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アフリカの映画館は78万人にひとつ⁉︎ 人々はどうやって映画に触れている?【Steenz Breaking News】

アフリカの映画館は78万人にひとつ⁉︎ 人々はどうやって映画に触れている?【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、アフリカの映画事情について紹介します。

アフリカでどう映画を鑑賞する?

日本では、多くの人にとって身近な娯楽のひとつである映画。映画館に観に行ったり、最近はスマートフォンで映画を鑑賞したりする人も多いはずです。

そんな中、UNESCOが発表したアフリカの映画産業に関する報告書が注目を集めました。報告書によると、アフリカでは映画のスクリーンの数が非常に少なく、約78万人当たりひとつしかないとのこと。一方、日本映画製作者連盟によると、日本には3,675スクリーンがあり、人口当たりで比べると、日本はアフリカ全体の約23倍の数を有していることになります。こうした状況下で、アフリカの人々はどのようにして映画を鑑賞しているのでしょうか。

まず最も手軽な方法のひとつが、DVDの購入やレンタルです。特に東アフリカでは、都市部から地方まで多くのレンタルDVDショップがあり、その場で映画を鑑賞できるパソコンも備えられています。ハリウッドから中国映画、アフリカの映画まで、幅広いジャンルの映画を取り扱っており、中には最新作も含まれています。レンタル料は約40円です。

ただ、そうしたDVDのほとんどは海賊版なのだそう。UNESCOによると海賊版がアフリカの映画産業の収益の50〜75%を占めていると推定しています。

都市部のショッピングモールには、日本に似た最新の映画館もあります。設備や音響の質が高いのですが、チケットの値段は時間帯によって500〜1000円ほど。アフリカにおいては、この金額は富裕層向けだと言えます。

一方で、スラム街などの低所得エリアにも映画館はあります。筆者が訪れたウガンダのスラムでは、学校の教室ほどのスペースにアナログテレビが3台置かれていました。入場料は約5円で、室内はストリートチルドレンや日雇い労働者の若者で賑わっていました。

この日は、「『ひとり全役』で映画を吹き替え。アフリカで愛されるビデオジョッキーの仕事とは」でも紹介したVJが吹き替えをしているカンフー映画を、頻繁に映像が止まる3台のテレビで同時に放送していました。

また、アフリカでは近年、スマートフォンの普及に伴い、YouTubeなどで映画を楽しむ人も増えています。しかし、農村部ではインターネット環境が十分に整っていない地域も多く、スマートフォンを持っていない人も少なくありません。そのため、全ての人にとって映画はまだ身近な娯楽とは言えないのが現状です。

映画をもっと身近に鑑賞できる国もあります。例えば、ナイジェリアはアフリカ大陸で最大の映画産出国であり、年間約2,500本の映画を制作しています。これらは地上波テレビやアフリカの映画専門チャンネルなどで鑑賞することができます。

一方で、南アフリカはスクリーン数は多いものの、映画の制作本数はわずかです。理由としては、ナイジェリアの映画産業「ノリウッド」が低予算・短期間で大量の作品を制作することを強みとしているのに対し、南アフリカは制作本数よりも作品の品質を重視していることが挙げられます。

とくに、南アフリカは国際共同制作が盛んで、ハリウッド映画の『Mad Max: Fury Road』や『Blood Diamond』の撮影地でもあります。そのため、製作費や技術力では南アフリカがアフリカをリードしていると言えるでしょう。

 

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アフリカの映画産業は拡大していく?

UNESCOは、アフリカの映画産業が現在約500万人の雇用、約50億ドルの経済効果を生み出していると発表しました。今後、最大2,000万人の雇用と約200億ドルの経済効果を生み出す潜在力があると考えられています。

そうした期待が高まる中で、アフリカにルーツをもつ俳優・映画監督のイドリス・エルバは、アフリカの映画産業育成のため、2024年にタンザニア・ザンジバルで国際映画スタジオを建設する計画を発表しました。アフリカのクリエイターが海外へ行かなくても質の高い作品を制作できる環境をつくることを目的としており、今後は映画業界の人材育成にも関わっていきたいとしています。

 

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さらに近年は、「アフリカの物語をアフリカの人々自身が伝える」という考え方が広がりつつあります。上映網の不足や海賊版の横行といった課題は残されていますが、文化の発信に加え、雇用の創出や経済成長にもつながる産業として、今後の発展が注目されています。

References:
Unesco「New UNESCO publication highlights growth potential of Africa’s film industry」
総務省統計局「第75回 日本統計年鑑」

Text:Hao Kanayama

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Hao Kanayama

ライター

ウガンダ在住。アフリカ専門ライター/音楽フェス・イベントプロダクション等。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。

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