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回収ボックスに入れた衣類は「その後」どうなる?繊維リサイクル工場見学レポート【Steenz Breaking News】

回収ボックスに入れた衣類は「その後」どうなる?繊維リサイクル工場見学レポート【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」 。今日は、繊維リサイクル工場の現場より、衣服のリサイクル事情についてレポートをお届けします。

資源回収や回収ボックスに出した衣服のその後

服を手放すとき、どんな手段を取ることが多いでしょうか。人にゆずる、古着屋に売るといった手段のほかに、地域の回収や商業施設などに設置された回収ボックスなどでの「資源回収」は、多くの人にとって最も身近な存在かもしれません。

しかし、回収に出した衣服の「その後」について具体的に知る機会は案外少ないものです。

今回は、90年の歴史を持ち、国内外10拠点で繊維リサイクルを手がけてきたナカノ株式会社横浜工場を取材。手放された衣服の行方を追いました。

古着はどんな姿に生まれ変わるの?

「日本では室町時代より着物をほどき赤ちゃんのおしめにしたり、最後は土のこやしにしたりと、服を使い切る文化が根付いていました。商業としての『リサイクル』の概念が誕生したのは1970年代のこと。大量生産、大量消費が定着し、ごみ問題が深刻化したことが背景にあります」と、ナカノ株式会社の藤田さんは、繊維リサイクルの歴史について話します。

国内では、年間約89万トンの衣料品が手放され、3割がリユースやリサイクルなどによって再活用される一方、残り7割が廃棄の道をたどるのだそう。

ナカノ株式会社では、不要となった衣服の回収からリサイクル、再商品化、販売までをワンストップで展開。工場には一日に約数十トンもの服が届き、素材やアイテム別に280種類へ細かく選別されていきます。そこからの行先は、大きく3つに分かれます。

まずは、古着として再利用される「リユース」。工場に入荷する衣類の約50%にあたり、具体的な内訳は国内の古着屋向け5%、海外輸出古着45%です。

次に、工場で油などをふく使い捨ての雑巾「ウエス(工業用雑巾)」。リユースから弾かれた衣類の中から選別され、ボタンやジッパーなど金属を外し、カットして作られます。コットンなど汚れを吸収しやすい素材が適しており、工場に入荷する衣類の約20%がウエスへ生まれ変わるのだとか。

リユースやウエスへの利用も難しいものは「反毛」となり、主に自動車部品などに活用されます。反毛となるのは、ウールコートやセーター、スーツなど全体の約30%。機械でほぐし素材へと戻したあと、フェルト状に加工し、自動車の断熱材や防音材に再生されます。

いざ工場へ潜入!

ここからは、工場の内部を見ていきましょう。1階には、海外に送るため圧縮パックされた古着や、海外工場でウエス加工、返送されてきた古着が山積みになっています。

横浜工場の処理能力は一日あたり約40トン。行政から回収された古着が袋詰めで届き、まずは袋から出して2階へと運ばれていきます。

2階のベルトコンベアには、次々と古着が流れており、約10社の古着販売業者がピックアップをおこなっていました。有名古着店からリサイクルショップまで、さまざまなバイヤーが買い付けに訪れているそうです。コンベアの先では、スタッフの手によって反毛の原料となるコート、セーター、スーツなどが手際よく仕分けされています。

そんなフロアの一角で、カゴいっぱいに積まれた着物の帯が目に留まりました。古着としての引き取り手はなかったものの、加工され、反毛の原料となるのだそう。資源として回収されれば、そのままの形で次の持ち主に渡ることはなくても、新たな製品に生まれ変わる道がある。衣類を長く循環させる仕組みの重要性を改めて実感しました。

消費のあり方を考えるきっかけに

ウエスや自動車部品の需要は、日本の人口減少や産業縮小とともに頭打ちになりつつあります。繊維リサイクルを持続可能なものとしていくためには、リサイクルの新たな出口を考えていくことが課題です。ナカノでも、古着から軍手やベンチを作るなど、未来を見据えた新しい取り組みに力を入れています。

服を買うときや手放すとき、その一着の一生について少しだけ立ち止まって考えてみませんか。

References:
環境省「衣類の資源循環システム構築に向けた現状」

Text:Kagari

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ライター/エシカル・コンシェルジュ

フリーのライター/エシカル・コンシェルジュ。学生時代、100本以上のドキュメンタリー映画を通して、世界各国の社会問題を知る。事務職を経て独立後、ソーシャルグッドに関連する記事を執筆。都会暮らしからはじめるエシカルな暮らしを実践中。 Twitter:@ka_ga_r_i Instagram:@kagari_ethicallifejapan

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