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高校生のボランティア参加はハードルが高い…浅草の英語ガイドなど高校生の「ラーケーション」を盛り上げる【山村夏音・17歳】

高校生のボランティア参加はハードルが高い…浅草の英語ガイドなど高校生の「ラーケーション」を盛り上げる【山村夏音・17歳】

「気になる10代名鑑」の1365人目は、山村夏音かのんさん(17)。高校生のボランティア活動を広げる学生団体を運営するかたわら、「ラーケーション」の自治体への提言活動に取り組んでいます。「ボランティアは誰かのためにする活動であると同時に、自分の世界を広げるためのものだ」と話す山村さんに、ボランティアの魅力やこれからのビジョンについて聞いてみました。

山村夏音を知る5つの質問

Q1.いま、力を入れていることは?

高校生がボランティアに一歩踏み出すきっかけをつくる学生団体volunshareボランシェアを立ち上げ、高校生向けを中心にボランティア情報の発信やイベントの企画・運営に取り組んでいます

ボランティアには、募集情報が少なく探しにくかったり、身の回りにボランティアのことを頼れる同年代も少ないという現状があると感じていて。だから、volunshareが高校生が参加できる情報を発信する媒体となり、さらにわたしたち高校生メンバー自身が参加しやすいボランティアの場になれたらと思っています。

その場づくりのひとつが、浅草英語ガイド体験です。高校生が2人1組で外国人観光客に英語で浅草を案内する企画で、これまで56名が参加してくれました。英語力に不安がある人でも参加できるよう、初級から上級までのカンペを用意したり、事前交流会を開いたりと、安心して参加できる工夫をしています。

またラーケーション制度を整備するために、自治体への提言にも力を入れています。この制度は、ボランティア、体験学習や探究活動に取り組みやすいよう、保護者や学校の同意のもとで平日に学校を休むことを認める制度で、近年広がってきていて。導入を検討していた自治体には、制度を活用したボランティアや地域探究の事例や、高校生が学校の外で探究する意義について、ひとりの高校生として意見を伝えています」

Q2.活動を始めたきっかけは?

「物心ついたときから、海外滞在の中でボランティアをしてきたことが活動の原点になっています。

わたしは小さい頃から両親の影響で、世界一周旅行やファームステイなど、いろいろな国を訪れてきました。アイスランドでの街のゴミ拾いなど、訪れた先々でボランティアに参加し、現地の人と交流してきたんです。人の役に立ちながら、普段の生活では出会えない価値観に触れられることが楽しくて。その経験から、自然とボランティアがライフワークになっていきましたね。

高校1年生のときに、ちょうど地元の茨城県でラーケーション制度が初導入されて。周囲の友人から『ボランティアに興味はあるけど、学校があるから時間がない』という声を聞いていたので、この制度を活用すれば高校生が抱えている参加のハードルを下げられるんじゃないかと思ったんです。

ボランティアに興味はあるけれど、どう参加したらいいかわからない。そんな高校生が、まず一歩を踏み出せる場所を自分たちでつくるには、制度面のみならず、実際にボランティアの現場を変えることが必要だと感じて、volunshareを立ち上げたんです」

Q3. 活動で大切にしていることは?

「まず一歩踏み出して、自分の世界を広げてもらうことを大切にしています。

わたしは高校2年生のときにニュージーランドとネパールへ留学したのですが、留学とボランティアは、実はすごく似ていると思っていて。どちらも、自分自身のコンフォートゾーンから離れて知らない人や場所に一歩踏み出すことで、いままで知らなかった価値観に出会える機会になります。

だからわたしにとってボランティアは、誰かのためにする活動というよりも、自分の世界を広げるためにするものなんです。誰かの役に立てる達成感はもちろんやりがいになりますが、『自分って何がしたいんだろう』と自分自身を見つめるきっかけも生まれます。わたしは、ボランティアをすることで自己肯定感が上がっていく感覚がありますね。

volunshareでも、まずは参加してくれる一人ひとりの高校生の『やってみたい』の気持ちを大切にしています。最初から大きなことをしなくても、『ちょっと参加してみたら、意外と楽しい!』という一歩でもいいと思うんです」

Q4.活動を通して、実現したいビジョンは?

あらゆる若者が、日常の延長線でボランティアに楽しみながら参加できる社会をつくりたいです。

日本は、ボランティアなどを通じた人助けの割合が世界的に見ても低く、過去にはワースト2位になったこともあります。だからこそ、ボランティアをする人がもっと増えていけば、人のために動くことが当たり前になって、もっといい社会になっていくと思っていて。

そのためにまずは大学のサークルのように、仲間とつながりながら『ボランティアって楽しい!』と思える環境を全国に広げていきます。volunshareではこれからメンバーそれぞれの得意分野を生かして、それぞれの地域で活動を展開し、全国の高校生がボランティアに参加できる場所をつくっていくつもりです。

また、ボランティアへの参加をもっと身近にするための仕組みづくりにも取り組んでいきます。ボランティアの活動実績を記録できる活動管理アプリのプロトタイプを友人向けに公開していて。ボランティアの情報収集から仲間づくり、活動のモチベーション維持までをひとつで支えられる仕組みを目指して、一歩目を踏み出した先に次の一歩へと行動が持続していくようなサービスに育てていきたいです」

Q5.将来の展望は?

将来は、高校生を対象とした海外探究支援事業を立ち上げたいです。

幼い頃のわたしのような経験を、もっと多くの日本の高校生にも届けたいと思っていて、”探究型キャンプ”のようなプログラムを構想しています。海外で社会課題に触れ、ボランティアなどのアクションを起こしてもらい、帰国後もその経験をもとに探究や新しい挑戦を続けていく一連の挑戦を伴走していくサービスにしていきたいです。

海外でのボランティアや探究活動には、費用や語学力などのハードルがあって、興味があっても諦めてしまう高校生も少なくありません。だからこそ一人ひとりに寄り添いながら『やってみたい』を実際の行動につなげられる環境をつくっていきます。

19歳までの事業立ち上げを目標に、ボランティアにあふれる社会を少しずつかたちにしていきます」

山村夏音のプロフィール

年齢:17歳
出身地:茨城県つくば市
所属:土浦日本大学中等教育学校、volunshare、トビタテ!留学JAPAN 高校10期、NGGL6期、U18LAB3期
趣味:旅行、国際交流
特技:友達作り
大切にしている言葉:Action creates opportunity

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Photo:Nanako Araie
Text:Taishi Murakami

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Taishi Murakami

ライター

2006年生まれ。慶應義塾大学2年。民俗学をはじめ、マーケティングやパブリックアフェアーズなどの領域を横断的に学ぶ。「大切にしたいものをきちんと大切にする」をモットーに、現在はヘルスケア領域での起業に向け邁進中。PRマーケターとしての顔も持ち、事業づくりと発信の二面からひとの営みを優しく未来へつなぐ方法を探求している。

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