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毎日モルモットを食べる村で気づいた、「色」の不思議 Mirei in Paris #13【Steenz Abroad】

毎日モルモットを食べる村で気づいた、「色」の不思議 Mirei in Paris #13【Steenz Abroad】

こんにちは。2025年9月からフランスに留学しているMireiです。

今回は、フランスの大学の休暇中に訪れた、ペルーの先住民「ケチュア族」の村での生活についてお話しします。

モルモットもアルパカも食べる


これまで50以上の家庭でホームステイしてきましたが、ご飯を残したことは一度もありません。羊の頭が丸ごと出てきた日も、ハエが大量に混じったお米が出てきた日もありました。それでも郷に入れば郷に従い、すべておいしくいただいてきました。

そんなわたしでも、今回ホームステイしているケチュア族の家庭で、大事に育てていたモルモットを食べると言われたときはさすがにびっくりしました(笑)。日本ではペットとしても親しまれるモルモットですが、この地域では昔から大事なタンパク源として食べられてきました。さらに、モルモットのほかにも、アルパカや羊などを食べる習慣もあります。毎日食べたことのない食材や動物ばかりで、ご飯の時間はワクワクでした。

そして、この村で驚いたのは食文化だけではありませんでした。

「青」がない言語


ホームステイ先の家族が話すケチュア語について調べていると、あることに気づきました。この言語には、わたしたちが使うような「青」という独立した色名がありません。さらに驚いたのは、以前ホームステイしたグアテマラのカクチケル語やポコンチ語でも、青だけでなく、オレンジや紫に相当する色名が存在しなかったことです。

「こんなにカラフルな民族衣装を着ているのに?」最初は不思議で仕方ありませんでした。

色は「見えていない」のではなく、「分け方」が違う

でも、彼らの目にわたしたちと違う色が見えているわけではありません。違うのは、色の境界線の引き方です。色は本来、虹のように連続的につながっています。それをどこで区切って名前を付けるかは、言語によって違うのです。

たとえばわたしたちも、黄緑や青緑をまとめて「緑」と呼ぶことがあります。それと同じように、ケチュア語では、わたしたちが「緑」「青」と分けるところを区切らず、空の色も木の葉の色も、ひとつの同じ色として捉えているのです。ただ最近は、中南米のスペイン語圏では先住民でもスペイン語を話す人が増えています。スペイン語には「青」「オレンジ」「紫」といった色名があります。すると、それまでひとつのまとまりとして捉えていた色を、「これは青」「これはオレンジ」と区別するようになっていくのです。

同じ人間ですから、目に映っている景色そのものは同じはずです。それなのに、色ひとつとっても、その捉え方は世界中さまざま。世界を切り分けているのは目ではなく、「ことば」なのです。考えてみれば、スマホだって「スマホ」と名付けられていなければ、ただの光る板です。わたしたちはこのカオスな世界を理解するために、いろんなものに名前をつけ、ことばで世界を切り分けながら生きているのです。

そして、その切り分け方は言語によって違う。だから、ことばを学ぶことは、その人たちの見ている世界をのぞきに行くことでもあります。もっといろんな人の目に映る世界をのぞいてみたくて、わたしは今日もことばを学ぶのです。

同じ人間なので見えている景色は同じはずなのに、目に見える「色」の捉え方も世界中さまざま。その捉え方は、世界を切り分けるための「ことば」なのです。

巴山未麗(Mirei)のプロフィール

東京都出身。フランス・パリの言語大学に留学中の大学4年生。言語がとにかく大好きで、留学先の大学ではウォロフ語を専攻する他、ビスマラ語、マラガシ語、シンハラ語なども学んでいる。

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巴山未麗

2003年生まれ。これまで45以上の国を訪れ、現地家庭でホームステイをしながら調査した言語は50以上。セネガル人向けフランス語学習アプリLEUK STUDYの開発を経て、ビジネスやクリエイティブの視点で少数言語の新しい価値を生み出すことを目指しkotohaを立ち上げる。慶應義塾大学在学中。

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