解決をできるようにすることが目標です」

小出清美のプロフィール
年齢:19歳
出身地:東京都台東区
所属:Minerva University、First off Projects
趣味・特技:ダンス
大切にしている言葉:人は市から目を背けているうちは、自己の存在に気を遣えない(ハイテガー)
小出清美のSNS
この投稿をInstagramで見る
Photo:Nanako Araie
Text:Selna Iwasa






